活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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LVMHグループ時計部門プレジデント ジャン-クロード・ビバーの経営学 間違える勇気。

満足度★★★
付箋数:20

ディエゴ・マラドーナさん、明石家さんまさん、
フロイド・メイウェザーさん、田中将弘さん、
クリスティアーノ・ロナウドさん、香川真司さん、
ウサイン・ボルトさん、吉田沙保里さん、
コービー・ブライアントさん・・・

これらの著名人の共通点が何かわかりますか?

実は、ある時計ブランドの愛用者です。

そのブランドとは、「HUBLOT」。
読み方は「ウブロ」です。

ウブロは、1980年に創業したLVMHグループに
属する、スイスの高級時計メーカーです。

それほ長い歴史のブランドではありませんが、
多くの著名人が求める高級時計の地位を
確立しています。

少し気にしてテレビを見てみると、この人も
ウブロ、あの人もウブロというぐらい、
かなり多くの出演者や有名人の腕に巻かれて
いることに気がつくはずです。

成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか。
という篠田哲生さんの本が以前ありましたが、
本当に多くの著名人に愛好されています。

今でこそ至高の時計ブランドになったウブロも、
実は2000年代前半までは、クォーツ時計しか
販売しておらず、経営難に陥っていました。

そのウブロのCEOに2004年に就任し、
短い期間で立て直しを図ったのが、
最古の時計メーカー「ブランパン」も再建した
ジャン-クロード・ビバーさんでした。

ビバーさんがCEOに就いてから、ウブロは、
初めて機械式腕時計の「ビッグ・バン」シリーズ
を発売します。

以来、ビバーさんはわずか10年足らずで、
ウブロを押しも押されぬ高級時計ブランドへ
成長させます。

  「当時、ウブロのCEOで、現在はLVMHグループ
  の時計部門(ウブロ、タグ・ホイヤー、ゼニス)
  のプレジデントを務めるジャン-クロード・ビバー
  に、私が初めて出会ったのは、彼がワイン
  ビジネスクラブに招待され、腕時計における
  ゴールドとラバーの組み合わせについて
  話していたときだった。(中略)

  経営者である彼が代表を務めていた会社の
  売上高や利益率を見る限り、その経営哲学には
  高い競争力があるようだ。1983年にブランパン
  を復興させ、1993年からオメガを再編し、
  2004年にウブロを軌道に乗せた高級時計界の
  立役者である。また、タグ・ホイヤーの
  スマートウォッチ “コネクテッド” を開発し、
  責任者を務めるLVMHグループの売り上を
  劇的に上昇させた実績ももつ。」

本書は、講演家で経営コンサルタントの
ジェラール・ルラルジュさんが、ビバーさんに
行ったインタビューをまとめたもの。

ビバーさんは、どのように各時計ブランドの
改革を行ってきたのか?

本書では、ビバーさんの持つビジョンを
明らかにし、その経営手腕の秘密に迫ります。

まずは、仕事に関する情熱について。

  「情熱は生まれながらに備わっているとは
  限らない。自分で探さなければいけない
  からだ。そして情熱を見つけた時、
  あなたの仕事はただの生計を立てる手段
  ではなく、情熱になるのだ。
  そこにあなたは自分の道を見いだし、
  その痕跡を残すことができるだろう。」

ビバーさんは、特に若い人にこのように
伝えることが多いようです。

そして、本書のタイトルにもなっている
間違えることについて。

  「多くの起業家はビジョンを持っているが、
  間違えることを恐れて、それらを実施するのを
  遅らせるか、実行する勇気が持てない。
  しかし、私たちはこれまで失われたものなど
  何もないと知る必要がある。間違えることは
  まったく決定的なものではないのだ。
  ビジネスライフは成功と失敗でできているので、
  失敗した時に再起を図ることが重要だ。」

本書は、時計好きの人には、たまらない本です。

ただし、ビバーさんが語っているのは、
経営者や起業家としての本質なので、
時計に興味がない方でも参考になると思います。

この本から何を活かすか?

