活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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世界一訪れたい日本のつくりかた

満足度★★★★
付箋数:28

日本を代表する観光都市、「京都」。
その素晴らしさは世界も認めるところです。

アメリカで発行部数100万部を誇る
大手旅行雑誌「Travel+Leisure」の
世界都市ランキングでは、2014年、2015年と
2年連続で京都は第1位に輝きました。

また、イギリスの権威ある観光雑誌、
「ワンダートラスト」の読者投票でも
京都は世界観光都市ランキングで、
第1位に選出されています。

これらの評価を見ると、京都は名実共に、
世界No1の観光都市と言いたいところですが、
残念ながら「実」の方がまだ伴っていません。

外国人宿泊数世界トップ都市ランキングでは、
2015年の調査で京都は「世界第89位」の
観光都市に過ぎないのです。

つまり、京都は世界中の人々が行きたい
憧れの観光都市ではあるものの、
その潜在能力を十分に生かし切れて
いないのです。

もっと多くの外国人観光客が訪れて、
今以上にお金を落としてもらう余地が
残されているのです。

ここでは、京都を例に挙げましたが、
本書の著者、デービッド・アトキンソンさんは
日本全体の観光業が同じような状況にあると
指摘します。

日本を訪れる外国人観光客の数は、
2007年にはおよそ800万人でしたが、
2016年には2400万人を突破しました。

わずが10年足らずで、3倍になりましたが、
それでも、まだまだ不十分なのです。

  「日本の観光業は、そのポテンシャルを
  十分に発揮できていると言えるでしょうか。
  本書のタイトルにあるように、 “世界一
  訪れたい国” になっているでしょうか。
  私は、まだまだそんなことはない、
  と断言します。

  2016年の2400万人という数字は通過点に
  すぎません。安倍政権は2020年に4000万人、
  2030年に6000万人という目標を立てて
  いますが、私は “やるべいこと” をやれば、
  日本は “世界一訪れたい国” となり、
  この目標も簡単にクリアできると
  考えています。」

本書には、日本が真の観光先進国になる
ための提言が述べられています。

2015年に刊行され大ベストセラーになった
前著、『新・観光立国論』も素晴らしかった
ですが、本書のアトキンソンさんの指摘は、
それにも増して、非常に納得感があります。

さすがに、元ゴールドマン・サックスで
金融調査室長を務めたアナリスト。

データの扱い方が非常に上手いですね。

アトキンソンさんは、2017年から
日本政府観光局特別顧問に就任して
いますが、もう日本の観光戦略は、
アトキンソンさんに任せておきたい、
と思えるような内容でした。

今や観光産業は、世界経済のGDPの
10%を占め、世界中の雇用の11分の1を
生み出すほど、大きく伸びている
成長産業になっています。

観光産業は、世界経済において、
エネルギー、化学製品に次ぐ、
「第3の基幹産業」という位置づけ
なのです。

当然、日本にとっても観光は有益な
産業で、その潜在能力を生かすと、
日本経済を活性化する可能性を
十分に秘めています。

本書には、現状分析と日本が観光先進国に
なる方法論が理論的かつ具体的に提案
されています。

現在、観光業に関わっている方もいない方も
ぜひ読んで欲しい一冊だと思います。

 第1章 日本の「実力」は、こんなものじゃない
 第2章 「どの国から来てもらうか」がいちばん大切
 第3章 お金を使ってもらう「魅力」のつくりかた
 第4章 自然こそ、日本がもつ「最強の伸び代」
 第5章 「誰に・何を・どう伝えるか」を
    もっと考えよう
 第6章 儲けの9割は「ホテル」で決まる
 第7章 観光は日本を支える「基幹産業」

この本から何を活かすか?

