活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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世界で働く人になる! 実践編

満足度★★★
付箋数:21

  「世界で働く力とは、柔軟性とたくましさ、
  自由を持ち、環境を選ばず、強く生きる力のこと。
  そして、それは本人の意志次第で、どのような
  形にも磨きあげることができるものです。
  これは20歳で生まれて初めて、アメリカへ
  海外留学した時、10年以上現地に滞在しないと
  言葉は分かるようにならない、とどこかから
  聞きつけてきて、一人絶望していた当時の
  自分に伝えたいことでもあります。」

本書は、日本人がグローバルな環境で
たくましく働き、生き抜いていく際に役立つ
実践的なコツをまとめた本です。

著者の田島麻衣子さんは、国連世界食糧計画
(国連WFP)の職員。

現在は南アフリカ地域事務所を拠点に、
国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成の
ためのモニタリングを主導している方です。

田島さんは、「非帰国子女」でしたが、
試行錯誤の末、英語と人づきあいのコツを
身に付け、国連機関の職員になりました。

その過程を描いたのが、2014年12月に刊行した
前著、『世界で働く人になる!』です。

国際社会で役立つ、人づきあいのコツと、
英語の学び方がわかる本として好評でした。

それから4年が経ち、田島さんが住んだ国は
さらに増えて9カ国になりました。

また、田島さんは1児の母となり、
以前とは違った働き方も求められるように
なりました。

本書は、『世界で働く人になる!』の続編として、
世界で働くための土台を用意して、
いよいよ実際に行動を起こそうとする人の
ために書かれた本です。

内容は、大きく3つの章で構成されています。

第1章では、「世界で働く人」が持っている
基本的な8つの考え方を示します。

  「違いは違いとして受け入れる」
  「人生に対する希望を諦めない」
  「仕事と人格を切り離す」
  「自分の使命を問い続ける」

ここで示されている考え方は、必ずしも
海外で働くときや、外国人と一緒に働くとき
だけでなく、普通に国内で働く際にも
必要な考え方だと思います。

第2章では、グローバルな職場環境で生き抜く
ための12のコツが示されています。

特に、田島さんの失敗談が多く語られていて、
非常にスッと入ってくる内容です。

この章では、英語が思うように出てこないときの
対処法や、英語力をカバーしながら仕事で
成果を出す方法なども語られています。

第3章では、これからのワークライフバランスの
あり方に関する6つのヒントが書かれています。

田島さん自身の役割の中で、「母親」が
加わったのが、前著からの一番大きな変化です。

だからこそ、より柔軟に、よりしなやかに
仕事と生活のバランスを取ることが必要と
なりました。

この章では「サバティカル休暇」の創り方や、
多様なパートナーシップのあり方などの
新しい選択肢を示しています。

田島さんが、人生の中で仕事や家族を
どう位置付けるかについて、大きく悩み、
試行錯誤した結果がまとめられている
かなり気持ちの入った章になっています。

本書で田島さんが示す考え方は、国連の職員
という特殊な環境でなくても十分に活かせる
ものばかりです。

これだけ変化のスピードが早い世の中になると、
日本で生活していても、環境に左右されずに、
高い柔軟性を持った働き方は求められます。

本書は、自分の価値観を広げる意味でも
役に立つ本だと感じました。

この本から何を活かすか?

田島さんは、同じ英語力でも、思うように英語が
出てくる人と、出てこない人の違いは、
「直訳へのこだわり」だと指摘しています。

必要なのは、分からない表現があっても、
自分の知っている単語をフル活用して、
言いたいことを伝えようとする意志です。

本書では、的確な表現が思い浮かばないときの
言い換えのテクニックが紹介されていました。

その1つが、「言葉の因数分解」です。

例えば、「免疫=immunity」を知らなかった場合、
「免疫とは何か」を考えます。

これは簡単に言うと「病気に抵抗する力」です。

そこで、「病気」disease、「抵抗する」resist、
「能力」abilityの3つの単語を使って、
免疫=the ability to resist a diseaseと表現する
ことができます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イーロン・マスク 世界をつくり変える男

