活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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マネジャーの最も大切な仕事

満足度:★★★★
付箋数:24

どうすれば、ビジネスの成功と社員の幸せの
2つを同時に達成することができるのか?

  「私たちの研究は、その方法を提示している。
  そしてその実現の秘訣は無料の食事でも
  運動施設でもない。その秘訣は豊かな
  インナーワークライフ(個人的職務体験)
  を生み出す環境を作り上げること
  ――ポジティブな感情、強い内発的な
  モチベーション、仕事仲間や仕事そのもの
  への好意的な認識を育める状況を
  作り出すことだ。」

インナーワークライフとは、社員の「認識」、
「感情」、「モチベーション」の3つの要素の
相互作用によって生まれるものです。

社員の生産性と創造性を高めるには、
特典としてのインセンティブを与えるよりも、
仕事そのものに「やりがい」を感じさせる
方が効果的ということです。

本書は、3つの業界の7つの企業から、
26のプロジェクトチーム、238名の協力を得て、
実際に「日誌」を書いてもらった結果を
分析した調査がベースになっています。

そこから社員のインナーワークライフに
影響を与える出来事を追跡調査しました。

著書は、ハーバード・ビジネススクール教授の
テレサ・アマビールさんと、その夫で
心理学者のスティーブン・クレイマーさん。

お2人がハーバード・ビジネス・レビュー誌に
掲載した記事を基に、そこからさらに
深く掘り下げて本書は執筆されています。

もう少しインナーワークライフについて
詳しく説明すると、次のようになります。

  「インナーワークライフとは認識のことだ
  ―マネジャー、組織、チーム、仕事、
  ひいては自分自身に対する好意的あるいは
  敵対的な印象のことである。」

  「インナーワークライフとは感情のことだ
  ―ポジティブであれネガティブであれ、
  職場でのあらゆる出来事から生じる
  気分のことである。」

  「インナーワークライフとはモチベーション
  のことだ―何かをする際の、あるいは
  しない際の原動力のことである。」

このインナーワークライフこそが、
個人のパフォーマンスを向上させる
最大の要因なのです。

それでは、インナーワークライフに
最も影響を与えるものは何か?

  「インナーワークライフに影響を与える
  すべてのポジティブな出来事のなかで、
  最も強力なのがやりがいのある仕事が
  進捗することである。
  インナーワークライフに影響を与える
  すべてのネガティブな出来事のなかで、
  最も強力なのが進捗とは反対のもの
  ―仕事における障害だ。
  私たちはこれが根源的なマネジメントの
  法則であると考えている。」

これを本書では、「進捗の法則」と呼びます。

つまりマネジャーの最も大切な仕事は、
やりがいのある仕事が前に進むように、
「進捗を支援すること」です。

これが1万2000もの日誌調査から
判明したことです。

しかし、669人のマネジャーへの調査では、
「進捗の支援」が大切だと答えた人は、
わずかに5%しかいませんでした。

本書では、この「進捗の法則」以外にも
インナーワークライフにプラスの影響を
与える要素を2つ挙げています。

それが「触媒ファクター」と「栄養ファクター」。

お2人は、この3つの要素に注目して、
マネジメントする方法を解説しています。

マネジャー職の方にとっては、これまでの
マネジメント方法を見直すきっかけになる
本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「日誌の調査によって判明したのは、
  ポジティブな感情と創造性には決定的な
  関連性があるということだ。」

このポジティブな感情は、当日だけへの
影響ではなく、翌日、さらにはその翌日の
創造性にもプラスの効果を与えています。

これは、認知心理学で言う「孵化効果」。

一旦アイディアを寝かせておいて、
しばらくしてから新たな閃きが現れる効果
にも通じているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| リーダーシップ | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」