アトキンソンさんは、観光において日本には
「地の利」があると指摘まします。

それは、国際観光客は、隣国へ旅行した
ときよりも、遠い国へ旅行したときのほうが、
より多くのお金を落とす傾向があるから。

  「欧州やアメリカという、ただでさえ観光に
  お金を使う傾向のある人々が “遠方” に
  いるというのは、日本にとって非常に大きな
  プラスと言えるでしょう。」

更に、本書では具体的なターゲットとしては、
フランスではなくドイツを挙げていました。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マネーはこれからどこへ向かうか

満足度★★★
付箋数:18

  「世界は不安定な時代に突入しました。
  この不安定な世界を生き抜いていくために、
  まずはこれまでのこと、現在の状況を
  正しく認識する必要があります。
  放送されるニュースが本質を捉えているとは
  限りません。自身の頭で正しく認識することで、
  今後、世界経済に起きうることや必要な対策
  について、自分で考えることができるように
  なります。トランプ大統領就任後の世界
   “アフター・トランプ” は、これまでと
  まるで違う世界になることが考えられます。」

大前研一さんは、トランプ大統領就任前を
「ビフォー・トランプ(BT)」、
就任後を「アフター・トランプ(AT)」
と呼び、世界経済は大きく変わるという
考えを示しています。

以前、大前さんは、OSのウィンドウズが
登場する前を「ビフォー・ゲイツ(BG)」
後を「アフター・ゲイツ(AG)」と呼んで、
その違いを比較していました。

今回は、同じ発想でトランプさんが
大統領に就任する前後を比較しています。

大きなポイントは、トランプさんが公約を
実行するかどうかです。

大前さんは、トランプさんは多くの公約を
実行しない(できない)と見ています。

仮に、実行したとするとハイパーインフレが
起こり、トランプさんもアメリカも
自爆することになります。

本書では、トランプ政権に起こり得る
4つのシナリオを用意しています。

 シナリオ1 政策の失敗
  反グローバル化政策で、アメリカ内で悪性の
  インフレを招き、国民の支持を得られない。

 シナリオ2 公約修正
  ギリシャのチプラス首相のように、次々と
  公約を修正し、国民の支持を失う。

 シナリオ3 有言不実行
  言い続けるだけで何もせず、国民だけでなく、
  世界からも批判を浴び、1期4年持たない。

 シナリオ4 辞任
  1期途中でニッチもサッチもいかず、
  政権を投げ出し、副大統領のマイク・ペンス
  さんが大統領になる。

いずれにせよ、トランプ政権は最長でも
1期4年で終わることが想定されます。

そのため、日本はトランプさんの言うことを
あまり聞かない方がいいと提言されています。

もし、大前さんがトランプさんから、
政策実現のためにコンサルティングを
依頼されたら、まず、トランプさん自身の
考え方を改めさせたいようです。

「すでにアメリカはファーストじゃないか」と。

世界的に強いのはアメリカ企業ばかりで、
弱っている企業は、アメリカ国内での競争に
負けただけで、外国の企業に敗れては
いないのです。

本書は、タイトルになっているマネーの
行き先よりも、主にアフター・トランプでの
世界情勢や経済について語られた本です。

大前さんが主宰する勉強会「向研会」での
講演内容を中心に加筆・修正して
まとめられた本です。

そのため、意図せず同じことを言っている
箇所があり、また話の内容も全体的に粗い
印象を受けました。

  序章 人とマネーはどこへ向かうのか
  第1章 政治が経済危機を呼ぶ
  第2章 「Gゼロ」の世界経済はこれから
     どうなるのか?
  第3章 アメリカは「衰退」したのか?
  第4章 欧州に燻る経済危機の火種
  第5章 世界最適化できない日本経済と企業経営
  終章 日本はシリコンバレーに学び、
     ハイパーインフレに備えよ

この本から何を活かすか?