満足度★★★
付箋数:23

  「地球環境が汚染されていくのなら、
  火星に移住すればいい。
  ロケットだって、飛行機のように何度も
  同じ機体を使えばいいじゃないか。
  私なら、100分の1のコストを実現させてみせる。」

イーロン・マスクさんがこのような
発言をしたとき、誰もが耳を疑いました。

そして、ほとんどの人は、
「そんな夢のような話、実現できっこない」
と思ったことでしょう。

しかし、その途方もない夢が、
少しずつでも実現する様子をみると、
「本当に火星に移住できるかもしれない」と、
当初マスクさんの発言を疑っていた人でも
期待を膨らませています。

マスクさんは、2002年に「スペースX」を
創業した後、わずか6年で宇宙ロケット
「ファルコン1」の打ち上げに成功します。

さらに、その9倍の推進力を持つ「ファルコン9」、
宇宙船「ドラゴン」と、次々に開発を成功。

ドラゴンは、地球軌道周回を成し遂げ、
国際宇宙ステーションへのドッキングを
民間企業として初めて成功させました。

私も、これくらいならマスクさんのことなので、
実現しても「さすが」としか思いませんでした。

しかし、発射成功したロケットのコア機体が
逆噴射して地上に帰還した映像を見たときには、
「ついにここまで来たか」と感動を覚えました。

特に、ファルコン・ヘビーが2機同時に、
着陸する映像は圧巻でした。

  「スペースXは、人々が不可能だと思う任務を
  成し遂げる会社だ。我々が目指すゴールは
  ムチャクチャに野心的だが、私たちはそれを
  実現する。」

マスクさんが掲げる理想、描く未来は、
人々をワクワクさせます。

  「本書では、イーロン・マスクの
   “破壊的実行力” を生み出す14のルールを
  抽出して、彼の型破りな戦いでの輝ける成功と、
  目を覆いたくなるような失敗を紹介しつつ、
  イーロンの考え方や行動を紐解いていきたい
  と思っています。
  ともすれば現状に安住しようとする私たちが、
  世界を作り変え、未来を創造しようと奮闘する
  イーロン・マスクから学ぶ点は数多く
  あるはずです。」

著者は、これまでにも何冊かマスクさん関係の
本を執筆している竹内一正さん。

当ブログでも過去に竹内さんの著書では、
史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い』と
イーロン・マスクの野望』の2冊を紹介済み。

本書では、どんどん成功事例がアップデート
されるマスクさんの会社、スペースXや
テスラ・モーターズの事例を交え、
「枠にとらわれない思考法」を学びます。

また、マスクさん以外の成功者として、
スティーブ・ジョブズさん、ラリー・ペイジさん、
チェスター・カールソンさん、松下幸之助さん、
盛田昭夫さんらのエピソードも紹介し、
成功者に共通する思考を探ります。

本書は、イーロン・マスクさんの半生記
ではなく、また直接インタビューを
行こなっているわけでもありません。

様々なソースから取ってこれる
マスクさんの発言やエピソーをベースに
書かれています。

半世紀的なものを期待して読むと、
知っている内容が多いと思うかもしれませんが、
本書の目的は違います。

あくまでマスクさんの思考や行動から学び、
自分の仕事や生活に応用することなので、
その点を履き違えずに読むと、
得ることがある本だと思います。

この本から何を活かすか?

個人的に印象深かったのは、
テスラ車の自動運転で死亡事故が
起こったときのマスクさんの対応です。

実際には、運転者が過度に自動運転に依存し、
警告が出ていたにも関わらず、ハンドルや
ブレーキの操作を、一切自分でしなかった
ことが、事故の大きな原因でした。

当初、この事故が起こったときには
その原因がわからず、「自動運転は危険、
即座に使用を中止せよ!」と反対意見が
膨れ上がりました。

このとき、マスクさんは世間の批判に
毅然とした態度で反論し、自動運転使用の
継続と、さらなる開発を続けました。

  「テスラのオートパイロットを使って
  ユーザーたちが走行した距離は合計約2億Km
  以上になり、今回が初の死亡事故である。
  統計的には、米国では1.6億Km走行で1件の
  死傷事故が起きており、それらを比較すると
  オートパイロットは人間よりも優れている
  と判断できる」

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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セブン-イレブン 金の法則 ヒット商品は「ど真ん中」をねらえ

満足度★★★★
付箋数:26

2016年、コンビニ市場におけるセブン-イレブン
(以下、セブン)のシェアは40%を超えました。

チェーン全店売上約4兆3000億円。

平均日販はローソンやファミリーマートより
10万円以上も多い約66万円です。

完全にセブンは独走態勢に入り、
モノが売れないといわれる時代に、
最高益を更新し続けています。

なぜ、セブンだけが強いのか?

