活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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離職率75%、低賃金の仕事なのに才能ある若者が殺到する 奇跡の会社 スチューデント・メイドだけが知っている社員全員で成長する方法


離職率75%、低賃金の仕事なのに才能ある若者が殺到する 奇跡の会社 スチューデント・メイドだけが知っている社員全員で成長する方法

満足度★★★★
付箋数:26

ダイヤモンド社の木山さんより、
献本いただきました。ありがとうございます。

あなたが、成績優秀な大学生だと想像して
みてください。

あるいは、あなたのお子さんが、成績優秀な
大学生だと想像してもいいでしょう。

さて、その成績優秀な大学生は、
きつい、汚い、危険、のいわゆる3K職場
の代表とも言える「清掃」の仕事を
したいと思いますか?

もちろん、低賃金の仕事です。

恐らく、ほとんどの人は、優秀な学生が
清掃の仕事を自ら進んでやる姿は、
想像できないでしょう。

では、逆の立場で想像してみてください。

もし、あなたが清掃を頼む側だったら、
どうでしょうか?

  「ハウスクリーニングをお探しですか?
  どこにも負けないサービスとお値段
  フロリダ大学の学生が1件丸ごと99ドルで
  きれいにします。逮捕歴、前科なし。
  品行方正。毎学期、学部長表彰。
  GPA3.8。すぐにうかがいます。」

ちなみに、GPAとはアメリカで使わている
学生の成績平均値で、3.8はめちゃくちゃ
優秀な数値です。

こんな清掃の広告を見ると、頼んでみよう
かな、という気になってきませんか?

本書は、フロリダの清掃サービス会社
「スチューデント・メイド」を立ち上げた
若き女性創業者兼CEOの物語。

その創業者兼CEOが、本書の著者でもある
クリステン・ハディードさん。

なぜ、給料が高くない清掃という仕事に、
優秀な学生たちは、懸命に取り組むように
なったのか?

なぜ、成績上位者しか受けつけない
スチューデント・メイドには学生たちの
応募が殺到するのか?

いかにして、スチューデント・メイドは、
感動の顧客ストーリーを生み出す
「奇跡の会社」となり得たのか?

実は、この会社、ハディードさんが
フロリダ大学の学生だったときに、
自分のジーンズを買う目的で、
何も考えずに、始めた会社です。

というより、1回こっきりのつもりで、
募集広告を出したのがきっかけでした。

そんな軽い感じで始めた仕事だったので、
最悪の結果から本書の物語は始まります。

ハディードさんが雇った60人の学生のうち、
45人が同時に詰め寄ってきて、
「私たち、辞めます」と告げられます。

  「私は起業の基本も、ハウスクリーニング
  が魅力の乏しい業界だということも
  知らなかった。45人が立ち去った
  あの日は、私がリーダーとして直面する
  数々の前触れにすぎなかった。
  壁は高くなる一方だった。
  それでも時間と忍耐とたくさんの失敗を
  重ねながら、私はようやく、不意の試練
  にも立ち向かう心構えを学んだ。」

さすがに、ハディードさんも起業してすぐ、
これが「最悪のビジネスモデル」だと
気がつきます。

しかし、この条件でやると決めたので、
仕方がない。

そこから、数々の失敗のを続けることに
なります。

本書の原題は『Permission to Screw Up』。

直訳すると、「しくじりの許可」ですから、
テレビ朝日の番組『しくじり先生』に近い
イメージかもしれません。

自分が不完全であることを認め、
失敗のオンパレードを続けながらも、
成長を続ける、ハディードさんと学生の
メンバーたちの物語は感動を呼びます。

スチューデント・メイドの数多くの失敗は、
生き生きと語られていて、何より物語として
非常に引き込まれました。

笑いと涙と失敗の実話が持つパワーです。

そして、真のリーダーとはどうあるべきかが
リアルに伝わってきます。

世界的なCEOたちが、こぞってハディードさん
の話に耳を傾けるというのも納得の内容でした。

この本から何を活かすか?

