活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

なぜ日本の会社は生産性が低いのか?


なぜ日本の会社は生産性が低いのか? (文春新書)

満足度★★★★
付箋数:24

ずいぶん前から、日本の会社は生産性が
低いと指摘されています。

事実、日本生産性本部の調査によると、
時間当たりの労働生産性はOECD35カ国中、
日本は「20位」となっています。

トップのアイルランドやルクセンブルグの
およそ半分程度の生産性です。

生産性、生産性とうるさく言わなくても、
生活レベルはそれほど変わらないので、
別にいいんじゃないの?

そう思っている人もいるかもしれません。

しかし、生産性が低くなっていくと、
日本は確実に貧しくなっていきます。

個人の賃金水準が上がらないどころか、
いずれ下がっていくことになる。

特に日本では、医療・福祉・介護の分野で
生産性の低さが目立ちます。

また、他の生産性の高い国に比べて、
ニッチな分野において、突出した
非価格競争力をもつ企業が少ないのも
日本の特徴です。

そこで最近では「生産性を高めよう」が、
合言葉のようになっています。

しかし、本書の著者、人気エコノミストの
熊野英生さんは、それは「愚の骨頂」だと
指摘します。

なぜなら、「個人の工夫で生産性を上げる」
ことが前提になっているから。

  「筆者は本書の執筆を思い立ったとき、
  生産性に関する書籍をかき集めてみた。
  巷に溢れる書籍の多くは個人のスキル
  アップの指南書だった。
  これらはそれなりに役立つのだろうが、
  いくら個人が頑張っても、企業組織や
  チームの生産性は、全体の機能や
  ビジネスモデルが変わらなければ、
  大きく向上することはない。
  個人の仕事術を無数に積み上げても、
  集団的な生産性向上は難しいからだ。」

もちろん個人の生産性も上げるべきですが、
それだけでは問題の本質的なところは
解決しないというのが熊野さんの考えです。

そして、部下を持たない上級管理職が増え、
一人だけでする仕事が増えている現状で、
生産性向上を求められるのは、「旧日本軍」
に近い体質だと指摘しています。

熊野さんは、野中郁次郎さんらの名著
失敗の本質―日本軍の組織論的研究
から次の文の引用しています。

  「日本軍はある意味において、
  たえず自己超越を強いた組織であった。
  それは、主体的というよりは、そうせざる
  をえないように追い込まれた結果である
  ことが多かった。
  往々にして、その自己超越は、
  合理性を超えた精神主義に求められた。」

旧日本軍は失敗しているので、
その教訓から、旧日本軍がやった
逆を目指せばいいとの結論に至っています。

つまり目指すべき戦略は、「物量重視」で、
「持久戦志向」で、「判断の柔軟性」を
持つこと。

実際に今の日本の職場が、どの程度まで
旧日本軍に近いかはわかりませんが、
「働き方改革」に漂う不条理さを考えると、
熊野さんの説には説得力を感じます。

では、個人の頑張りだけに頼らずに、
生産性を上げるにはどうしたらいいのか?

本書では、次の3つの要因を掘り下げます。

  1. チームワークと協業のメリット
  2. 働く目線の高さ
  3. 職業への忠誠心と利他的行動

この中で3番の「忠誠心と利他的行動」が
生産性の向上につながるという考察は、
斬新でしたが、納得できる内容でした。

個人の生産性を最大化しても、必ずしも
組織全体の生産性の最大化につながらない
のは、組織には「協業」が存在するから。

その協業で成果を上げるために必要なのが
「利他的行動」に尽くすことなのです。

最近では、生産性向上を謳うビジネス書は
多くなりましたが、本書はその中でも、
独自の視点を持った、面白い本でした。

この本から何を活かすか?