本書では最後にビバーさんの「人生のルール」
をまとめています。

  1. 分かち合うこと、尊重すること、許すこと
  2. 間違える勇気を持ち、失敗を受け入れること
  3. しっかりした個人的関係を築くこと
  4. 常に、もっと、学ぶこと
  5. 自分のDNAを決して放棄しないこと

他にも「マネジメント」と「マーケティング」
のルールがそれぞれ5つずつあります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アマゾンのすごいルール

満足度★★★★
付箋数:26

以前の記事で紹介した林部健二さんの
なぜアマゾンは「今日中」にモノが届くのか
もアマゾンの強さの秘密がわかる良い本でしたが、
本書もそれに匹敵する内容の本でした。

どちらの本もアマゾンジャパンの立ち上げ時から
参画していた元社員の方が書いた本です。

林部さんはアマゾンの元マネジャーでしたが、
本書の著者、佐藤将之さんはそれより上の
ポジションの元ディレクター。

どちらかと言うと、「アマゾンのルール」に
着目して書かれた本書の方が、アマゾンの凄さが
より伝わってくると思います。

ただし、私にとっては、先に林部さんの本を
読んでいたためか、少しだけ新鮮味に欠けました。

佐藤さんは、「アマゾンをアマゾンたらしめる」
シンプルな1つのルールがあると説明します。

それは、アマゾン内で最も価値のある社内表彰、
「Door Desk Award」を受賞すると、創業者の
ジェフ・ベゾスさんから贈られる一文です。

 「Customers Rule!(お客様が決めるんだ!)」

アマゾン内には、様々な独自の「基本ルール」が
存在しますが、すべては「Customers Rule!」
からブレイクダウンしたもののようです。

本書では、基本理念、ビジネスモデル、
リーダーシップ、採用、人事評価、目標管理、
アイディア、スピード、コミュニケーションなど
あらゆる分野に存在するアマゾンの「基本ルール」
を詳細に解説します。

本書は、アマゾンへの入社を考えている人、
アマゾンの強みを自社に取り入れたい人、
アマゾンと取引のある人、アマゾンに脅威を
感じている人、アマゾンへの投資を考えている人
などに向けて書かれています。

個人的には、アマゾンの強みを取り入れたい人
が読むと一番有効だと感じました。

なぜなら、本書はアマゾンはどうするか
という具体的なオペレーションよりも、
抽象的なルールや考え方を中心に解説するので、
他の会社へも移植しやすいからです。

私が本書で初めて知ったのは、
アマゾンを象徴する革新的な発明、
「シングルディテールページ」についてです。

この機能はアマゾンを使っていると当たり前すぎて、
何が革新的なのかに、全く気づいてませんでした。

「シングルディテールページ」はアマゾン以外の
販売者が商品を出品するマーケットプレイス上で、
「1商品1ページ」で表示するフォーマット。

他のオンラインショッピングサイトでは、
たとえ同じ商品であっても、販売者が異なると、
別のページに表示されます。

なぜなら、普通は、他の販売業者の商品が
安く売っていることがわかると、自社の商品が
売れなくなることを懸念するからです。

しかし、アマゾンの「Customers Rule!」では、
お客にとって一番有益な販売者から選んでもらう
ことを優先します。

ショッピングカートの付いたページに掲載される
のは、最も安い販売者だけで、その他の販売者は
1つ下の階層のページに表示されます。

凄いのは、アマゾンを優先、その他の販売者を
2番手以下と優先順位付けしなかったことです。

だからアマゾンの販売を差し置いて、
他の最も安い販売者がショッピングカートの
ページに表示されることがしばしばあるのです。

アマゾンは、自分たちの商品を売ることよりも、
お客にとって一番有益な商品を買ってもらうことを
大切にしているのです。

また、本書ではジェフ・ベゾスさん直伝の
仕事術も数多く紹介されています。

これはなかなか貴重で、外部からベゾスさんを
見たものでなく、実際に社内でそのスピリットを
受け継いだからこそ伝えられる内容だと思います。

この本から何を活かすか?