私は、大前さんが示す「北方領土問題」の
見方は面白いと思いました。

  「(北方領土をロシアは)なぜ返還しないか
  といえば、日本が強く返還を求めているから
  であり、日本が返還不要といえば、
  ロシア側からなんとかもらってくださいと
  言ってくると思います。」

大前さんは、ロシアは北方領土を欲しい
わけではなく、日本が欲しいと言っているから
価値があると見ています。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イノベーターたちの日本史

満足度★★★★★
付箋数:30

  「本書は、明治から昭和初期にかけての
  日本の近代を、 “創造的対応(creative
  response)” の視点から描こうとしたもの
  である。日本の近代は西欧先進国から
  押し寄せる津波のような外生的挑戦や刺激に、
  いかに創造的に対応していくかという
  歴史だったからである。」

日本人は、創造的(クリエイティブ)でない
と言われる昨今。

本書は日本近代史において、日本の
イノベーターたちが、いかに創造的対応を
見せたのかを検証する本です。

本書で用いられる「創造的対応」という
言葉は、「イノベーションの父」とも
呼ばれるヨゼフ・A・シュンペーターさんが
用いた概念です。

本書に登場するイノベーターは、高島秋帆さん、
大隈重信さん、笠井順八さん、益田孝さん、
三野村利左衛門さん、岩崎弥太郎さん、
高峰譲吉さん、大河内正敏さんの8名です。

彼らが近代日本で繰り広げた創造的対応は、
感心するほど独創的です。

その活躍ぶりは、躍動的で生き生きとして
本書に描かれていて、歴史で習う功績とは、
全く異なる世界が広がっています。

今回、創造的対応という視点から見ること
によって、従来の日本史ではあまり注目されて
こなかった人物も、未来を切り開いた
イノベーターとして紹介されています。

本書の著者は歴史家の米倉誠一郎さん。

本書は、米倉さんが構想40年をかけて
執筆した歴史家としての集大成です。

私が本書で注目したのは「科学者たち」の
創造的対応のパートです。

  「知識をベースに新産業を構築した新興財閥の
  形成史は、本書が考察する “時代の変化を
  機敏に感じ取り、その変化に機械的に反応
  するのではなく、新たな価値を付加する形で
  創造的反応を実現する企業家” 研究にとって、
  うってつけの事例である。なかでも、外す
  ことのできないのが高峰譲吉と大河内正敏が
  創業・発展させた理研コンツェルンである。」

理研コンツェルンは、知識を生み出すことと
それを事業化することにおいて、稀に見る
創造的な組織でした。

理化学研究所を立ち上げた高峰譲吉さんは、
タカジアスターゼとアドレナリンという
大発見をした科学者です。

更にアメリカに渡って創薬開発ベンチャーを
創業して、巨万の富を築き上げた企業家でも
あります。

高峰さんがニューヨークで亡くなった際には、
ニューヨーク大学総長のフィンレー博士が
その葬儀で、一篇の詩を贈ったそうです。

  「極東の騎士、サムライに生まれた彼は
  人類のまことの仇敵と戦うために
  大小二本の刀を科学という武器に変えた
  人生の齢を延し、苦しみを除くために」

もう一人の大河内正敏さんは、科学の研究を
事業に結びつけ、理研をコンツェルン化し、
新興財閥の一角にねじ込んだ立役者です。

組織イノベーションとして研究室制度を
採用し、「科学者の自由な楽園」を作りました。

研究員として在籍して、戦後になって
ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎さんは
理研について次のように述べています。

  「何もよりも良かったことは、そこには
  研究者の自由があったという事実である」

その自由度が科学者の創造性を刺激し、
そこで生まれた発明を理研自ら次々と事業化し、
世にいう理研コンツェルンを形成しました。

コンツェルンは戦前のピーク時には63社、
工場数121にまで達しました。

数々の事業化に成功した理研でしたが、
あくまで「基礎科学の研究が主、発明は従」
という大河内さんの方針が貫けれていました。

本書で描かれているイノベーター達は、
激動する歴史の中で、途方もない創造性を
発揮して難題を突破していきます。

そのストーリーは、私たちをわくわくさせ、
感動を呼びます。

当ブログで2017年に紹介した本は、
6月13日時点で150冊を超えますが、
本書は今年No.1のオススメ本です。

この本から何を活かすか?

