活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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スポーツチーム経営の教科書

満足度★★★
付箋数:20

学研プラスさんより献本いただきました。
ありがとうございます。

スポーツ業界では、パワハラや助成金の
不正流用など、様々な不祥事が起こり
悪い意味で話題になることがあります。

なぜ、スポーツマンシップに則るべき業界で、
このような不祥事が発生するのでしょうか?

それは、スポーツがビジネスとして、
指導する側や経営する側に旨味があるから。

特に、チームスポーツになると、
入ってくるお金も出ていくお金も、
その規模は大きくなります。

そのお金の流れを、適切にスポーツチームを
経営できない人材が握ってしまうと、
様々な不祥事を起こしてしまうのです。

現在、日本のスポーツ業界は大きな変革期を
迎えようとしています。

2019年のラグビーワールドカップ、
2020年の東京オリンピックなどのメガイベント
が予定されていますから、スポーツ業界には、
より大きな利権が発生します。

これからのスポーツビジネスを健全に
盛り上げていくには、チームを適切に
運営・経営できる人材が必要です。

しかし、現状ではスポーツで一定の成果を
上げた選手が、引退後に経営に関する知識を
持たずに、チーム運営に携わっていることが
多く見受けられます。

それでは、選手を育てることはできても、
スポーツをビジネスとして発展させることは
できません。

そこでスポーツチームの正しい経営方法を
教えるのが本書です。

本書では、今のスポーツ経営に必要な、
「ガバナンス」、「コンプライアンス」、
「アカウンタビリティー」の3つの要素を
中心に解説します。

なぜ、この3つの要素がスポーツチームには、
必要なのでしょうか?

それは、あずさ監査法人が、これまでに多くの
スポーツチームを監査、コンサルティングを
行ってきた結果、特に不足している要素として
浮かび上がってきた項目だからです。

この3要素が不足していると、そのチームは
不祥事が発生するリスクを抱えたまま、
運営されていることになるのです。

まず、ガバナンスがないと、スポーツチームは
チームはオーナーだけの持ち物になってしまう
可能性があります。

資金の流用など公私混同の不祥事が起こるのが、
ガバナンスが不足している典型です。

ガバナンスは、組織を規律させるための
仕組みであり、チーム内外からのチェックが
正しく働いていることが必要です。

次にコンプライアンスですが、法令遵守に加え、
常識を含めたルールを守ることが、スポーツ
チームでは求められます。

これを徹底するとチーム経営だけでなく、
選手個人が不祥事を起こすことを防止する
ことになります。

暴力や薬物乱用、八百長や賭博、ドーピングや
飲酒運転など、スポーツ選手の周りには、
気をつけるべきことがたくさんあるのです。

そして、最後のアカウンタビリティーは、
説明責任と訳される言葉です。

スポーツチームには、直接的に資金援助や
備品やサービスの提供をしてくれる多くの
ステークホルダーが存在します。

これらの関係者にチームの活動報告を行い、
信用を得ることは、今後も引き続き支援を
してもらうためには必要なことです。

チーム状況を透明性のある数字で
説明できるようになれば、関係者の信頼も
得やすくなります。

本書では、ある大学のスポーツマネジメント
研究室に通う2人の学生の会話を糸口に、
3要素の強化方法をわかりやすく解説します。

本書のチーム経営の概念が正しく理解され、
浸透すると、こんなに不祥事は起こることがなく、
日本のスポーツは健全に発展していくだろうと
感じました。

この本から何を活かすか?

本書では、スポーツチーム経営の3要素を
取り入れるためのツールも巻末資料として
掲載されています。

 1. 現状把握:簡易現状診断チェックシート
 2. 目標設定:目標設定チャート
 3. 文書化:業務方針書・標準業務フロー

実際にスポーツチームの経営を改善するには、
1→2→3の順で使っていくことが必要です。

解説だけでなく、実際に使える雛形やサンプルが
掲載されているのは有り難いですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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余計なことはやめなさい!: ガトーショコラだけで年商3億円を実現するシェフのスゴイやり方

満足度★★★★
付箋数:25

オトバンクの上田さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、「ケンズカフェ東京」の
「特撰ガトーショコラ」を食べたことが
ありますか?