アマゾンの文化を語る上で決して外すことが
できないのが、「Our Leadership Principles
=OLP(リーダーシップ理念)」です。

OLPは次の14か条からなっています。

 1.Customer Obsession(顧客へのこだわり)
 2.Ownership(オーナーシップ)
 3.Invent and Simplify(創造と単純化)
 4.Are Right, A Lot(多くの場合正しい)
 5.Learn and Be Curious(学びそして興味を持つ)
 6.Hire and Develop the Best
  (ベストな人材を確保して育てる)
 7.Insist on the Highest Standards
  (常に高い目標を掲げる)
 8.Think Big(広い視野で考える)
 9.Bias for Action(とにかく行動する)
 10.Frugality(質素倹約)
 11.Earn Trust(人々から信頼を得る)
 12.Dive Deep(より深く考える)
 13.Have Backbone; Disagree and Commit
  (意見を持ち、議論を交わし、
   納得したら力を注ぐ)
 14.Deliver Results(結果を出す)

この14か条は、採用でも評価でもアマゾンの
大きな指針になっているようです。

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| 経営・戦略 | 06:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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まかせる力

満足度★★★
付箋数:23

  「3年前の2015年1月、私は
   “ジャパネットたかた” の社長職を辞し、
  息子にその任を “まかせ” ました。
  振り返ると、社長職は実に29年間に
  わたっていました。その1年後の16年には、
  テレビショッピングのMC(話し手)も
  かつての部下であったスタッフに後を
   “まかせ” 完全に引退。」

現在は、地元長崎のプロサッカーチーム、
V・ファーレン長崎の社長を務める高田明さん。

MCとしてだけでなく、経営者としても
その手腕を高く評価される高田さんには、
経営のバイブルとする愛読書があります。

高田さんが、その本に出会ったのが、
2013年7月3日、会社の研修旅行で
グアムに行っていた日のことでした。

感動のあまり、高田さんは本の末尾に
メモを残したそうです。

  「感動の一言でした。今後の人生の指南書、
  参考に値する書物でした。感謝。
  2013年7月3日、グアム研修旅行にて」

その本とは、新将命(あたらしまさみ)さんの
経営の教科書』です。

新さんは、「伝説の外資トップ」として
知られる経営者です。

シェル石油、日本コカ・コーラ、
ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、
グローバル・エクセレント・カンパニー
6社で社長職を3社、副社長職を1社経験
された方です。

私もこれまで新さんの本を6冊ほど、
当ブログで紹介しています。

以下は、その中でも私のお気に入りの3冊です。

  『リーダーの教科書
  『経営の教科書
  『世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術

ところで、高田さんは、新さんの本の何に
感動したのでしょうか?

  「それは、会社の存続や経営にとって最も
  大切なのは理念や志であるという、
  マインドの部分に徹底的にこだわって
  書かれているという点です。かつ、そうした
  マインドを具体的にどういう態度や手法に
  落とし込んでいけばよいかという点についても、
  シンプルにわかりやすくまとめられています。」

感銘を受けた高田さんは、ジャパネットの
社内研修で新さんに講師を依頼しました。

お二人は、それ以来のお付き合いです。

本書は、高田さんと新さんが「まかせる」
ことをテーマに語った対談本です。

「まかせる」ことは、一見すると簡単なこと
のようで、実は難しいものです。

それは、「まかせる」相手を、本当に「信頼」
していなければ、できないことだからです。

ちなみに、「信頼」と「信用」は全く違うもの。

「信頼」とは、全人格を含めて相手や周囲から
認められること。

一方、「信用」とは、その人のスキルが
信用できるとか、その会社が借入をするときの
担保能力が信用できるかといった部分的な
ことを指します。

ジャパネットは、高田さんの社長交代や、
MC卒業が、最大の経営リスクと言われました。

しかし、実際は高田さんが経営やMCを
「まかせて」引き継いだ後も、
ジャパネットは高成長を続けています。

その裏には、高田さんが新さんの本から
感銘を受けて作ったジャパネットの企業理念や
クレドの継承がありました。

これらは、「まかせる」仕組みの一部です。

本書は、170ページほどで、あまり厚くない
本ですが、経営のエッセンスが詰まっています。

お二人はマインドの部分が一致しているので、
互いの経験が共鳴して、いい対談になっています。

この本から何を活かすか?

