活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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クルマは家電量販店で買え!

クルマは家電量販店で買え!―価格と生活の経済学
クルマは家電量販店で買え!―価格と生活の経済学
(2008/11/08)
吉本 佳生 商品詳細を見る

満足度★★★★

吉本佳生さんといえば、「スタバではグランデを買え!」が
有名ですが、本書はその続編です。

内容はどちらも「価格」を題材に、経済的思考を養う本ですが、
「スタバ」は“取引コスト”をメインテーマとした初級編、
本書は“裁定”に軸足を置いた中級編といった違いです。

後半ではゲーム理論の説明もありますが、ここまで上手く
実例に当てはめて説明している本は少ないでしょう。

例えば、マーティン・シュービックさんが考案した
ゲーム理論でよく出てくる「ドル・オークション」というのがあります。

これは、“1ドル札そのもの”をオークションするのですが、
1つだけ変わったルールがあります。

それは、入札した人は、落札しなくても、
入札額をオークション主催者に支払わなければならない。

吉本さんは1ドルを1000円に変えて、
自身が教える大学の授業で、実際にやっているそうですが、
かなりの確率で過当競争が起こり、
落札額が1000円を大きく超えてしまうそうです。

途中で勝負を降りると、ただ入札額を損するだけになるので、
1000円を超えてもオークションが続く・・・

吉本さんは、このオークションと構造的に
同じ競争が行われている例として、

  ・1人の女性をめぐって、プレゼント合戦をする男性陣
   (女性をものにできなくても、プレゼントは返ってこない)

  ・利権を獲得するために、接待を争う企業
   (利権を獲得できなくても、接待費は返ってこない)

などを挙げ説明しています。

私は、このドル・オークションを人に説明する時に、
「だから、損切り額を決めたら厳格に守り、ナンピンは絶対にしない。
トレードと基本的に考えは一緒。」
などど、一部の人にしか理解できない例(喩えにもなっていない?)
しか思い浮かばず、説明に窮したことがありましたが、
吉本さんの例を使えば、誰にでも説明ができそうです。

本書では最初から最後まで、吉本節が冴え渡り、
クルマ、学歴、環境などを題材に切れ味鋭い経済的視点で
解説していますから、「スタバ」に少し物足りなさを感じた人にも、
満足できる一冊となっていると思います。

この本から何を活かすか?

フードマイレージ」をご存知でしょうか?

マスコミで取り上げられる機会が増えているようですが、
あまりメディアに接していない私は、本書で初めて知りました。

食べ物の生産地から消費地までの食べ物の
「移動距離×量(重さ)」を計算し、数字が大きくなるほど、
環境に悪い食生活をしていると評価するそうです。

吉本さんは、このフードマイレージを無意味な指標とメッタ斬り。

私は、地産地消を押し付けられるのがイヤな方なので、
(好きな人が、地産地消しているのは一向に構いませんが)
吉本さんの意見に大いに賛成です。

何はともあれ、私はこのフードマイレージ自体を知らなかったので、
今度、農水省に勤める友人に合った時に聞いてみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 


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