仕事で効果的にフィードバックするときには、
「FBI」の3点を意識するといいようです。

【Feeling】
 フィードバックする側はどんな気持ちか

【Behavior】
 どんな振る舞いがそんな気持ちにさせたのか

【Impact】
 その振る舞いがどんな影響を与えているのか

気持ち、振る舞い、影響の頭文字を取って、
「FBI方式」のフィードバックといいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大人の対応力


大人の対応力

満足度★★★★
付箋数:24

あなたは、もっともっと若かった時に、
想像していた「大人」になれていますか?

残念ながら、私はこの年になっても、
むかし思い描いていたような「大人」には、
全然なれていません。

私自身もそうですが、周りを見ていても、
結構、大人の対応ができない人を見かけます。

  「大変な苦労をしている人ほど、
  自分が大きな歯車の中で、いろいろな
  人や物の助けがあってこそ生きていける
  のだと感謝しているものです。
  そして、どんなことがあっても
   “たいしたことないよ” と涼しい顔で言う
  強さを持ち合わせています。
  とても格好いいですね。
  こういう人は経験が豊富なので、
  たいていのことには動じないのです。
  これぞ、 “大人” の本来の姿では
  ないでしょうか。」

本書は、齋藤孝さんが、「大人の対応力」
とはどうあるべきかをまとめた本です。

もちろん、本書に書かれていることが、
絶対的な正解ではありません。

なぜなら、状況に応じて柔軟に対応するのが、
大人だからです。

そしてもし、齋藤さんが書いていることに、
「その考えは間違っている」と目くじらを
立ててしまったら、それはまだ大人に
なっていない証拠です。

大人は、いろいろな考えがあることを
受け入れられますし、たとえそれが
間違っていても、頭から否定しないのです。

恐らく多くの人は、「大人はこうあるべき」
という、なんとなくのイメージは持っている
と思います。

それを言葉にし、「大人の対応力」として、
定義しているのが本書です。

 ・大人は無意味に人を傷つけない
 ・大人は必要以上に正しさを追求しない
 ・大人は他人に干渉しない
 ・大人は相手のプライドを傷つけない
 ・大人はスマートに水に流す
 ・大人は相手に恥をかかせない
 ・大人は何にでも親しむことができる
 ・大人は他人を変えようとしない
 ・大人はストレートに伝えない

私もできていないことが多いので、
大人の「あるべき姿」をたくさん
書き並べてしまいました。

本書はシチュエーション別に具体的な
対処法が説明されています。

例えば、嫌味を言ってくる同僚がいた場合。

こちら側が、見切りをつけ、相手の嫌味を
面白がるぐらいの余裕を持って対応します。

 ・見切りをつける
  →(心の中で)「さて、今日はどんな
   嫌味が飛び出すかな?」
  →(心の中で)「ほうほう、今日はこう
   来たか。新手の嫌味だね。」

 ・嫌味にならない返答をする
  →「いや、自分でも思いもよらぬ、
   まさに望外のことでありまして・・・」

大人は、そう簡単にはイラッとしませんし、
いらぬ波風も立てないのです。

突き詰めると、コミュニケーション上手が
大人のたしなみなのでしょう。

私自身も含め、軽やかでユーモアのある大人が
もっと増えて欲しいと感じました。

しかし、大人としては、価値観の押しつけは
禁物なので、多くの人が本書を読んで、
品のある対応に、気づいて欲しいものです。

この本から何を活かすか?

接待の席で、話が盛り上がらなかったら?

相手に適切な話を振ることができなくて、
沈黙してしまうのは、大人としてはNGです。

そんなときは、『マツコの知らない世界』の
マツコ・デラックスさんの対応を
真似てみるといいようです。

まずは、相手の興味があることを探って、
相手の詳しいことに話を振ります。

そして、「へえ!」、「なるほど」と
驚いたり相槌を打って、相手にたくさん
話してもらうように流れを持っていきます。

それが大人の「雑談力」です。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

満足度★★★
付箋数:24

日経BP社の日野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの着ているシャツは、どのこ工場で
作ったものですか?

また、何という職人さんが作りましたか?