熊野さんは、成果主義には限界があるとし、
メンバーが個人の利益ではなく、
もっと大きな目的を見出すべきと考えます。

そのため、サン・テグジュペリさんの
次の言葉を紹介しています。

  「船をつくろうとするなら、男たちに
  木材を集めさせたり、仕事や労働を
  割り当てて命令するなりするのでではなく、
  代わりに果てしなく広大な海への憧憬を
  伝えるといい」

これは、私の好きな名言の1つです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 05:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

GREAT @ WORK 効率を超える力


GREAT @ WORK 効率を超える力

満足度★★★★
付箋数:25

モートン・ハンセンさんは、24歳のときに、
ボストンコンサルティンググループ(BCG)
に就職しました。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで
金融学の修士課程終えたばかりで、
BCGは夢にまで見た憧れの就職先でした。

若いハンセンさんは、コンサルティングの
仕事をした経験がなかったため、
その経験不足を残業で補おうと考えました。

それからの3年間、週に60時間働き、
それが次第に増え、ついには週90時間も
働くようになっていきました。

その甲斐があって、BCGのコンサルタントと
しては、納得できるアウトプットもでき、
自信も持てるようになっていました。

そんなある日、ハンセンさんは、合併買収の
プロジェクトと悪戦苦闘しているときに、
偶然、同僚の作ったスライドを見にします。

そこでハンセンさんは衝撃を受けました。

その分析は、簡潔明瞭で説得力ある見解と
アイディアに溢れていました。

美しいレイアウトは、見ていて楽しく、
何よりもわかりやすく、理に適っている。

つまり、ハンセンさんが自信をもって
やっていた仕事より、優れていたのです。

そのスライドを作ったのは、
チームメイトのナタリーさん。

しかも、彼女は決して残業をせず、
働くのは午前8時から午後6時まで。

もちろん休日出勤もしません。

ナタリーさんも、コンサルタントとしては、
ハンセンさんと同じ程度の経験しか、
持っていませんでした。

それなのに、自分より圧倒的に少ない時間で、
良い仕事をしている。

この事実を突きつけられて、ハンセンさんは
激しく動揺します。

なぜ、彼女は自分より少ない時間で優れた
業績を上げることができたのか?

これを「ナタリー問題」と呼びます。

ハンセンさんは、その後、BCGを辞め、
ビジネススクールの教授になってから、
大規模な調査を実施しました。

それは職場における個人の業績について、
5000人を調査するプロジェクトでした。

具体的にどのような行動が高い業績に
結びつくかを調べる一大調査です。

プロジェクトの分析結果で判明したのは、
優れた業績のかなりの部分は、
「 “賢く働く” 七つの習慣」によって、
生み出されているということでした。

本書は、5000人の調査からわかった、
「 “賢く働く” 七つの習慣」について
事例を交えながら詳しく解説する本です。

 1. 「すること」を減らし、そこに徹底する
 2. 今そこにある仕事を「再設計」する
 3. 「成長サイクル」を巧みに回す
 4. 「情熱×目的」を強力なエンジンにする
 5. 「しなやかな説得力」で勝ち抜く
 6. 解決を明日に持ち越さない
 7. 1個のプロジェクトに全力投球する

これらが、ハンセンさんが立てた問い、
「ナタリー問題」の答えです。

この中で、1番注目すべきなのは、
「することを減らして、とことんこだわる」
働き方です。

することを増やしてしまうと、2つの罠に
陥ってしまいます。

1つは、手を広げすぎると、ひとつひとつに
十分な注意が払えなくなってしまう罠。

もう1つは、複雑さが増し、それぞれの
タスク管理に多大なエネルギーが必要と
なってしまう罠。

本書では、この罠に陥らないように、
次の戦術を示しています。

  ・「オッカムのかみそり」を使え
  ・自分の体をマストに縛りつけよ
  ・上司に「ノー」を言う

また、本書ではミシュランの三ツ星を
獲得している「すきやばし次郎」の
事例が紹介さていました。

小野二郎さんの「タコを揉む執念」が
目を引きます。

個人的には、「 “賢く働く” 七つの習慣」
には非常に納得感がある本でした。

号令だけの「働き方改革」ではなく、
中身と根拠のある「働き方改革」が
示されていると思います。

この本から何を活かすか?