満足度:★★★★
付箋数:25

ライフネット生命会長の出口治明さんは、
価値観の押しつけることが大嫌いなため、
基本的に「この本を読みなさい」と
人に勧めることはありません。

しかし、同社社長の岩瀬大輔さんには、
唯一「これを読め」と勧めた本があります。

それが本書で紹介される『貞観政要』。

『貞観政要』は、唐の時代に編纂された
第2代皇帝、太宗・李世民さんの言行録です。

ちなみに、太宗とは、創業者に次ぐ功績が
あった皇帝に与えられる廟号。

貞観とは、当時の年号のことで、中国史上、
もっとも国内が治まった時代のひとつと
言われます。

政要とは、読んで字のごとく、政治の要諦
という意味です。

『貞観政要』は、太宗と臣下の政治上の
議論や問答が、全10巻40編の中に
まとめられたもの。

  「『貞観政要』に書かれた治世(マネジメント)
  の方法論は、普遍的です。わが国でも、
  鎌倉時代には北条政子が、江戸時代には
  徳川家康が、そして明治時代には明治天皇が
  愛読したといわれていることからもわかる
  ように、『貞観政要』の中には、時代を
  超えても変わらいリーダーシップのすべてが
  語られているのです。
  本書では『貞観政要』全10巻40編の中から、
  マネジメントの原理原則が語られている
  部分を厳選、抜粋しました。」

李世民さんは、西暦627年に父の譲位を受けて、
唐の第2代皇帝として即位します。

唐の創業は父である高祖・李淵さんでしたが、
挙兵を勧めたのも、軍隊を率いて隋を滅ぼし、
中国全土を統一したのも李世民さんでした。

そこから唐は約300年にわたり中国を支配し、
中央アジアの草原地帯をも支配する
大帝国になりました。

唐は、日本にも政治・文化面で、
多大な影響を与えました。

日本から最初に遣唐使が送られたのも、
李世民さんの時代です。

李世民さんの治世は、「貞観の治」と呼ばれ、
君主政治の理想「盛世」と称えられます。

盛世と呼ばれる時代は、長い中国の歴史の
中でも、わずか4回しかないそうです。

李世民さんは、中国史上有数の名君の名君
として、今も語り継がれているのです。

  「『貞観政要』は、ビジネスにおける最良の
  ケーススタディです。この本を読めば、
  人間と人間がつくる社会はどのようなものか、
  皇帝(リーダー)と臣下(部下、フォロアー)
  の関係はどうあるべきか、理想のリーダーに
  なるためには何をなすべきかを予行演習
  することができます。」

出口さんが、『貞観政要』を読み解いて、
組織のマネジメントを考える上で、大切な
ポイントとして挙げたのが次の5つです。

  1. 組織はリーダーの器以上のことは
   何一つできない。

  2. リーダーは、自分にとって都合の悪い
   ことを言ってくれる部下をそばに置くべき。

  3. 部下は、茶坊主になってはいけない。
   上司におもねってはならない。

  4. リーダーが舟で、部下が水。
   舟は水次第で、安定もすれば転覆もする。

  5. リーダーは常に勉強し続けなければいけない。

並外れた読書家でもある出口さんが、
帝王学の教科書・リーダー論の集大成として、
座右の書としている『貞観政要』。

本来は原典である『貞観政要 新釈漢文大系』を
読むべきなのかもしれません。

しかし、それはかなりハードルが高いので、
現代のビジネスシーンに照らし合わせて
わかりやすく解説された本書で学ぶことが
オススメです。

この本から何を活かすか?

  リーダーが持つべき「3つの鏡」

『貞観政要』の中には、正しい意思決定を
するために、次の「三鏡」を持つべき
という教えがあります。

三鏡とは、銅・歴史・人の3つの鏡です。

  銅の鏡で、自分を映し、部下が自然に
  ついてくる「いい表情」をしているかを
  チェックする。

  歴史の鏡で、過去に照らして将来に備える。

  人の鏡で、厳しい直言や諫言をしてくれる
  部下を大切にする。

出口さんのマネジメントでも、常に、
この「三鏡」が意識されているようです。

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| リーダーシップ | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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品格を磨く

満足度★★★
付箋数:23

  「素晴らしい業績を挙げている組織には、
  必ず一体感があります。リーダーがいて、
  サブリーダーがいて、現場の人たちがいる。
  そのすべての人たちが一体となって働いて
  いるのです。では、その一体感をつくり出して
  いるものは何なのでしょうか?
  品格について難しい言葉で語ることなら
  いくらでもできるでしょうが、私は、
  その一体感をつくり出しているものこそが、
  組織の、すなわち、組織を構成する
  一人ひとりの “品格” だと思っています。
  逆に言えば、 “一体感を生み出す感性” 
  こそが、“品格”です。」