このように聞かれて、答えられる日本人は
ほとんどいないでしょう。

なぜなら、日本人はどこのブランドかは
気にしますが、どこの誰が作ったものかを
気にする人は少ないから。

日本ではファッションにうるさい人でも、
そこまで気にしないものです。

一方、イタリアやフランスなどで、
ファッションこだわる人は、どこの工房で、
誰が作ったものかに注目します。

日本は服づくりで、素晴らしい技術を
持っているのに、工場や職人が全面に出てくる
ことはありません。

あくまで黒子に徹しているのです。

それがメイド・イン・ジャパンの服づくりが、
廃れていっている一因でもあるようです。

1990年に約50%だった国内アパレル品の
国産比率は、2017年にはたったの2%程度に
縮小しました。

  「アパレル業界では通常、縫製などを
  手がける工場の存在は、あまりオープンに
  されていません。しかも高品質な技術を誇る
  工場ほど、消費者には知られていないのです。
  なぜなら多くの場合、商品の製造契約を
  結んでいる高級ブランドから守秘義務契約
  という “口止め” をされているからです。
  高級ブランドにとってみれば、ブランド
  イメージを保ったり、技術の流出を防いだり
  する必要があります。そのため生地や紡績、
  縫製を担う工場を、 “黒子” のまま隠して
  商品を売っていたのです。」

このアパレル業界の常識を覆して、
山田敏夫さんが立ち上げたのが
「ファクトリエ」というブランドです。

徹底的に「メイド・イン・ジャパン」の
ものづくりにこだわったブランドです。

「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」にも
登場したので、ご存知の方も多いでしょう。

本書は、アパレル業界に革命を起こそうとする
山田さんが、ファクトリエを創業するまでと、
創業後のストーリーを語ったもの。

店舗なし、セールなし、生産工場を公開、
価格は工場に決めてもらう。

ファクトリエは、これまでのアパレル業界の
常識やタブーを覆します。

そして、世界に誇れる日本初のブランドを
つくることに挑戦しています。

  「僕たちが目指すのは、 “つくり手の思いを
  感じ、洋服を買ってもらうこと” 。
  そして僕たちが担う役割は、ものづくりの
  物語を伝える “語り部” です。」

ファクトリエにとって、お客さんは神様では
ありません。

一緒に、商品の物語を語り部として伝える
仲間と考えます。

それがSNSの時代、ファクトリエに対する
熱狂が口コミとして加速した理由です。

そんなファクトリエは、創業するまでも、
創業してからも多くの失敗を重ねてきました。

  「失敗しなくて、成功することはありません。
  そして、どうせ失敗するなら早い方がいい。
  だから僕たちは、猛スピードで失敗しよう。
  そのかわり、転んだらすぐに起き上がって、
  また進んでいこう。
  FAIL FAST(早く失敗する)。
  それがファクトリエの一番の強みなのかも
  しれません。」

山田さんは本書で、「特別な才能や資産が
なくても、世界を変えるための行動は
始められる」というメッセーを伝えます。

山田さんは、自分に力がないと自覚した
からこそ、同志を募り、お客さんを巻き込み、
業界の常識を覆すことができたのです。

本書は、夢を持って挑戦することの大切さを
教えてくれる、熱い気持が伝わる本です。

この本から何を活かすか?

  「上手昔より上手ならず。
  下手、いつまでも下手ならず」

本書の冒頭で山田さんが引用していた、
武者小路実篤さんの『愛と死』からの一節。

もとから上手な人はいないし、最後まで
下手な人はいないという、努力の大切さを
伝える言葉です。

私は前半部分は慣用句として知っていましたが、
後半の続きがあることや、その出典については
知りませんでした。

後半部分があった方が、よりいいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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破天荒フェニックス オンデーズ再生物語