偉大な企業の条件を導き出した
名著『ビジョナリー・カンパニー』。

この本はジム・コリンズさんの著書として、
知られています。

ハンセンさんは、このシリーズ4作目の、
ビジョナリー・カンパニー4』の
共同執筆者です。

こちらの本は企業が「賢く働く」ための
本ですが、それを個人に落とし込んだのが
本書です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

死ぬこと以外かすり傷

満足度★★★
付箋数:24

  「箕輪のやっていることは信者ビジネスだと
  批判されることがある。
   “箕輪の本は信者が買っているだけ” 
   “箕輪のオンラインサロンは信者を
  集めているだけ” 
  しかし誤解を恐れずに言えば、こらからの
  ビジネスはほとんどが宗教化していくと
  思っている。信者を集めることができなくて
  モノを売ることなどできない。
  その背景は人が孤独になったことと、
  物質的に満たされたことの2つだ。」

本書の著者は、ベストセラーを連発する
豪腕編集者の箕輪厚介さんです。

箕輪さんは、まさに本当の「教祖」でした。

箕輪さんは双葉社に在籍中に、 見城徹さんの
たった一人の熱狂』を担当しました。

その後、幻冬舎に移籍し、NewsPicks Booksを
立ち上げ、編集長に就任します。

それから、堀江貴文さんの『多動力 』、
落合陽一さんの『日本再興戦略』、
佐藤航陽さんの『お金2.0』、
前田裕二さんの『人生の勝算』などを編集。

いずれの本も、当ブログでも紹介させて
頂いたベストセラーです。

また、箕輪さんはオンラインサロンで
1300名以上の会員を集め、そこから給料の
20倍以上の収入を得ています。

本書は、そんな箕輪さんが自らを語った本です。

箕輪さんは、一体どのようしてベストセラーを
量産しているのか?

どのようにして、オンラインサロンで
信者を集めているのか?

本書では、その考え方と、行動が明かされます。

  「編集者として、サラリーマンとして、
  僕のスタイルは一般的ではない。
  異常だし、狂っているように見えるかも
  しれない。
  しかし、今の時代に狂っているということは、
  狂っていても間違っていないという何よりの
  証拠だ。新しい時代はいつだって狂っている
  人間が作っていて、その未来が現実になって
  から、初めて理解される。
  しかし、それでは遅い。」

箕輪さんは、仕事にも、自分自身にも熱狂します。
その突き抜け方が、物凄い。

勢いとエネルギー感がハンパないので、
信者と呼ばれるフリークの人たちが、
引き寄せられるのがよくわかります。

言っていることは論理性を欠くものの、
オンラインサロンの会員を扇動する熱量が
あることが伝わってきます。

しかし、与沢翼さんの『ネオヒルズ・ジャパン』
をリリースするぐらいのところから、
個人的には「あれ、この人なんだろう?」
という違和感がありました。

そして本書を読み終えるころには、
ちょっと離れたところから見る分には、
面白いけれど、一緒には働きたくないという
感想を持ちました。

箕輪さんは、「バカになって飛べ! 」と言います。

そして、箕輪さん自身は周りを一切見ず、
リスクをリスクと思わず、何度も何度も
無謀な勝負に打って出ます。

それを続けている限り、今後も箕輪さんは
編集者として、ベストセラーに本を
リリースすることができると思います。

何か、大きな事故が起きるまでは・・・。

そんな事を思うのは、私が理性を捨てられない
からであり、年を取った証拠だと思います。

真似しようと思ってもできないし、
なかなかいない人材なので、
今後も、箕輪さんの活躍に期待したいです。

  第1章 [考え方] 予定調和を破壊せよ
  第2章 [商売のやり方] 自分の手で稼げ
  第3章 [個人の立たせ方] 名前を売れ
  第4章 [仕事のやり方] 手を動かせ
  第5章 [人間関係のつくり方] 癒着せよ
  第6章 [生き方] 熱狂せよ

この本から何を活かすか?

箕輪さんは、本能を丸出し、好奇心剥き出しの
「3歳児のようであれ!」と説きます。

しかし、映画館で『リメンバー・ミー』を
観ているクライマックスシーンで、
尿意を感じたからといって、その場で
手元のコップにオシッコをしてはいけない。

本書の表紙で、ニコニコしながら、
コップに液体を入れて持っている写真が、
そのオシッコにしか見えなくなりました。

すると裏表紙の、目をつぶっている写真も
「オシッコ、やっちまったぜ!」的な表情に
思えてきました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

新卒はベンチャー企業へ行きなさい

満足度★★★
付箋数:23

著者の清水宏さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、決められたルールを守ることに
安心を感じるタイプですか?