理研が初の事業化にこぎつけたのが、
タラの肝油からビタミンAの抽出に成功し、
販売したことでした。

カプセルに入れたビタミンAは、当時、
肺結核の特効薬として爆発的に売れました。

ビタミンAが普及した頃に警視庁から、
「ビタミンA」は学名そのものだから
商品名とするには問題があるとクレームが
ついたそうです。

大河内さんは「それでは」と「理研ビタミン」
に改名して販売を継続しました。

するとそのネーミングがよりわかりやすく、
語呂も良かったので、売れ行きは一層加速
したといいます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ、残業はなくならないのか

満足度★★★
付箋数:22

  「 “日本企業の残業は、なぜなくならないのか”
  あえて空気を読まずに回答しよう。
  その答えは簡単だ。

  残業は、合理的だからだ。
  残業もまた、柔軟な働き方だからだ。
  残業しなければならないように、労働社会が
  設計されているからだ。(中略)

  本書により、日本の “残業” の、憎らしい
  ほどの合理性について理解が深まることを
  期待する。 “働き方改革” なる取り組みが
  この “魔物” とどこまで真剣に向き合うのか、
  問い糾したい。」

本書の著者は、働き方評論家の常見陽平さん。

常見さんは、本書で「残業」の本質を理解し、
いかにこの問題に立ち向かうかを議論し、
政府が進める「働き方改革」の矛盾点を
指摘します。

まず、なぜ残業が「合理的」と言えるか
というと、それは日本の雇用システムや
仕事の任せ方から考えると必然的に発生する
ものだから。

仕事の任せ方は、「仕事に人をつける」方法と
「人に仕事をつける」方法の2つがありますが、
前者が欧米型で、後者が日本型です。

「仕事に人をつける」と業務内容や責任を
明確にすることができます。

仕事が定型化・標準化しやすく、
仕事の引き継ぎもしやすくなります。

一方、「人に仕事をつける」方法では、
ある人に複数の業務が紐付けられることに
なります。

複数の仕事が任せられるがゆえに、
仕事の範囲が広がっていき、仕事の終わりが
見えなくなっていきます。

勿論、この方法にもメリットがあって、
マルチタスク化や多能工化が進み、
それぞれ専任を雇わなくてすみます。

この働き方に残業を加えると、人手不足や
仕事の繁閑に柔軟に対応できるのです。

残業が日本の社会に合った合理的なものなら、
本当に「なくすべきもの」なのでしょうか?

常見さんは、本書で残業の合理性を礼賛する
つもりはなく、次の3つの観点から、
やはり「なくすべきもの」と考えています。

1. 安全衛生管理の問題

 労働時間が長くなると、各種疾病にかかり
 やすくなります。特に人命に関わる面では
 重大で、過労死や精神疾患を防ぐ意味でも
 残業は抑制しなくてはなりません。

2. 労働への参加者を制限する側面

 長時間労働ありきのために、正社員総合職に
 なるためには、それを前提とした働き方を
 しなければなりません。特に育児や介護と
 両立する人の労働への参加を制限する側面が
 あります。

3. ワーク・ライフ・バランス、

 クオリティ・オブ・ライフの問題
 人生は仕事だけではなく、仕事と生活を
 それぞれ充実させる取り組みが必要です。

こうした問題に対して政府が取り組むのが、
「働き方改革」です。

その中で労働時間と賃金を切り離す考え方が
議論され続けてているのが、
「ホワイトカラー・エグゼプション」や
「高度プロフェッショナル制度」です。

これらは「人の定額使い放題」の制度であり、
ますます労働時間の「みえる化」ならぬ、
「みえない化」が進むとも言われています。

常見さんは本書で、様々な角度から
「働き方改革」を検討し、それが茶番になる
可能性を指摘しています。

この本から何を活かすか?

では、政府の施策がダメなら、実際に残業を
減らすには、どのようにしたらいいのか?