満足度★★★★
付箋数:26

もし、この本をブラインドテストで
読まされたら、純粋な経済小説として、
最高点の評価がつけられるでしょう。

時々、「この話ってフィクションなのか?」
と思ってしまうほどの、本当に破天荒で
痛快なストーリー。

読みだしたら、止まらないので要注意です。

500ページ近い本を、一気に読んでしまいたく
なるので、時間があるときに読み始めないと
日常生活に支障をきたすかもしれません。

  「僕の名前は “田中修治” 、30歳。
  肩まで伸びた髪の毛を金髪に近い茶色に
  染め、破れたジーパンに黒いジャケットを
  羽織っったスタイルをトレードマークに、
  早稲田の住宅街の片隅で、数名の社員たちと、
  小さなデザイン企画の会社を経営している。
  この物語は、そんな流行りの若手IT社長を
  気取る僕のもとに、仕事で交流のあった
  ビジネス誌の編集者が、全国に60店舗を
  展開する低価格メガネのチェーン店
   “オンデーズ” の創業者で、会長職に
  就いていた松井氏を紹介してきたところ
  から始まった。」

本書は、倒産寸前だったメガネチェーン
「オンデーズ(OWNDAYS)」の企業再生の
物語です。

著者は、同社代表取締役の田中修治さんで、
1人称で語る形式で書かれています。

2008年に田中さんが買収した時点で、
オンデーズは、債務超過に陥っていて、
誰が見ても倒産は時間の問題でした。

そんなメガネチェーンを、なぜ田中さんは
周囲の反対を押し切って買収したのか?

  「オンデーズにこだわる理由は『業界』だよ。
  オンデーズがいるのが『メガネ業界』
  だからさ。居酒屋チェーンやアパレル、
  カフェ・・・どの業界にも普通はすでに
  超強力なNo.1が存在しているでしょ?
  例えばカフェならスターバックス、
  アパレルならZARAとか。(中略)
  でもメガネ業界を調べてみると『これだ』
  っていう圧倒的な会社が、まだ存在して
  いなかった。」

それが、田中さんがオンデーズを買収した
理由です。

2018年時点では、国内外を合わせて200店舗
以上を展開し、JINSのライバルと言われるまで
オンデーズは成長を遂げました。

ボロボロだったオンデーズは、いかにして、
起死回生の再生ができたのか?

  「オンデーズという企業の再生に携わる形で
  過ごした10年間。それは苦痛と苦難の連続
  であり、時に人生に絶望しかけることすら
  合ったものの、振り返ってみれば、
  人生の中で最高にエキサイティングで、
  且つかけがえのない豊かさを、
  僕にもたらしてくれることになりました。
  本書『破天荒フェニックス』は、僕たち
  オンデーズが歩んできた、そんな10年間の
  うち7年間を切り取り、起こった事実を
  もとにしながらも、1つのフィクション、
  パラレルワールドの物語として勝手気ままに
  書き連ねたものです。」

それにしても、メガネ業界は熱くて面白い。

以前のブログ記事で、『振り切る勇気
メガネを変えるJINSの挑戦
』を紹介した
こともありますが、新興勢力と老舗企業が
入り乱れる群雄割拠の状態。

特に、JINSが機能面を追求しているのに対し、
オンデーズはファッション性を追いかけます。

それは田中さんが、「メガネ業界のZARA」を
目指したからです。

これから、この業界から目が離せません。

実話をもとにした、エンターテイメント小説
と名打っているので、かなり脚色されて
いるのだと思いますが、そんな理屈を抜きに
楽しむことができ、学びがある一冊です。

とにかく、田中さんを始め、登場人物がみな
魅力的で、エネルギーがほとばしっています。

読んで絶対に損のない本、として推薦できます。

田中さんのジェットコースターに
乗っているようなエキサイティングな人生を
追体験できます。

この本から何を活かすか?