それとも、ルールに縛られるより、
自由な発想で、何でもやりたくなるタイプですか?

もし、あなたが20代で、かつ、後者のタイプ
であれば、ぜひ、本書を読んでみてください。

きっと響く内容が書かれていると思います。

学生に人気の「就職したい企業ランキング」の
上位を占める企業には、この10年間ほとんど
変化がありません。

また、景気回復で民間に流れたといっても、
公務員を目指す学生は多く、特に転勤のない
市職員の人気は依然高いままです。

  「私はそのランキングを見て、学生たちや
  その親の世代の人たちが、時代の変化に
  気づいていないのか、それとも敢えて目を
  背けているのかと訝しむほどです。
  いや、むしろ学生たちの安定志向は強まって
  いるのかもしれません。不確実な時代だから
  こそ、安定神話にすがり付こうとしている
  のかもしれません。

  しかし気づくべきです。

  これからの時代は安定にすがることが、
  むしろハイリスクであるということを。
  そして時代は、より柔軟な発想力と好奇心、
  そしてリスクを恐れない勇気を持った
  タフな人材を求めていることを。」

これからの時代、若い世代の人たちに
活躍して欲しい場所は、本書のタイトルにも
なっている「ベンチャー企業」です。

本書は、清水さんのこれまでの経験から、
ベンチャー企業で働くことの魅力を
存分に語った本です。

ところで、なぜ、若い人たちに安定志向が
根強いのかというと、それは親世代の影響が
色濃く出ているから。

小さな頃から、親の言う通り習い物をして、
良い学校を目指して受験してきました。

そして、高校生以上になっても独立心が
あまり育たたず、そのまま大人になって
しまう方も多いように感じます。

就職活動する段階でも親が口を出す家庭で
育った方が、本書を手にする可能性は少ない
と思いますが、実はそういった方にこそ、
本書を読んで目を覚まして欲しいものです。

  ・新規事業が新人に委ねられる
  ・「0→1」を体験しやすい環境にある
  ・トップとの距離が近い
  ・自分で目標を決め、自分で達成する

ベンチャー企業には、成長できるチャンスが
いくらでも転がっていて、稼ぐ力を伸ばし、
タフさを身につけることができるのです。

AIと共存していかなければならない時代
だからこそ、ベンチャーで鍛えられる力が
必要になります。

個人的には、清水さんが本書で説く内容に
大いに賛同します。

しかし、それはこれまでにいろいろな事を
経験してきたからこそ、そう思えるように
なったのだと思います。

ですから、本書が一番響くのは、これから
就活する「新卒」ではないかもしれません。

ブランド志向で一度は大企業に就職したものの、
実際に働いてみて、「本当にこれでいいのか?」
と迷いが生じてうる若手の社会人にこそ、
グッと刺さる本だと思います。

ところで、ベンチャーに就職・転職しようと
思っても、どんなベンチャー企業でもいい
という訳ではありません。

ただ自分が消耗してしまうだけのベンチャーも
あるので、そこは見極める必要です。

本書は、玉石混交のベンチャー企業の中から、
自分に合う会社の見つけ方も説明されているので、
飛び込む決心がついた方にも参考になります。

この本から何を活かすか?