本書は、リッツ・カールトン日本支社長として
名を馳せた高野登さんが「品格」について
語った本です。

高野さんは、35年間のホテルマンとしての
人生をピリオドを打った後、100年先を見据えて
今の生き方、あり方を考える経営者の学びの場、
「寺子屋百年塾」を2009年から開講しました。

本書は、その中のひとつ、九州寺子屋百年塾で
2015年に行った講義をまとめたものです。

高野さんが考える「品格」とは、「一体感を
生み出す感性」ですが、では、「一体感」を
生み出すためにもっとも重要なことは何か?

それは、自分自身の「欲」です。

完全ではなくとも、できる範囲で「欲」を捨て、
「私」あるいは「我」を捨てることが、
一体感を生むためには必要なのです。

本書には、品格を持った経営者のエピソードが
いくつも掲載されていますが、ここでは
HISの澤田秀雄社長の話を紹介しましょう。

澤田さんは、倒産したハウステンボスの
経営再建を行いましたが、再建に乗り出した
初年度の1996年に開業以来初の営業黒字の
決算を発表しました。

それも、リストラゼロで黒字化したのです。

澤田さんはハウステンボスを立て直す際に、
3つのことだを徹底したと言います。

それは、挨拶すること、整理整頓すること、
ちゃんとした身なりで仕事することです。

整理整頓の中には、施設のどんなところでも、
錆があったら落として塗装する、ひっかき傷が
あったら直す、といったことを含みます。

この3点を徹底して行うために、澤田さんは
泊まり込み、毎日、社員の前に立って、
「笑顔ってこれだよ」「こういう表情で
やろうよ」と自ら挨拶の実践をしたそうです。

そして、入社以来ほとんどボーナスを
もらったことのない社員に向かって
「私はみなさんにボーナスを払いたくて
しかたない、そのためにこの会社を
買ったんだ」と言い続けました。

これまでも、立て直しに来たオーナーが
何人もいて、その度にすぐに去っていったので、
この人も最初だけで、すぐに逃げ出すだろうと、
社員の誰もが思っていました。

しかし、澤田さんは1ヶ月経っても、3ヶ月
経っても毎日やって来きて、熱く語り続ける。

もしかしたら、この人は本気なのかもしれない。

このように社員が思い始めたころ、
澤田さんは社員に向かって言いました。

  「みなさん、もうひとつだけ約束してください。
  いままでよりも早足で歩いてください。」

そして、儲からない会社で働いている人たちは、
こやってのろのろ歩く、こうれをもう少し
早足であるくとどうなるか、と手本を示し、
全員に歩く練習をさせました。

すると社員の表情がみるみると変わっていった
そうです。

このように、いい会社をつくっていく人には、
リーダーの品格があり、その会社には組織の
品格があります。

それは、社員一人ひとりが、会社が自分に
何をしてくれるかではなく、自分が会社に
何ができるかを考える姿勢を持つこと。

それが欲を捨てることによって生まれる
品格なのです。

本書は、実際に高野さんが語りかけている
雰囲気が伝わり、非常に読みやすい文体で
まとめられています。

この本から何を活かすか?

  外見は、内側にあるものの反映として重要

中身がきちんとしていれば、外見はどうでも
いいと考えている人もいますが、
高野さんは、それは違うと指摘します。

なぜなら、あの人は品格があるとか、
品性に欠けると言うときに、ほとんどの場合、
外見からそれを判断しているからです。

  「いわゆる“ 外見” というのは、その人の
  持っている内面の、いちばん外側のことを
  意味します。」

外見がいちばん外側の中身である以上、
それを大切にしない理由はありません。

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| リーダーシップ | 05:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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これからのマネジャーの教科書