本書はセブンの商品開発の裏舞台を、
関係者の証言を追いながら描くドキュメント。

著者は、『セブン-イレブンおでん部会』や
セブン-イレブンは日本をどう変えたのか
などの著書があるコンビニ記者の吉岡秀子さんです。

  「本書を書こうと思った動機は激変する商環境
  の中、饒舌に自らの商品の良さを語り出し、
  攻めに転じたセブンのものづくりに興味を
  持ったからだ。消費者がコンビニに求める
  ニーズは多様化している。どう応えようと
  しているのか―――セブンの商品開発は、
  約8500人いる社員の中で130人の開発部員が
  担っている。新商品が出るたびに担当者に話を
  聞いてきたが、世の中を変えたヒット商品が
  できた経緯を深く知りたいと、改めて取材を
  申し込んだ。知りたいのはマーケティング論
  ではなく、生み出した人の思いだ。
  目に見えない心の中を探ることが、セブンの
  本当の強さを知るヒントになると考えた。」

セブンの裏側をレポートする上で、
本来は客観的な視点が求められますが、
吉岡さんもセブンが大好きなことが、
本書をより面白いものにしています。

また、本書に登場するセブンのものづくりに
関わる方々は、徹底的に「こだわり」があり、
そして、とにかく熱い思いがあります。

それがセブンの商品の質の高さに
つながっていることがよくわかります。

個人的には、お気に入りだった商品が、
ある日、突然、姿を消していていることがあり、
困惑することも、しばしばあります。

しかし、その変化の速さと挑戦の姿勢が
セブンの強さの一つです。

  「変わらぬおいしさのために、変わり続ける。
  これがセブンのものづくりの考え方です」

どんなに大ヒット商品があっても、
お客さんの嗜好は、時代と共に変わります。

その変化に置いていかれないように、
セブンは同じ場所に安住することなく、
絶えず変わり続けているのです。

セブンといえば、鈴木敏文さんが、
毎日、自社の弁当を食べていたことが
知られていますが、それ以外の社員の方も
みんなセブンのことが大好きです。

そのことを現社長の古屋一樹さんに聞くと、
次のような答えが返ってきました。

  「それが大前提じゃないですか。成長する企業
  っていうのは、みんな自分の会社が好きですよ。
  もっというと、セブン-イレブンの社員は、
  みんなセブン-イレブンの商品が好きなんです。
  商品本部じゃなくても、毎日食べていますよ。」

お客様の「ど真ん中」を狙って進化を続ける
セブンに死角はないように思えてしまいます。

セブン好きの人は、本書でものづくりの
裏にある思いを知ると、もっとセブンのことが
好きになることは間違いありません。

読後は、セブンに走って行きたくなります。

きっと、吉岡さん自身も取材を通じて、
その思いを感じ、セブンのことが一層好きに
なったのだと思います。

 第1話 ライフスタイルを変えろ―セブンカフェ
 第2話 定番商品は進化する―おにぎり、めん
 第3話 女性客を誘う―スイーツ、コスメ
 石橋誠一郎商品本部長インタビュー
 第4話 フレッシュとの戦い―サンドイッチ、
    カット野菜
 第5話 近くて便利なお店へ―セブンプレミアム
 第6話 「困った」をサポート―本・雑誌の取り組み
 古屋一樹社長インタビュー

この本から何を活かすか?