私は、「特撰ガトーショコラ」を
食べたために、困ったことになっています。

他のガトーショコラを食べても美味しいと、
感じなくなってしまいました。

一度でも、最高級の「本物」を食べてしまうと、
舌が覚えていて、それがガトーショコラの
基準になってしまったのです。

「特撰ガトーショコラ」は「日本一美味しい」
という評判もありますが、それは本当です。

しかも、今は通販で手に入らなくなったので、
ますます食べたい気持ちが駆り立てられます。

さて、本書はそんなケンズカフェ東京の
オーナー、氏家健治さんによる経営書。

当ブログでは、2014年に氏家さんの前著、
1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように
売れるワケ
』を紹介しましたが、本書の方が、
より詳細なノウハウが開示されています。

今では、ガトーショコラ1本で年商3億円を
稼ぐようになった、ケンズカフェ東京。

しかし、1998年に創業した当初は
赤字続きで倒産寸前だったようです。

それが、あることをきっかけに奇跡的に
苦境から好調に転じました。

それは本書のタイトルにもなっている
「余計なことをやめた」から。

  「本書は私の経験をベースに、余計な
  ことを捨て、ビジネスが一気に好循環に
  入る具体的なやり方を紹介しています。
  ビジネスの中身の違いはあっても、
  好転させるための本質は同じ。
  ガトーショコラ1つだけで年商3億円を
  稼げるようになるまでのすべてを
  本書で明らかにしていきます。」

氏家さんが言う「余計なこと」とは何か?

これを取り違えてしまうと、ビジネスは
間違った方向に進んでしまいます。

「余計なこと」とは、「本質ではないこと」。

そして「本質」とは、「本当に重要なもの、
実現したいこと」です。

余計なことに煩わられなければ、
経営の本質に立ち返ることができ、
長期的な視点で考えられるようになります。

氏家さんは、戦略とは戦う場所を決める
ことと考え、戦う場所をガトーショコラ1本に
絞りました。

戦略は、やらないことを決めることとも
定義されますから、ケンズカフェ東京の場合、
余計なことを捨てることが最重要戦略と
なったのです。

もともとイタリアンレストランだった
ケンズカフェ東京は、段階を踏んで、
いろいろなことを捨てていきました。

 ・ディナーをやめて宴会営業だけに
 ・ランチとカフェもやめ、ガトーショコラのみへ
 ・レストランの宴会もやめる
 ・ガトーショコラの通販もやめる
 ・氏家さん自身はシェフ業もやめる

ケンズカフェ東京は、1つ余計なことを
やめるたびに、成長していきました。

もちろん、ただやめるだけではありません。

大切なのは、余計なことをやめる代わりに
強化すべきことにリソースを集中させる
ことです。

会社の経営が苦しくなってくると、
経営者としては、他の可能性を求めて、
余計なことに手を広げたくなるものです。

そのような状況で、1つの本質に絞って
勝負するのは、非常に勇気がいることですね。

「集中と選択」というシンプルな戦略ですが、
シンプルであるがゆえに強力なのです。

  「あなたも、まず何か1つ、捨ててみませんか?
  きっとあなたのビジネスは、息を吹き返します。
  すぐ目の前に、ストレスのない、あたらしい
  人生が待っています。」

本書は、ビジネスだけでなく、生き方として
参考にしたい本だと思いました。

この本から何を活かすか?

氏家さんは現在、ファミリマートの
スイーツを監修しています。

  「私は “チョコといえば” の言葉の後に
  すぐ続く存在にファミリマートを持って
  いきたい。
  さらには、業界順位も押し上げたい。」

この本気度を聞くと、ファミリマートの
スイーツが食べたくなりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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丸亀製麺はなぜNo.1になれたのか? 非効率の極め方と正しいムダのなくし方

満足度★★★★
付箋数:25

本書は、3択クイズから始まります。

 第1問
  丸亀製麺で国内最大の売上を誇る店舗は、
  羽田空港内にあります。
  そのお店でさまざまな工夫を積み重ねたら、
  売上が2倍になりました。
  その工夫のひとつとは?