満足度★★★★
付箋数:25

近年、「管理職になりたくない」と考える
新入社員が増えています。

2015年に公益財団法人日本生産性本部が
実施したアンケートによると、新入社員の
48.1%が将来的に「管理職になりたくない」と
回答したそうです。

やっている本人が辛いと思うだけでなく、
傍から見ていても上司と部下にはさまれ、
辛そうに見えるミドルマネジャー。

プレッシャーも強く、業務量は多く、
責任も重い、非常に厳しい立場です。

しかし、ミドルマネジャーはマネジメント層の
中でもはボリュームゾーンであり、この層の
パフォーマンスがその企業のパフォーマンスを
決めると言っても過言ではありません。

企業の業績や将来の発展のカギを握るのが、
ミドルマネジャーなのです。

常にイキイキと仕事に取り組み、周囲からの
期待を超える活躍をしているミドルマネジャーと、
そうでないミドルマネジャーの違いはどこから
生まれるのか?

この疑問に答えるために、実際に期待を超える
成果を上げているミドルマネージャー41人に
インタビューを行い、まとめたのが本書です。

業種や職種、性別に偏りが出ないように
対象者を選定し、平均2時間程度の
インタビューを実施したそうです。

そこから期待を超えるミドルマネジャーに
共通する要素を抽出しました。

ちなみに、本書で扱うミドルマネジャーとは、
次のように定義だれています。

  「一般的に部下を持つ管理職(マネジメント層)
  でありながら、上位管理職の指揮下に配属
  されている管理職で、経営層と下位との間を
  つなぐ役目を担い、トップが示した理念や
  ビジョンを部下に伝え、目標実現のための
  戦略を推進する中間層を指す。」

それでは、期待を超えるミドルマネジャーには、
どのような共通要素があったのか?

本書では、期待を超えるミドルマネジャーは
次の3つの要素を持っていると説明します。

1つ目は、「組織で成果を出す力(スキル)」。

必要なのは、個人ではなく「組織で」
成果を出すことです。

そのためには、メンバーを効果的に動かす
ことができるリーダーシップが要求されます。

2つ目は、「仕事に対する想いの力(ウェイ)」。

この力を持つことが、「無難にこなす」から
「期待を超える」へと飛躍するキーとなります。

指示をこなすだけでは足りず、
自ら課題設定し、「こうしたい」、「こうなりたい」、
「こうあるべき」という強い想いを持つからこそ、
期待を超える成果を生み出せるのです。

3つ目は、「周囲との考えの違いを乗り越える力
(ギャップ)」です。

経営者と異なり、ミドルマネジャーは
様々なステークホルダーに囲まれ、
その中で考え方の違いを乗り越えて、
想いを実行しなければなりません。

そのためには、周囲との考えの違いを正しく
認識し、その上で違いを乗り越える解決方法を
見出す必要があります。

実は、このギャップを乗り越える力こそが、
中・大企業のミドルマネジャーに最も求められる
力なのです。

本書では、ここで挙げた3つの力を具体的に
どのようにして身につけ、その後、
維持・回復・強化に取り組むかを解説します。

後半では、インタビューを行った41人の
中から7人の事例を詳細にレポートします。

 第1章 ミドルマネジャーとは何か
 第2章 期待を超えるミドルマネジャーを
    生むメカニズムと3つの力
 第3章 期待を超えるミドルマネジャーの
    自己変革力
 第4章 期待を超えるミドルマネジャーで
    あり続けるために
 第5章 7人の事例に学ぶミドルマネジャーの
    自己変革力

個人的には、ミドルマネジャーの本質を捉え、
非常によくまとまった本だと思います。

現在管理職の方やこれから管理職になる方には
オススメしたい本の一冊です。

この本から何を活かすか?

本書で最も強調されているのは、
ミドルマネジャーの「自己変革力」です。

ビジネス環境が激変する現代においては、
環境の変化に順応しながら、自分を変えていく
高いアダプタビリティーが求められます。

そのためには、次の3つの思考プロセスで
自己変革することが勧められています。

 ステップ1. 「自己認識」を深める
 ステップ2. 自分にとって「都合のよい解釈」
       をし、次にやることを決める
 ステップ3. 自分のとった行動や置かれた
       状況に基づき「持論形成」する。

本書では、この思考プロセスのことを
「自己解釈レンズ」と呼び、このレンズを
通して自己変革すると説明されています。

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| リーダーシップ | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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新・リーダー論


新・リーダー論
大格差時代のインテリジェンス (文春新書)