最近、新しいレイアウトのセブン店舗が
増えてきています。

入り口に対して垂直で横長だった商品棚が、
並行で縦に短い商品棚に変わりました。

カウンターが拡大し、セブンカフェなどの
商材が強化されています。

このレイアウト変更は来店客層の変化に
対応したものです。

この10年で、50歳以上の来店比率が
26%から43%に増え、女性の来店比率も
約半数を占めるようになったそうです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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UPSTARTS UberとAirbnbはケタ違いの成功をこう手に入れた

満足度★★★★
付箋数:27

2009年1月20日、ワシントンDC。

第44代アメリカ合衆国大統領、バラク・オバマさん
の就任式には、その歴史的瞬間を一目見ようと、
200万人近い人が集まっていました。

その中に、当時はまだ、ほとんど無名だった、
2つのグループが参加していました。

1組目は、ブライアン・チェスキーさん、
ネイサン・ブレチャージックさん、
ジョー・ゲビアさんの3人組です。

もう1つは、ギャレット・キャンプさんと
トラビス・カラニックさんの2人組です。

本書の2つの物語は、オバマ大統領就任式の
熱狂の日から始まります。

9年経った現在でも、この5人の名前を
聞いただけで、ピンと来る人は、
日本ではあまり多くないかもしれません。

実は、この2つのグループは、今をときめく
企業のアントレプレナー(創業者)です。

前者は、世界192カ国の33,000の都市で
80万以上の宿を提供している民泊サイトの
エアビーアンドビー(Airbnb)。

後者は、世界70カ国・地域の450都市以上で
展開する自動車配車ウェブサイトおよび
配車アプリを提供するウーバー(Uber)。

  「技術革新の大波を生み出したわけでは
  ないが、この8年間、だれよりも上手に
  この大波に乗り、利用してきたのが
  ウーバーであり、エアビーアンドビーである。
  売上高で見ても、市場価値で見ても、
  従業員数で見ても、両社ほど急速に成長した
  スタートアップはまずない。
  サンフランシスコの一角、1~2キロメートル
  しか離れていない場所に本社を置く両社は、
  インターネット史における第三の波を
  象徴する物語を紡ぎ出した。
  イノベーションによってデジタル世界が
  現実世界をもカバーしていくポストグーグル、
  ポストフェイスブック時代の物語だ。」

今、最も勢いのあるこの2社は、
設立した年や場所が近いだけでなく、
似ている点が他にもあります。

どちらも、グーグルやフェイスブック
のように高潔な目標を掲げて、
設立されたわけではありません。

最初はただ、自分たちの不満を解消したり、
ちょっとした小遣い稼ぎをしたかっただけです。

また、2社とも車に同乗するとか、家を貸すなど、
古くからあるアイディアに若干のひねりを
加えただけで、それまで接点のなかった人を
つなぎ、オープンな世界を生み出しました。

そして、両社とも、ほぼ常に論議を
巻き起こしてきました。

既得権者から大反対され、既存の法律や
規制の枠には収まりきらず、数多くの訴訟も
起こされてきました。

しかし、そんな混乱を巻き起こしながらも、
両社が急成長できたのは、利用者のニーズを
確実に捉えたからです。

ウーバーとエアビーアンドビーは、
いかにして、成功を掴んだのか?

この2社はどのような人物が創業し、
成功するまでに、どんなドラマがあったのか?

本書は、「シリコンバレーの破壊者」とも
呼ばれる2社の創業からの歴史を綴った
貴重なドキュメンタリーです。

著者は、『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』が
ベストセラーになったブラッド・ストーンさん。

ストーンさんは、2社の創業者を含め、
多くの関係者にかなり入念に取材を行い、
本書を執筆しています。

ウーバーとエアビーアンドビーの2社は、
同じ時代の中で、まるで呼応するように
成長します。

しかし、それぞれの創業者は、
最後には180度違った運命を迎えるところが
本書の醍醐味の1つです。

井口耕二さんの翻訳も、素晴らしく、
日本語として全く違和感なく読めます。

私が今年読んだ本の中では一番面白く、
読んで損のない、オススメの一冊です。

この本から何を活かすか?