常見さんが、働き社会への処方箋として
提案するのが、「トヨタ生産方式」の
ノウハウを働き方改革に活かすことです。

それは、まず状況を把握するために
「はかって」、そこからムリ・ムラ・ムダを
明らかにして、改善プランを考えます。

これはモノづくりの現場だけでなく、
非製造業においても可能であるとの考えを、
常見さんは本書で示しています。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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風俗嬢の見えない孤立

満足度★★★
付箋数:21

本書は、風俗嬢の本当の悩み事と
風俗業界の現状を知り、社会問題として、
その解決法を考える本です。

著者は、「夜の世界の課題解決」に取り組む
一般社団法人GrowAsPeople(以下GAP)の
代表理事の角間惇一郎さんです。

角間さんは、大手ゼネコンで建築士として
働いた後、2年間、性風俗店に勤めながら
そこで働く女性の実態調査を調査しました。

その後、GAPを立ち上げて風俗嬢の支援を
始めた方です。

GAPのアンケートによると風俗嬢の平均的な
稼働日数と収入は「12日で40万円」です。

昼の仕事をしている人から見ると、
一見、「楽に稼いでいる」と思われがち。

そんな彼女たちの最大の悩み事は、
昼の世界において、「立場を明かす」必要に
迫られた時です。

風俗で仕事をしていると知られた瞬間、
「なんでそんな仕事をしているんだ」と
非難され、白い目で見られます。

昼の世界の人の間には、「風俗店=ヤクザ」
「風俗嬢=エロい」という強烈な偏見が
あるからです。

角間さんが夜の世界で働いた経験
からすると、実際はそんな危ない世界
ではないそうです。

また、女の子も風俗を始めた理由は、
「なんとなく」が最も多く、本当にお金に
困って始めた人は意外と多くありません。

昼の世界の自分を常識人だと思っている人
からすると、「よく考えずに、そんな所で
働くほうが悪い」と思うかもしれません。

これは風俗嬢の問題を「入口」とする
考え方です。

一方、角間さんは、風俗嬢の本当の問題は
「出口」にあると考えます。

  「仮に “風俗の問題” を “女性が風俗嬢に
  なってしまうこと” そのものだとした場合、
  その対策は “女性を風俗嬢にさせない” 
  一択です。しかし、そのために何をすれば
  いいかと考えると、確実なのは
   “性にまつわるビジネスを完全に消滅
  させる” くらいでしょう。そして、
  これは極端な理想論でしかありません。
  一方、風俗の仕事の問題点を
   “40歳頃には、やめなければいけなく
  なること” であるとすれば、その対策は
  ずっと明確になります。風俗嬢が、
  セカンドキャリアをつくれるような
  仕組みを生み出せばいいのです。」

風俗嬢は一生できる仕事ではありません。

ほとんどの人は、40歳前後までに
引退を余儀なくされます。

しかし、そこで昼の世界に戻ろうとしても、
履歴書に書けるような職歴はなく、
履歴書が真っ白な30~40代の女性を
雇ってくれる職場もあまりないのです。

この「40歳の壁」を境に風俗嬢の孤立が
深まっていきす。

そのためGAPでは風俗嬢がセカンドキャリア
を作るための支援を行っています。

ここで大切なのが、風俗の仕事をすぐに
やめさせずに、時間をかけて昼の世界に
移らせることです。

風俗をすぐにやめて昼の世界に移ると、
結局、その世界に順応できず、
また夜の世界に舞い戻って来る場合が
多いようです。

それは、週に5日8時間ずつ働き、
遅刻は許されず、給料が振り込まれるのは
1ヶ月先で、その報酬は夜の仕事の
数分の一という「昼の仕事の常識」には、
簡単には馴染めないからです。

そこでGAPでは、風俗嬢に対して、
風俗を「生計を立てる手段」から、
「副業」のポジションへスライドさせ、
徐々に昼のリズムへ移行させるように
支援しているようです。

この本から何を活かすか?

風俗で働くことを「自業自得」と言って
しまえばそれまでですが、現実問題として、
風俗嬢の「出口問題」はあります。

私もこれまで風俗を色眼鏡で見ていた
ところがありますが、本書を読んで、
人を見るときに「過去を問わない」
付き合い方も必要だと感じました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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