活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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容疑者ケインズ

容疑者ケインズ (ピンポイント選書)
容疑者ケインズ (ピンポイント選書)
(2008/08)
小島 寛之 商品詳細を見る

満足度★★★★

かなり前に、bestbookさんのブログで見かけて、
面白うそうだと思った本です。

前半は、経済学者ジョン・メイナード・ケインズさんの
「一般理論」の批判的解説。
理論の先見や誤謬、いわゆる公共事業の経済効果の是非が
平易に説明されています。

後半は、最新の経済理論や現在の経済状況に及ぶ
ケインズさんの洞察や影響を考察しています。

著者の小島寛之さんは、ケインズさんに対しアンビバレント
(両価的な)な気持ちを抱いているそうで、

  「ケインズのどこがダメでどこをスゴイと思っているのか、
  正直に書いた」

と述べています。

ケインズさんの理論に関する本は、今までも多数の本が出版されて
いますので、いまさらという感じを持つ方もいるかもしれませんが、
後半の、最近のサブプライムローン問題やバブル崩壊などについて
ケインズさんと小島さんの2重のフィルターを通して、
その現象を読み解くパートは、私にとってはかなり新鮮でした。

個人的にはケインズさんと言えば、株式投資を「美人投票」に
喩えるなど、投資家としての側面になじみがあります。

ケインズさんは、ファンダメンタルズよりテクニカルを重視し、
株式投資だけでなく、為替や商品先物など
かなり広範囲の取引を行い財を成しました。

私の中では「容疑者ケインズ」というよりも、
「投機家ケインズ」といったイメージでしょうか。

一時的には、破綻寸前の窮地に追い込まれながらも、
大胆な投機と慎重な長期投資を両立していくケインズさん。

小島さんは、ケインズさんに対し、

  「ちょっと先走りすぎて軽率だが、めちゃめちゃ鋭い洞察力を持つ
  アイディアマン。でまかせも言うが、真実を知っているのもこの男。」

と評しています。

この小島さんの持つ経済学者としてのケインズさんの人物像と、
私が持つ投機家としてのケインズさんの人物像が、
申し合わせたように一致して、妙に納得してしまいました。

本書は、プレジデント社のピンポイント選書。
このシリーズ、お買い得で当たりの本が多い感じがします。

この本から何を活かすか?

  「バブルは、いつはじけるのか?」

この問いについて、本書では物理理論を経済学に応用した
エコノフィジックスの分野での論文が紹介されていました。

バブル崩壊は「価格水準がピーク」のときに起こるのではなく、
「価格の偏りがピーク」のときに起きるのではないかという仮説です。

注目するのは、格差の度合いを示す“ジニ係数”。

ジニ係数が変化するからバブルが崩壊するのか、
あるいは、バブル崩壊にともなってジニ係数が変化するのか。

相関があるにせよ、どちらが原因でどちらが現象かによって
その意味するところが全く違います。

本書の短い紹介だけでは、不明な部分も多いので、
もう少し調べて見たいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 経済・行動経済学 | 06:52 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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