本書のタイトルは「UPSTARTS」。

辞書には、次の意味が掲載されています。

 アップスタート(名詞)

 1. 最近成功した人物や事業など
 2. なにがしかの活動を始めたり成功を収めたり
   した人物で、経験豊富な年長者や確立された
   手法をあまり尊重しない者

本書の主人公の1人で、最もアクの強い
ウーバーのトラビス・カラニックさんは
まさにアップスタートな人物の象徴です。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ものの見方が変わる 座右の寓話

満足度★★★
付箋数:22

  「はじめてラクダを見た者はこの未知なもの
  から逃げ出した。二度目に見た者は近づいた。
  三度目に見た者は勇気を出して、ラクダに
  つける面繋をつくった。
  慣れるということは、こんなふうに、
  すべてをなんでもないものにする。
  恐ろしく奇妙に見えたものも、続いてやって
  くると、私たちは見慣れたものとなる。

  さて、ついでにもう一つ。
  見張りに立たされた人たちが遠くから海上に
  なにかを見て、あれは強力な軍艦だ、
  と言った。しばらく経つと、あれは火船、
  ということになった。ついで、小舟、
  ついで雑嚢となり、最後に水に浮かぶ
  棒きれになった。」

これは、「すべての道はローマへ通ず」
などの格言で知られる、17世紀フランスの詩人、
ラ・フォンテーヌさんが作った寓話です。

前半のラクダの話も、後半の軍艦と棒きれの
話も、「ぱっと見は◯◯だけど、よく見ると
××だ」という話しです。

ここでの「よく」には2つの意味があって、
「何度も見る」という意味と、
「遠くではなく近くで見る」という意味です。

前半の話は、ラクダは一見すると恐ろしげで
奇妙な生きものだが、慣れてくると、
愛嬌があって、かわいい生きものに思えてきます。

要するに、初見は当てにならないということ。

後半の話は、最初、軍艦に見えていたものが、
近づくにつれ「火船?」「小舟?」「雑嚢?」
「何だ、棒きれか!」という話です。

要するに、遠目は当てにならないということ。

本書は、「学校の授業」や「会社の朝礼」
などで使える話材として77の寓話をまとめた
ものです。

そのため長い寓話であっても、2分程度で
話せるように要約されています。

各寓話は1~2ページに収まっていて、
著者の戸田智弘さんの解説がその後に
2~3ページ続く構成です。

ところで、なぜ、寓話は必要なのでしょうか?

戸田さんは、次のように寓話の目的を
説明しています。

  「寓話の目的は教訓や真理を伝えることであり、
  お話そのものはそれらを届けてくれる
   “運搬手段” である。別の言い方をすると、
  寓話においては教訓や真理こそがその核であり、
  お話はそれらを包みこむ “外皮” である。
  なぜそのような二重構造をとるのか。
  教訓は苦く、真理は激しいので、そのままでは
  食べられない。ならば、楽しいお話で教訓や
  真理を包んで読者に届けようというわけだ。
  教訓や真理は抽象的であるのに対して、
  お話は具体的で動きを持っている。
  寓話の読み手や聞き手は登場人物や動物と
  同化し、お話の中に巻き込まれていく。
  面白さに気をとられているうちに、
  いつの間にか人間や世界、人生について
  認識が深まっていくのである。」

本書で紹介されている寓話は、イソップ寓話
から世界の古典まで、よく知られたものも
多くありますし、初めて聞く寓話もありました。

また、その解釈も昔から言われている
内容に加え、戸田さんが新しい解釈を
加えたものもあります。

個人的には、77の寓話を一気に読むよりも、
毎日、1つずつ読む方が、余韻を味わえ、
じっくりと心へ染み込む時間が取れるので
いいように思えました。

この本から何を活かすか?

本書からもう1つ、「ヤゴとトンボ」
の寓話を紹介します。

  「ある深い池にヤゴが住んでいた。
  彼らは不思議に思っていた。
  百合の枝をつたって水面にのぼっていった
  友だちは、なぜ誰も帰ってこないのだろう。
  そこで彼れは相談した。
   “次に誰かが水面に上がったら、
  必ず戻ってきて、何が起こったのかを
  話してくれ。約束だよ” 。
  すぐに、仲間の一人が強い力を感じた。
  彼は百合の葉にたどり着き、そこで美しい
  トンボに変身した。
  そのことを伝えようと、彼は池の水面を
  飛び回った。けれど、ヤゴたちは誰一人として、
  その美しい生き物がかつての仲間の一人
  だとは気づかなかったのだ。」

本書では、この寓話に「自分は死んだら
どうなるのか」という「死生観」を加えて
解説しています。

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