新さんは、年齢を聞かれたときに、
「I am 81 years old.」とは決して言いません。

必ず「I am 81 years young.」と言うそうです。

ニュアンスとしては、「もう81歳です」ではなく、
「まだ81歳です」といった違いです。

「まだ81歳」と思って日々生きることで、
まだまだ新しいことにチャレンジできる気に
なれるそうです。

それが新さんの若さの秘訣です。

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| 経営・戦略 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜアマゾンは「今日中」にモノが届くのか

満足度★★★★★
付箋数:27

  「さて、ここまで、アマゾンの物流戦略と、
  それを支えるアマゾン式ロジカル経営の
  3つの柱、人材戦略などを紹介してきました。
  アマゾンがどのように、ネット通販事業の
  世界を変え、物流の世界を変えてきたのか、
  そして、その裏にあるアマゾン独自の戦略や
  考え方がおわかりいただけたかと思います。
   “真実の姿がよくわからないので恐い” 
  という存在だったアマゾンが、より身近に
  感じられるようになったでしょうか。
  それとも、知る前よりもさらに恐ろしい
  存在になったでしょうか。」

本書は、中途半端な気持ちで読んでは
いけない本かもしれません。

ビジネスを真剣に行っている人であれば、
本書でアマゾンのことを知れば知るほど、
間違いなく、より恐ろしい存在に感じると
思います。

本書は、過去に刊行されているどんな
アマゾン本よりも詳しく、その物流システム
について解説しています。

しかし、その仕組みがわかっても、
「これは真似できない」と完全に白旗を
揚げることしかできないかもしれません。

本書の著者、林部健二さんは、元アマゾン
ジャパンのSCM(サプライチェーンマネジメント)
のマネージャー。

アマゾンジャパンの立ち上げから参画し、
サプライチェーン部門とテクニカルサポート
部門で責任者を務め、その躍進に貢献した方です。

  「ここ数年、アマゾンに関する書籍や雑誌の
  特集などが多くでていますが、アマゾンを
  内部から知っている私からすると、
  そのほとんどは表面的にアマゾンのサービスや
  施策を取り上げているだけで、結局
   “アマゾンはすごい” で終わってしまっている
  ように思えます。これでは、アマゾンの本当の
  強さはわからない、日本企業が参考にする
  こともできない、と感じたのが、本書の出版を
  思い立ったきっかけです。」

実際に、本書は他のアマゾンに関する本が、
「子供騙しだった」と思えるぐらい詳しく、
アマゾンの物流の仕組みを公開しています。

物流に関する、アマゾンの秘密がわかっても、
そこにつぎ込むリソースが圧倒的すぎて、
日本企業は戦意を喪失するレベルだと思います。

日本の企業がアマゾンに匹敵するような
物流システムを作れない理由は2つあります。

1つは、物流に大きな投資ができないこと。

通常の会社では、「倉庫」はコストセンター
と位置づけ、コストダウンを目指します。

結果、既存の倉庫をそのまま使ったり、
改修して使うのがのが一般的です。

しかし、アマゾンは倉庫こそが、
商品を安く速く届けるための「要」と考え、
尋常ではない額の設備投資を行います。

どんどんハイテクを導入し、無線を飛ばし、
機械でモノを運ぶ仕組みを作り上げました。

もう1つの理由は、人材への投資です。

日本の企業では、物流を管理するために
高い給料を払って優秀な人材を集めるという
発想がありません。

しかし、アマゾンは物流にこそMBAを取得した
経営やシステムがわかる優秀な人材を採用して
投入します。

そもそも、今のアマゾンの倉庫運営と物流も
マサチューセッツ工科大学の大学院でMBAと
工学修士を取得したジェフ・ウィルケさん
という人物が、他の優れた科学者たちを集め、
構築したものです。

アマゾンの倉庫内の動きを様々な指標により
分析し、どこの倉庫に在庫を置けばいいか、
注文をどこの倉庫で対応すべきか、複数の商品を
どう組み合わせて梱包するのが効率的かなどを
自動で判別するアルゴリズムを開発したのです。

また、本書ではアマゾン流の緻密なデータに
基づくロジカルな経営についても解説します。

この部分だけを見ても、日本の企業が
そう簡単にアマゾンに太刀打ちできるようには、
思えませんでした。

この本から何を活かすか?

アマゾンには、高い人材を採用する独自の
「バーレイザー」という仕組みがあります。

これは、採用の拒否権を持つ人で、
「基準を上げる人」を意味します。

バーレイザーの選ばれるのは、人を見る目があり、
過去に優れた人材を採用した実績がある人。

採用の部門長がYesと言っても、
社長がYesと言っても、バーレイザーがNOと
言えば、その人物は採用しないようです。

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| 経営・戦略 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「いい会社」ってどんな会社ですか?