満足度★★★
付箋数:23

石原慎太郎さんの『天才』がベストセラーになり、
角栄ブームと言われるほど、田中角栄さんの
リーダー論が注目を浴びています。

これはリーダー不在の時代に、世の中が優れた
リーダーが出現することを求めているからです。

しかし、この角栄ブームについて佐藤優さんは、
「一種の日本の病理」だと言い切ります。

また、池上彰さんも仮に今の時代に角栄さが
いたとしても、かつてのように事は運ばなかった
と考えます。

角栄さんのやり方が通用しないのは、
日本がもはや右肩上がりの経済ではないからです。

本当のリーダーに必要なのは、やるべきことは
何かを見極める力があること。

角栄さんの頃には、もう少し簡潔に
リーダー論を語ることができました。

例えば、かつての首相は消費税導入など、
メインとなる1つの課題に取り組めば良かった。

しかし、現在では複数の問題に同時に
対処しなければなりません。

貧困問題、教育問題、安全保障問題に
同じくらいの比重で同時に取り組まなければ
ならないのです。

時代状況が複雑になって、政治家は物事を
簡単に決められなくなりました。

それらに対処できる新しい時代のリーダーは、
そう簡単は生まれません。

だからこそ、角栄さんが持っていた決断力が
優秀なリーダーに見えてくるのです。

さて、本書は池上彰さんと佐藤優さんが、
「リーダー論」について語り合った本です。

お二人の対談をまとめた本としては、
シリーズ3冊目。

1冊目は、2014年に刊行した『新・戦争論』。

自称「イスラム国」の急激な勢力拡大を
見ながら、現代の戦争について対談しました。

2冊めは、2015年に刊行した『大世界史』。

欧州への大量の難民流入など現代のさまざまな
ニュースを世界史の観点で分析することの
必要性について語りました。

そして、激動する世界において、政治指導者
たちの力量・技量が注目される中で、
お二人は現代のリーダーについて語っています。

特に世界の指導者の中には、反面教師的な
リーダーが目立っています。

前仏大統領のニコラ・サルコジさん、
ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩委員長、
トルコのエルドアン大統領、そして極めつけは、
次期アメリカ大統領のドナルド・トランプさん。

特にサルコジさんのリーダーシップは、
「サルコジ現象」として、他の指導者へも
多大な影響を与えているようです。

その特徴としては5つの資質が挙げられています。

「思考の一貫性の欠如」、「知的凡庸さ」、
「攻撃性」、「金銭の誘惑への屈服」、
「愛情関係の不安定」

トランプさんは「アメリカ版サルコジ」、
安倍首相は「ミニ・サルコジ」であると
佐藤さんは指摘しています。

今の時代、リーダーについて論じるには、
避けて通れない、強烈な個性を持つ指導者が
何人もいるのです。

結論としては、優れたリーダーは出にくい
時代になったということですが、
とにかく池上さんと佐藤さんの知識量と
それに対する洞察が物凄いことがわかります。

タイプの異なるお二人ですが、議論がかみ合い、
互いの良さを引き出すような対談になっています。

 第1章 リーダー不在の時代
 第2章 独裁者たちのリーダー論
 第3章 トランプを生み出したもの
 第4章 エリートVS大衆
 第5章 世界最古の民主主義国のポピュリズム
 第6章 国家VS資本
 第7章 格差解消の経済学
 第8章 核をめぐるリーダーの言葉と決断
 第9章 リーダーはいかに育つか?

この本から何を活かすか?

トランプさんは、「有能なビジネスマン」と
言われていますが、お二人はそのようには
見ていません。

会社を4度倒産させていることからも、
マネジメント能力を持っているとは思えない。

倒産の際には、金を借りている相手と交渉して、
借金を棒引きにして復活してきました。

トランプさんは、経営力ではなく、
「取引(ディール)」や脅しで富を作ってきました。

さらに莫大な資産を持っていることについても、
もともとは父親から財産を相続したもの。

それをそのまま投資信託にでも投資していれば、
もっと金持ちになっていましたが、
なまじ自分で事業をやったおかげで、
財産はそれほど増えていないようです。

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| リーダーシップ | 07:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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