   1. メニューを増やした。
   2. 面積を広くした。
   3. テーブルにお冷ピッチャーを置いた。

 第2問
  丸亀製麺においてうどんの味や品質を
  チェックしている「麺匠」。
  全国に何人いるでしょう?
  ちなみに、国内はいま、約800店舗です。

   1.ひとり
   2.47人
   3.800人

本当は全部で4問掲載されていますが、
長くなるので、2問だけ紹介しました。

実は、これらの3択クイズには、
うどん業界でダントツで1位の丸亀製麺の
強さの秘密が隠されています。

正式名称は、「讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺」。

国内外でさまざまな外食業態を運営する会社、
トリドールホールディングスの1ブランドです。

香川の麺職人が立ち上げた会社のような
イメージですが、実は社長の粟田貴也さんは、
元々麺職人ではなく、兵庫県で焼き鳥店を
創業した方です。

2018年時点での丸亀製麺は、売上約904億円、
店舗数は国内約800店、海外約200店を誇る、
うどん業界では、ダントツのNO.1ブランドです。

年間の来客者数は、1億5千万人以上を超える
ほどの人気ぶり。

なぜ、丸亀製麺はダントツのNO.1になれたのか?

本書は、その強さの秘密を解き明かす本です。

著者は、トリドールホールディングスで
社長秘書兼IRを担当する小野正誉さん。

IR(Investor Relations)は、投資家向けの
広報活動をするのが仕事なので、
本書もその一環なのだと思います。

しかし、本書は一般の人向けに
非常にわかりやすく、丸亀製麺が躍進した
秘密が解説されています。

丸亀製麺の店舗を訪れると目につくのが、
小麦粉の入った袋が山積みされているのと、
大きな製麺機です。

そして多くのスタッフが、いつも忙しそうに
働いています。

  「丸亀製麺は他のうどんチェーン店に
  比べるとキッチンのスペースが広く、
  スタッフの人数も多いのです。
  チェーン店なら、客席数を増やして
  スタッフは少なめに抑えるのが、
  効率よく利益を上げる鉄則です。
  丸亀製麺は、この鉄則とは真逆の方法を
  選びました。」

各店舗に製麺機を置いて、麺をつくるなど、
チェーン店からすると非効率の極みです。

しかし、その非効率を極め、本物にトコトン
こだわったことが、丸亀製麺の勝因です。

冒頭で紹介した3択クイズの第2問は、
「麺匠(めんしょう)」に関する問題です。

正解は、「1番」の一人だけになります。

たった一人の麺匠が、全国の店舗を回り、
うどんの作り方、うどん以外のメニューの指導、
接客のマナー指導まで行います。

味やサービスにバラツキがないように、
一人の麺匠しか置かないのも、
丸亀製麺の非効率の最たる例です。

チェーン店であっても、味を守るために、
徹底的にこだわっていることが、
顧客に支持されているのです。

私は、あまり、うどん好きではありません。
うどんより、そばやラーメンの方が好きです。

それでも、たまに丸亀製麺には行きたくなる。

自分でもその理由がわかりませんでしたが、
本書を読んで「なるほど、そういうことか」
と納得しました。

本書では、丸亀製麺という1ブランドの
強さの秘密だけでなく、トリドール全体の
経営方法も紹介されています。

飲食業界以外の方が読んでも参考になる本
だと思います。

この本から何を活かすか?

トリドールジャパンの求人情報には、
「パスポートが必要です」と書かれています。

なぜなら、入社式が海外で行われるから。

これは、トリドールが世界トップ10の
外食企業になる目標を掲げていて、
それを身をもって知ってもらうためです。

実際に、トリドールは2018年時点で、
海外でも550店以上を展開しているので、
今後の躍進が楽しみです。

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| 経営・戦略 | 05:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

満足度★★★★★
付箋数:28

ダイヤモンド社の小川さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

非常に内容が濃く、私が今年読んだ本の中では、
本書は最も収穫があった本かもしれません。

今、ビジネスの世界は、かつてない程の
大きな転換期を迎えています。

ビジネスの中心は「製品からサービスへ」、
「所有から利用へ」移行しつつあります。

モノづくりが得意だった日本企業は、
果たして、この大きな変革についていけるのか?

一部、対応している企業もありますが、
海外の企業に比べると動きが悪いように感じます。

韓国の現代自動車の例を見てみましょう。

新しいハイブリッドカー「アイオニック」に
乗りたければ、月額275ドルの利用料を払えば
乗ることができます。

わざわざクルマを所有しなくてもいい。

ネットでモデルを選び、2年か3年かの
プランを選び、オプションを選択したら、
販売店に行くと、そのままクルマに乗って
帰ることができます。

携帯電話のプランを選ぶような手軽さです。

このサービスは、今までの「リース」と
一体何が違うのでしょうか?

リースは利用者を特定のクルマに縛りますが、
このサービスでは様々な車種に乗ることが
できます。

クルマを所有しないので、登録や保守も
自分で気にしなくていいし、保険も自分で入る
必要がありません。

このように製品を販売するのではなく、
サービスを提供して定期収益を得るタイプの
ビジネスを「サブスクリプション」と呼びます。

新聞などの定期購読で使われている
古くからあるビジネスモデルです。

しかし、デジタル革命などによって、
従来できなかったものまでが、
サブスクリプション化が可能になりました。

サブスクリプションは、単なる月額課金の
ビジネスモデルではありません。

常に変化する顧客のニーズやウォンツに
柔軟に対応し、長期的な関係を作るための
ビジネスモデルです。

ところで、これまであったすべての製品は
サブスクリプション化できるのでしょうか?

  「サブスクリプション化できないものはない。
  なぜなのか種明かししよう。
  製品が提供するサービスのレベルについて
  契約すればよいのである。それはすべてに
  応用できる方法だ。冷蔵庫を提供するのでは
  なく、新鮮で冷たい食品の提供を保証する。」

製品を売らずに、結果を売るのがポイント。

これは「ドリルを売るには穴を売れ」という
マーケティングの考えに通じます。

本書は、急成長を遂げるサブスクリプション
ビジネスの仕組みを詳しく解説し、
サブスクリプションへのビジネス転換
までをアドバイスする本です。

著者は、サブスクリプション界の第一人者、
ティエン・ツォさん。

元セールスフォース・ドットコムのCMOで、
Zuora(ズオラ)の創業者兼CEO。

Zuoraは、まさにサブスクリプションへの
ビジネスモデル変革と収益向上の支援する
世界的な企業です。

ツォさんは、セールスフォースやZuoraでの
経験を惜しみなく披露しています。

ここまでサブスクリプションについて、
的確かつ詳細に書いている本は他にありません。

サブスクリプション企業は急成長を遂げます。

なぜなら、サブスクリプション企業は
顧客1人1人の全貌を把握した上で
ビジネスを行っているから。

サブスクリプションへ移行した企業は、
アドビ、ネットフリックス、コマツ、
フェンダー、ニューヨークタイムズなどが
挙げられています。

しかし、こられの企業は本格的な
サブスクリプション・エコノミー到来の
序章に過ぎません。

本書は、サブスクリプションについて
あまり明るくない方から、ある程度知っている
方まで、満足できる本だと思います。

なんとなく、「月額課金モデル」程度の
認識しかない方は、ビジネスモデルの
大変革を知る上で、必読書だと言えます。

この本から何を活かすか?

サブスクリプション・ベースの企業は、
S&P500企業の8倍、米国の小売売上の5倍の
スピードで成長していることが、
本書の巻末資料で示されています。

これは、Zuoraが持つ顧客データ5年分を
インデックス化したものです。

今後サブスクリプション企業への投資を
検討する際にも有益な情報だと思います。

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| 経営・戦略 | 07:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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こうして店は潰れた: 地域土着スーパー「やまと」の教訓

満足度★★★
付箋数:21

著者の小林久さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「私は経営者として失格だった。
  100年以上続いた家業を倒産させ、180名にも
  上る従業員を解雇して路頭に迷わせた。
  金融機関や関係者、長年の取引業者に迷惑を
  かけ、何よりやまとを頼みに生活している
  地域のお客様、とりわけ高齢者から買い物の
  手段を奪ってしまった。
  いまさらながら本当に申し訳なく思っている。」

1912年に韮崎市で創業したスーパーマーケット
チェーンの「やまと」。

この老舗スーパーは、2017年12月6日に、
その歴史に幕を下ろし、山梨県内に展開する
9店舗全店を閉鎖することとなりました。

本書は「やまと」元社長、小林久さんによる、
倒産のドキュメンタリーです。

「やまと」倒産の発表を受け、山梨県民から
「なくなると困る」、「今後の買物はどうする?」、
「ヴァンフォーレがJ2降格ぐらい山梨にとって
重大な出来事やん」などの声が寄せられました。

「やまと」は地元から愛されていました。

業界でも先んじて移動販売車を走らせて
「買物難民」を救済し、山梨県内のスーパーでは、
いち早く「ノーレジ袋」を推進しました。

また、ホームレスを雇用し、街の明かりを
消さないため、シャッター通りになった
中心商店街にあえて出店するなどしていました。

三代目社長の小林さん自身は、若くして山梨県の
教育委員長を務め、また「やまとマン」という
愛称で、弱い者を助け、地域住民から愛されて
いました。

そんな多くのファンを持つ、地域土着型スーパーの
「やまと」は、いかにして潰れたのか?

当事者である小林さんが、本書で赤裸々に、
その真相を語っています。

  「社長、今日納品予定の商品が入ってきません。
  業者に確かめたら、発注のシステムエラーが
  原因だそうです。いつ復旧するかわからないと
  言っています!」

  「おいおい、冗談じゃやない!
  商品が入っけこなければ商売ができないじゃ
  ないか。こんな大事な時期に大会社の
  コンピュータが故障なんて本当か?」

始まりは、クリスマス商戦に入る直前の、
このような会話からでした。

すぐに別の店舗からも連絡が入りました。

  「社長、魚問屋からも納品がありません。
  これではケースが空っぽになってしまいます!」

  「米問屋が売場から商品を引き上げています」

これまでも厳しい経営状況が続いていたので、
「やまとがヤバイ」という噂は、
巷ではよく上がっていました。

実は、この年「やまと」は、金融機関の
協力の下、加えて取引業者の支払いサイト
延長の協力などもあり、4年ぶりに経営黒字が
見込まれていたのです。

しかし、ちょっと今回は状況がおかしく、
今までとは違うと、小林さんは本能的に
感じ取っていました。

一度広がった信用不安は、噂が噂を呼び、
更に広がり、元に戻ることはありませんでした。

小林さんは、親しく付き合っていた取引先の
社長3人からのアドバイスも受け、
納入業者の連鎖倒産を避けるために、
体力のある内に、全店閉店を決断しました。

  「資産も人脈もノウハウもない田舎の
  スーパーマーケットが、巨大資本や地元の
  大企業と戦ってきた。勝てるはずのない
  戦いと知りつつも命を削り、知恵を絞って
  つないできた。
  経営者としては失格だった私が、もう二度と
  戻ることのない業界へ “遺言” を記して
  おこうと決めた。そして、私ができなかった
  地域への恩返しを、読んでいただいた誰かに、
  同じ過ちを繰り返すことのないように託したい
  と思った。」

正しいことを行っていても、残念ながら
それだけではビジネスは立ち行かなくなる。

小林さんの地域へ貢献したいという想いは、
非常に共感できます。

しかし、それだけでは中小企業が生き残って
いけないという厳しい現実がありました。

本書は、多くの中小企業には「教訓」となる
学ぶべきことが詰め込まれています。

この本から何を活かすか?

株式会社やまとは、ヴァンフォーレ甲府の
公式スポンサーの1つでした。

やまとは売上の5%をチームの強化費に
当てる「ヴァンフォーレ甲府応援どんぶり」
を298円で販売していました。

対戦相手にちなんだ17種類もの弁当を
販売していたようですが、これもなくなり、
地元の方にとっては寂しい限りですね。

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| 経営・戦略 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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