満足度★★★★
付箋数:25

  「本書は、長野県伊那市の片田舎でかれこれ
  60年近く、小さな寒天メーカーを経営してきた
  私が、新進気鋭のベンチャー経営者二人と
   “いい会社とは、どんな会社か” について、
  自由闊達に語り合い、持論をまとめたものです。」

本書で、二人のベンチャー経営者と対談するのは、
「かんてんぱぱ」ブランドで有名な伊那食品工業
の代表取締役会長兼CEO、塚越寛さんです。

坂本光司さんがシリーズで刊行している
日本でいちばん大切にしたい会社』でも
取り上げられた会社です。

塚越さんは社員を大切にする経営を実践し、
その経営理念には、トヨタの豊田章男社長も
共鳴し、「師匠」と呼んでいるそうです。

塚越さんが提唱しているのは「年輪経営」。

  「木の年輪は、その年の気象条件によって、
  多少変化しますが、毎年必ず増えます。
  年輪のできない年はありません。
  企業も同じで、景気の波などの外部環境に
  左右されず、毎年着実に成長する。
  これが年輪経営の意味です。」

年輪経営での成長とは、単に売上高や利益が
伸びることを言っているのではありません。

それらも含みますが、社員や経営者も
幸せになり、人間的な成長をすることを
大切にしています。

塚越さんの年輪経営については、
光文社から『リストラなしの「年輪経営」
が刊行されていますが、本書でも対談の後に、
要点がまとめて掲載されています。

さて、本書で塚越さんと対談する1人目は、
サイボウズ社長の青野慶久さんです。

青野さんが社長に就任した当時のサイボウズは、
離職率が30%近くまで上昇していました。

しかし、ハードな働き方を見直し、
多様なワークスタイルの構築に着手した結果、
離職率を4%にまで下げることができました。

塚越さんと青野さんは、次の4つのテーマに
ついて対談しています。

 ・職場を快適にすると、どんないいことが
  起こるのか?
 ・売上や利益より大事なものは何か?
 ・会社は絶対、永続しないとダメなのか?
 ・幸せを生む人事制度のツボとは?

塚越さんと対談する2人目は、世界で初めて
ミドリムシの屋外大量培養に成功した
ユーグレナ社長の出雲充さんです。

 「ミドリムシの食品で人と地球を健康にし、
 バイオ燃料で地球環境の改善に貢献する」

ことを経営理念に掲げる社会派起業家です。

塚越さんと出雲さんの対談のテーマは2つ。

 ・経営者としての価値観はどのように
  形成されたのか?
 ・「年輪経営」は万能か?

青野さんとの対談に比べ、出雲さんとの
対談ページが少なくなかったので、
個人的にもう少し読みたかった・・・。

しかし、お二人とも非常に密度の濃い、
いい対談ができたという印象です。

  「果たして、今年80歳の私のこうした考えは、
  46歳の青野社長、37歳の出雲社長の二人に
  どう映るのか、真剣に語り合いました。
  結論を言えば、世代を超えて大いに共鳴し、
  経営には普遍の原理原則があることを再確認
  できました。
  一方で、新しい時代の流れに目を見開かされ、
  気付き、学んだことも多くありました。」

経営者には、こういう考えをもっていて
欲しいと思える対談内容でした。

今後も塚越さんと若い世代の起業家との
対談をシリーズとして読みたいと感じました。

また、塚越さんとは全く考え方の異なる
堀江貴文さんと対談しても面白いのではないか
とも想像しました。

この本から何を活かすか?

  「良い会社」と「いい会社」は別物

伊那食品工業が目指しているのは、
「良い会社」ではなく「いい会社」です。

微妙な違いですが、イメージが異なります。

「良い」は、業績が良い、収益率が高いなど、
経営数値がプラスのイメージ。

一方、「いい」は、取引先や顧客、
地域住民との接し方も含めた情緒的な
意味合いも含みます。

会社を取り巻くすべての人に、日常会話の中で
「伊那食品さんはいい会社だね」
と言ってもらえることが理想のようです。

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| 経営・戦略 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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