本書は、Kindle版も出ているので、
一部だけ無料サンプルを読むことができますが、
もうちょっと読みたければ、以下の田中さんの
サイトがオススメです。

note 田中修治@OWNDAYS C.E.O

ちなみに、noteとは、文章、写真、イラスト、
音楽、映像などの作品を投稿して、
クリエイターとユーザをつなぐことができる、
新しいタイプのウェブサービスです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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セゾン 堤清二が見た未来

満足度★★★★
付箋数:26

日経BP社の日野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「無印良品、ファミリーマート、パルコ、
  西武百貨店、西友、ロフト、そして外食
  チェーンの吉野家――。
  いずれも日々の生活でなじみのある企業で
  あり、知名度の高いブランドだ。
  これらの企業が、かつて同じグループに
  所属していたことを、知らない世代が
  増えている。コンビニエンスストアの中で、
  なぜファミリーマートだけが無印良品の
  化粧品やノートを売っているのか。
  改めて指摘されなければ、普段の生活では
  不思議に思わない。
  これらはいずれも、堤清二という男が一代で
  つくりあげた “セゾングループ” という
  企業集団を構成していた。」

本書はセゾングループと堤清二さんを描いた
秀逸なノンフィクション。

著者は日経ビジネス副編集長で、20年以上に
わたってセゾングループと堤清二さんを
取材し続けてきた、鈴木哲也さんです。

まず、目を引くのが『セゾン』という
どストレートなタイトル。

そして、帯に目をやると、推薦の言葉を
書いているのは、1980年代に西武百貨店の
斬新なコピーを書いていた糸井重里さんです。

「じぶん、新発見。」、「不思議、大好き。」
などのコピーは今でも鮮明に記憶にあります。

更によく見てみると、表紙イラストを
描いているのは、山口はるみさんです。

山口さんはレコードジャケットのような
パルコを象徴するクールなイラストを
描いていた方です。

  「かつて堤が提唱した方向性は、小売業や
  サービス業、商業施設の開発など、
  消費に関わる産業で、今なお繰り返し、
  語られている。(中略)
  一見すると斬新に見えるマーケティングの
  試みも、セゾングループが30年以上前に
  手がけていたものの二番煎じだった――。
  そんな事例は、枚挙にいとまがない。」

堤さんは、最終的にセゾングループの
崩壊を招いていますから、決して成功者
とは言えません。

しかし、理念がすべてに先行する
圧倒的なパワーを持つカリスマ経営者でした。

その理念から生み出されるサービスは、
当時も今も異彩を放っています。

では、なぜ、このタイミングでセゾングループを
見直す必要があるのしょうか?

それは、複雑で閉塞感が漂う現代だからこそ、
その状況を打ち破るために、かつて堤さんが
考えた理念を見つめ直す必要があるのです。

  「セゾン文化が全盛だった1970年代から
  1980年代のように、一つの企業が消費者を
  啓蒙できる時代では、もうない。
  堤のような経営者が消費文化を先導できる
  わけでもない。
  ただ、堤とセゾングループがかつて持っていた
  特有のエネルギーを検証することは、
  未来の消費の行方を知る上で、大きなヒント
  となるはずだ。」

本書の第一章は、無印良品から始まります。

それは今、無印良品に通う顧客はまったく
意識していないと思いますが、無印良品は
堤さんの思考の結晶であり、堤さん自身の
分身のような存在だからです。

そして、最終章では多くの矛盾を抱え、
毀誉褒貶の激しかった、人間堤清二の
実像に迫ります。

「何を今さら、セゾンなんて」と決して
侮ってはいけません。

堤さんが持っていた先進的な理念と、
現実的に抱えていた闇、そしてグループとして
栄華を極めた後の、バブルと共に崩壊。

本書には、あらゆるドラマの要素が
パンパンに詰め込まれています。

題材が魅力的なのに加え、入念な取材が
行われていてます。

鈴木さんの力量も相まって、
本書は非常に面白いノンフィクションに
仕上がっています。

自信を持ってオススメできる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「堤さんは、なりふり構わず野武士集団の
  ように攻めてくるダイエーに、いら立っていた」

これは西武百貨店の元幹部の証言です。

かつて堤清二さんと、ダイエーの創業者
中内功さんは、強烈なライバル関係にありました。

どちらも流通業界の歴史を変えた異端児であり、
カリスマ的な経営者でした。

この二人のライバル関係があったからこそ、
無印良品はダイエーへのアンチテーゼとして
生まれたとも言えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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