私がベンチャーで身につけられる力の中で、
注目したのが「リスクテイク能力」です。

リスクテイクは若い時代にやっておかないと、
中高年になってから、急にできものでは
ありません。

投資の世界でも、リスクは利益の源泉と
言いますが、これはビジネスでも共通です。

過剰にリスクを取るのは、単なる無鉄砲ですが、
適切にリスクテイクして、それをコントロール
することが大切だと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

苦労して成功した中小企業のオヤジが新人のボクに教えてくれた 「上に立つ人」の仕事のルール

満足度★★★★
付箋数:26

著者の嶋田有孝さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「本書は、私が社長を務める株式会社
  日経サービスにおいて研修資料として作成
  したもので、文中にでてくるオヤジは、
  当社の創業者、近藤勲です。」

株式会社日経サービスは、大阪に本社がある
アウトソーシングの総合企業。

主にビルメンテナンス、警備保障、人材派遣、
メディカルサービス、駐車監視などの
人材派遣を行っている会社です。

本書は、同社の創業者、近藤勲さんから、
嶋田さんが学んだ「教え」を小説仕立てで
まとめた本です。

近藤さんは、既に10年以上前に引退。

しかし、嶋田さんは、創業者の経営に
かける思いを、後輩たちに伝えたいと考え、
当時の経験を研修で語るようにようにしました。

本書は、その研修用のエピソードを
まとめて、書籍化したものです。

  「本書に出てくるエピソードは、二十年以上
  前のものばかりです。当時と比較すると、
  社会の環境も、人々の意識も、大きく変化
  しました。しかし、いくら時代が変わっても、
  決して変わらないものもあります。
  それが、原理原則であり、仕事のルールです。
  オヤジは、いつの時代も変わらない仕事の
  ルールを私たちに教えてくれたのです。」

話は、嶋田さんが入社した当時の平成元年、
バブル景気の真っ只中から始まります。

舞台は、ビル管理を営む大阪の中小企業。

嶋田さんは、入社後、社長室勤務を命じられ、
配属された初日から毎日1時間以上、
近藤さんから叱られる日々を送ります。

しかも、たしなめられるような叱り方
ではなく、凄まじい勢いの罵倒でした。

  「連日のように “アホ”  “ボケ”  “帰れ”
  と言われ、ときに書類を投げつけられた。
  今の時代だったら完全にパワハラだろう。
  何度も辞めようと思った。でも、辞めることは
  できなかった。それは、オヤジの叱り方が
  表面上は厳しかったが、中身はとても
  温かかったからだ。
  オヤジは、典型的な大阪の中小企業の経営者だ。
  とんでもなく時代遅れだが、その教えは、
  深く考えさせられる内容が多かった。」

まさに、「ザ・昭和」的な雰囲気ですが、
さすがに実体験に基づくストーリーだけあって、
どのエピソードも非常に説得力があります。

嶋田さんは入社後数ヶ月で、会社案内の
パンフレットを作ることを命じられます。

さまざまな企業の会社案内を研究し、
写真もふんだんに使い、デザインも優れた
パンフレットが出来上がりました。

しかし、近藤さんは、パラパラと数ページ
見て、「全然あかん、やり直せ」と一蹴。

嶋田さんが、どこがダメなのかを聞いても、
「全部ダメや」と納得できる答えは
返ってきませんでした。

その後も、嶋田さんは同じように、
納得できないまま何度もやり直しを命じられ、
やっとのことで会社案内は完成しました。

しばらく経ってから、嶋田さんは、
何度も却下された理由を聞くことができました。

  「お前に一つ教えといてやるわ。
  仕事をやっている本人は、『これが限界』
  『これで最高』と思ってる。だが、そこは
  まだ80点。すでに合格点やけど、もう一段
  上も目指せる。そういうケースがあるわな。
  ダメな上司は、そういうときに
  『まぁ、いいか』と妥協してオーケーする。
  これでは、最高のものはできへん。
  今回のケースだけでなく仕事すべてに
  言えることや」

近藤さんの教えは、仕事をしていく上で、
本当に必要な本質的なものばかりです。

本書は、特に若い世代の方には、
読むことを勧めたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「まずゴキブリは、なんといっても
  スピードが速い。そして、普段は目立たへん。
  小さな隙間でひっそりと生きとる。
  しかも少しの物音にも敏感や。
  中小企業は、ゴキブリのようにならなあかん。
  スピード、隙間、敏感。
  この3つを常に意識する。
  そうすれば大手も怖がる存在になれる。
  中小企業生き残りのコツは、そこにあるんや」

これは近藤さんが語る「中小企業ゴキブリ論」。

うまく伝えるのが上手い人は、
このように、予想外のものに喩えるのが
上手いですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT