活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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ITビッグ4の描く未来

満足度★★★
付箋数:23

  「米アップル、米グーグル、米マイクロソフト、
  米アマゾン・ドットコム、米フェイスブック。
  この5社は、2017年5月末時点の世界時価総額
  上位企業を1位から順に並べたものだ。(中略)
  そして、これら上位のIT企業のうち、
  近年とりわけ急成長しているのが、
  フェイスブック、アマゾン、グーグルの3社
  である。その3社に加え、アップルの企業価値は
  10年前の7倍超に拡大し、その地位は揺るぎない
  ものになっている。(中略)
  そので本書では、これら影響力のある4社を
   “ITビッグ4” とし、そのビジネスの本質を、
  これまでの動きやデータを示しつつ、
  読み解いていく。」

著者は、ニューズフロントのフェローとして
IT分野の執筆活動を続ける小久保重信さん。

小久保さんは、これまで20年に渡り、
この4社を中心に米IT企業のニュースを拾い、
記事にしてきました。

その経験からITビッグ4が、これから何を
しようとしているのか、これから世界を
どのように変えていこうとしているのかを
考えます。

この4社は、業態や理念は異なりますが、
いくつもの共通点があります。

それは、他社にまねできないコアプロダクト
を持ち、そこで得た巨額の資金を、
次世代を見据えた研究に投資していること。

一見本業とは関係ないとも思える分野で、
企業を買収し、新技術を導入し、
自社で一貫して開発や関連事業を行う
垂直統合のスタイルの経営です。

では、私たちの生活にも十分馴染みのある
ITビッグ4ですが、一体何が凄いのかを
簡単に見ていきましょう。

まず、アップルの凄さは、「利益」です。

スマートフォンの販売台数ではサムスンの
後塵を拝していますが、利益は圧倒的です。

スマートフォン業界全体の営業利益の
91%をアップルのiPhoneが占めます。

別のデータでは、アップルの利益シェアは
100%を超えるとの報告もあります。

百分率で示されるシェアが100%を超えるのは
妙な話ですが、これは赤字を出している
メーカーがいくつもあるからです。

次に、アマゾンの凄さは「Prime会員」の
急成長です。

米国では2年で2倍の8500万に達し、今では
4人に1人がPrime会員になっています。

また、音声アシスタント機器でも、
Amazon Echoがシェア70%を超えています。


そして、創業20年あまり、利益はほとんど
顧客満足度向上のための先行投資に使われ、
最終損益は、収支トントンもしくは赤字の
状態をずっと続けています。

グーグルで凄いのは、検索ではなく、
スマホ市場のOS「Android」です。

2012年の時点でのネットアクセス比率は、
わずか2.4%でしたが、その後右肩上がりで
伸び、2017年4月には37.93%に成長しました。

この時点でマイクロソフトのWindowsの
37.91%抜いて、OSでNo1になりました。

今や、パソコンの出荷台数が2.7億台に対し、
スマホはその5倍の15億台となり、
完全にモバイルが主戦場になっています。

最後にフェイスブックの凄さは、
圧倒的な「利用者数」です。

2年足らずでフェイスブック利用者は5億人が
増加し、2017年6月時点で20億人を超えました。

世界の人口の4分の1を超える世界最大のSNSに
成長しています。

特に最近では、通信速度の遅いインド、
インドネシア、フィリピン、ブラジルなどの
新興国でモバイル版の軽量アプリを提供。

この施策が功を奏し、利用者が急伸しています。

本書では、これまでのITビッグ4の動きを押さえ、
今後は医療、生命科学、自動運転、ドローン、
AI、VR、AR、IoTなどの分野で、どのような
未来が描かれているかまで言及しています。

ITビッグ4のそれぞれの情報をつなげて見て、
全体を俯瞰するには、よい視点を与えてくれる
本だと思います。

この本から何を活かすか?

アマゾンの音声アシスタントEchoシリーズが、
日本でも2017年11月15日から招待制で販売が
開始されました。

これは「Alexa(アレクサ)」と呼ぶ人工知能を
使ったクラウドベースのアシスタントサービスを
利用できるスマートスピーカーです。

私も非常に興味があるので、Amazon Echo
招待メールをリクエストしました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| IT・ネット | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える

満足度★★★
付箋数:25

  「私はかつてアマゾンのチーフ・サイエン
  ティストとして、ジェフ・ベゾスとともに
  会社のデータ戦略を策定し、顧客を中心に
  モノを考える文化を創りあげた。
  社内の編集者が書いた製品レビューと、
  消費者が書いたレビューでは、どちらのほうが
  商品購入後の顧客の満足度は高くなるのか。
  従来型の人口動態に基づくプロファイリング
  から導き出したお薦め商品と、個人のクリック
  に基づくお薦め商品では、どちらのほうが
  購入に結びつきやすいのか。数々の実験を
  通じて、われわれはこうした疑問への解を
  見つけていった。その結果、メーカーが
  スポンサーとなったプロモーションより、
  本音のコミュニケーションのほうが有効
  であることが明らかになった。われわれが
  アマゾンで開発したパーソナライゼーション
  ・ツールは、消費者の意思決定のあり方を
  根本的に変え、eコマースにおける新たな
  スタンダードとなった。」

本書の著者、アンドレアス・ワイガンドさんは
アマゾンのチーフ・サイエンティストを務めて
いたため、本書の邦題は『アマゾノミクス』
とつけられています。

しかし、本書にはアマゾンの事例はたくさん
登場するものの、アマゾンに特化した本
ではありません。

原題『Data for the People: How to Make
Our Post-Privacy Economy Work for You
』。

本書は、企業はいかに個人データを扱うべきか、
個人はいかにデータが取得され、行動を把握
されるリスクと付き合うべきかを論じた本です。

本書はデータエコノミーの新たなルールを
検討しています。

  「われわれの生活はデータ企業につつぬけだ。
  データ企業は個人のデータを収集・分析し、
  売買することもある。(中略)
  われわれは自分たちに関わるデータの変更、
  交換、販売に対してある程度の発言権を
  持つべきであり、データ使用に関する条件の
  設定にもかかわる必要がある。
  われわれデータを作成する側とデータ企業の
  双方が、透明性と主体性を持たなければ
  ならない。そのためには、個人データや
  われわれ自身に対する考え方を根本的に
  変えなければならない。」

本書では、前半でわたしたちのデータが
実際にどのように取得され、活用されて
いるのかを、実例をあげて解説します。

後半では、わたしたちの身の回りにある
無数のセンサーが、様々な情報を取得する
ことが語られています。

センサーは2020年までに、世界中で1兆個が
配置され、わたしたちの位置のみならず、
人間関係や感情さえも読み解かれる可能性が
あるようです。

全米では毎月1億件のナンバープレート情報が
集められ、車がどこにいたか特定されます。

肌に貼れる最新の無線センサーは、
汗からストレスを探知し、視線追跡装置は
従業員の注意力を測定します。

さらに意思決定の際に、わたしたちの脳の
なかで起きていることを読み取る
fMRIスキャナーも登場しています。

ジョージ・オーウェルさんが『一九八四年
で描いたビッグ・ブラザーに監視される社会が
実現する可能性もあるのです。

そうならないために重要となるのは、
「透明性」と「主体性」の2つの原則です。

データの取得は危険だからやめるのではなく、
考えるべきは、わたしたちの生活の質を
高めるために、データをどう活用するかと、
そのルール作りです。

本書は、アマゾンの秘密に期待して読むと、
ちょっと期待外れと感じるかもしれませんが、
わたしたちとデータの付き合い方を考える
良書だと思います。

この本から何を活かすか?

アマゾンで、以前に買ったことのある
商品をカートに入れようとすると、
「過去に同じものを買っています」
と警告が出ます。

これは売る側にとっては、販売機会を
損失するリスクとなるかもしれません。

しかし、アマゾンが大事にするのは、
「できるだけ顧客を後悔させたくない」
との考えです。

最終的にそのほうが、顧客はアマゾンを信頼し、
よりアマゾンで買い物をするようになりす。

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| IT・ネット | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ネットは基本、クソメディア

満足度★★★
付箋数:21

2016年末に発覚し、世間を騒がせた、
医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」問題。

このサイトは、DeNAが運用するまとめサイト、
いわゆるキュレーションメディアでした。

WELQでは、不正確な記事や、著作権無視の
転用が次々と見つかりました。

特に誤った医療情報が掲載されていることで、
大きな問題となりました。

DeNAでは、創業者の南場智子さんを含む3人が、
ひたすら謝罪し、第三者委員会の調査報告書を
公開したことが記憶に残っています。

また、DeNAが運用する他のサイトでも、
同様の不正確な記事が見つかり、大炎上の末、
それらのサイトも閉鎖に追い込まれました。

これらの不祥事は、キュレーションメディア
自体のあり方を問う問題です。

  「本書は2016年12月にネット界を席巻した
   “キュレーションサイト問題” から、
  ネットメディア全般の抱える問題と今後の
  あるべき姿などを探っていく。」

著者の中川 淳一郎さんは、古参のネット編集者。

これまでにも『ウェブはバカと暇人のもの』、
ネットのバカ』などを執筆し、ネット編集者
の立場から問題点を指摘してきました。

  「本書を出すことになった2017年、
  ネットの影響はさらに大きくなった。
  テレビ・雑誌・ラジオという既存の
  4マスメディアであってもネットの発信力を
  活用したり、ネット発のニュースを大々的に
  取り上げたりしている。しかし、ネットの
  実態はまだまだ無法地帯であり、ゲス業者と
  クソ記事が溢れる地獄絵図でもある。」

記事の信頼性が担保されないまま、
もはやマスメディアとなったネット記事。

本書で中川さんは、キュレーションサイトの
問題をDeNAの第三者委員会の調査報告書と
10年以上のネット編集の実体験から解説します。

ネット記事を読む側としては、ゲス業者、
クソ記事が溢れるこの現状から、いかにして
身を守るのかについても言及されています。

先日私が見た、NHKの国際ニュース番組
「これでわかった!世界のいま」で、
ミャンマーの新聞記者の質が低いことが
取り上げられていました。

それは記者が報道に関する教育を受けて
いないため、正確性を欠いていたり、
偏った記事が散見されているという
内容でした。

これは、本書で中川さんが指摘している
ネット記事の問題と本質的に同じもの
であると感じました。

それは記事を書く側のインセンティブが
強力に働く以上、なかなか制限するのは
難しいというものです。

本書で指摘されるネット記事の現状は、
事例と共に詳しく紹介されていますから、
普段、あまりネット記事を読まない人でも
その問題点は良くわかります。

ただし、個人的には「クソ」「ゲス」などの
汚い用語の連発に、読んでいて若干疲れる
印象がありました。

 序章 クソメディアに占拠されるグーグル検索
 第1部 キュレーションサイトの問題の本質
  第1章 こうしてDeNAは炎上した
  第2章 クソメディアはなぜ生まれたのか
  第3章 グレーゾーンの記事制作
  第4章 コンテンツへの愛は皆無
  第5章 被害に遭ったクリエイターたち
 第2部 ネットはもはやマスメディア
  第6章 ネットに頼るマスメディア
  第7章 ネットメディアの集金構造
  第8章 自浄作用を示したネットメディア
 終章 あなた自身もクソメディア?

この本から何を活かすか?

本書の「ネットと上手く付き合う10カ条」
の中で、私が気になったのは次の内容です。

  「クソサイト独特の文体や記事の長さ、
  ページ構成を理解せよ」

トレンドは変わるようですが、2017年時点では
以下のような特徴のサイトが要注意。

  「ですます調」
  「曖昧結論」
  「ターゲットの様々な点を網羅」
  「目次あり」

これらのいずれの条件にも合致すれば、
クソサイトと認定して良いようです。

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| IT・ネット | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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シンギュラリティ・ビジネス

満足度★★★★
付箋数:24

2016年頃から「シンギュラリティ」という
言葉を聞く機会が増えてきました。

シンギュラリティとは、「技術的特異点」のこと。

日本では孫正義さんが、社長を続投する理由
としてシンギュラリティを挙げたことで
注目されました。

このシンギュラリティについて、
「AIが人類の頭脳を追い越すポイント」だと
理解している人が少なくないようです。

しかし、これは正しい定義ではありません。

もともとシンギュラリティという言葉を
定着させたのは、AIの世界的権威にして
天才未来学者のレイ・カーツワイルさんです。

カーツワイルさんが2005年に発表した著書、
The Singularity Is Near』、
(邦題『シンギュラリティは近い』)の中で
シンギュラリティについて語っています。

シンギュラリティは2045年に起こると。

このシンギュラリティを理解するために、
もう1つ重要となるキーワードがあります。

それは、「エクスポネンシャル」。
「指数関数的」を意味する言葉です。

これは倍々ゲームで増える現象を
考えるとイメージできます。

倍々ペースで物事が増加する勢いは
紙を折ったときの厚さの話が、
よく知られています。

厚さ0.1ミリの紙を二つ折り、さらに二つ折り
と繰り返していくと、通常、8回くらいが
限界になります。

この時点で、ペラペラだった紙の厚さは
辞書並みになっています。

現実的には不可能ですが、これをもっと
繰り返して51回折ると、その厚さは、
地球から太陽までの距離と同じになります。

グラフにすると、最初はしばらく寝ていて、
急に立ち上がる「ホッケースティック」型が
エクスポネンシャルの特徴です。

カーツワイルさんが語るシンギュラリティは、
ホッケースティックの先が急に曲がるように、
テクノロジーの進化のスピードが無限大に
近づくことを言います。

これまでの進歩の継続性を断ち切るように、
急にテクノロジーが無限大の加速度で
進化するようになるのです。

では、具体的にシンギュラリティでは、
何が起こるのか?

実は、カーツワイルさん自身も、これまで
人類が経験してきた時系列とは非連続の
進化であるため「予測できない」と
告白しています。

  「シンギュラリティなどありえない、
  少なくとも2045年などどいうごく近未来には
  現実不可能―そのように、シンギュラリティ
  に対して懐疑的な研究者も少なくありません。
  ですが、いまを生きる私たちにとって、
  シンギュラリティが本当に起こるか否かは、
  それほど重要ではないと私は考えます。
  シンギュラリティが到来しようがしまいが、
  テクノロジーがそこへ向かって、
  エクスポネンシャルに進化していることは、
  まぎれもない現実です。だったら自分たちが
  そこにどう対応していけばよいのかを、
  考えるべきではないでしょうか。」

本書は、シンギュラリティに向かう流れの中で、
企業は何をすべきか? 人はどうすべきか?
について考える本です。

著者は、エクスポネンシャル・ジャパン
共同代表で、米国のシンギュラリティ大学にも
参加経験のある齋藤和紀さん。

2045年を先取りして、ビジネスチャンスを
モノにするためには必読の書です。

巻末には人工知能学者の中島秀之さんと
齋藤さんとの対談も掲載されています。

この本から何を活かすか?

ソーラーパネルの技術がエクスポネンシャルに
進化すると、エネルギー価格が限りなくゼロに
近くなります。

そうすると、水不足の問題も、地球温暖化も
食料不足の問題もなくなります。

人が「働かなくてもいい社会」が到来する
可能性があるのです。

働かなくよくなった人間は、どのようにして
尊厳を保つのか?

本書では、シンギュラリティが到来した後の
人間の心理的な問題についても言及してます。

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| IT・ネット | 07:16 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

満足度★★★★
付箋数:27

私は、これまで人工知能に関する本を
少なくとも20冊以上は読んできました。

本書は、その中でもトップクラスで
面白い本です。

最先端の人工知能の仕組や将来性について、
わかりやすく解説されている本は他にも
ありましたが、ここまでのリアルなドラマが
語られている本はありませんでした。

本書の著者、山本一成さんは、プロ棋士に
初めて勝利した最強の将棋プログラム
「ポナンザ」の作者です。

本書は山本さんにとって初の著書です。

今から10年前、山本さんが東大の将棋部に
在籍しているときに、ポナンザのプログラム
を作り始めました。

一番最初のポナンザはとんでもなく弱い
将棋プログラムだったようです。

それは山本さんが八枚落ちでポナンザと
戦っても、勝ってしまうほどでした。

ちなみに、山本さんはアマチュア五段なので、
アマチュアの中ではかなり強い部類の
実力を持っています。

とは言え、八枚落ちとは「玉」以外は
「歩」と「金」しか駒がない状態です。

これだけのハンデでをポナンザが
もらっても勝てないほどだったので、
ずいぶん弱い将棋プログラムだった
ことになります。

それから、ポナンザは「機械学習」を
導入して、驚くほど強くなっていきます。

機械学習とは、最初からプログラムの中に
答えを用意しておくのではなく、
コンピュータ自身が学んでいく手法です。

最近よく耳にする、ディープラーニングも、
この機械学習の中の1つの手法です。

  「ポナンザを作り始めて2年ほど経った日
  でしょうか。とうとう私は負けてしまいました。
  前述のとおり、私の将棋の強さはアマチュア
  五段です。アマチュア最強レベルとかでは
  ありませんが、相当強いです。
  その私が負けました。
  これほどくやしさ、そしてそれをはるかに
  上回る喜びを私は味わったことはありません。
  普通、人間は自分が作ったものが、
  知的な意味で自分を上回る経験はできません。
  唯一の例外があるとしたら、それは子供を
  成長させることでしょうか。ポナンザは
  私の子供で、そして私を超えたのです。」

その後もポナンザは驚くべきスピードで
強くなっていきます。

そして迎えた2013年3月30日。

この日は、現役のプロ棋士がコンピュータに
敗れるという将棋の世界、そして日本の
コンピュータ科学にとって、重要な日に
なりました。

ポナンザが電脳戦で、佐藤慎一四段(当時)
に勝利したのです。

  「対局が終わり、そのあとすぐに記者会見が
  おこなわれました。記者会見のときの雰囲気
  は正直ゾッとするようなものでした。
  異様に沈んだ雰囲気。まさにお葬式と同じ
  空気でした。それも不思議ではなく、
  その日はプロ棋士の絶対神話が死んだ日
  だったのです。」

この時の様子も、ポナンザ作者の山本さん
だからこそできる描写です。

ポナンザはその後も強化学習を繰り返し、
単に強くなっただけでなく、人間同士では
ありえないとされてきた新戦法を編み出す
ようになりました。

それは「ポナンザ流」と呼ばれプロ棋士からも
認められる指し手となります。

そして、2017年4月1日には現役の名人、
佐藤天彦九段にもポナンザは勝利します。

こうしたドラマの部分は実は本書の中では
オマケに過ぎません。

本書では、ポナンザ、そしてアルファ碁を
題材に人工知能の仕組みを解説しながら、
知性とは何か、知能とはなにかについても
考察していきます。

本書は人工知能本の中では、読んで損のない、
オススメの一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

知性と知能の違いについて、本書での定義は
次のようになります。

 知性=目的を設計できる能力
 知能=目的に向かう道を探す能力

  「今の人工知能は、 “知能” の枠内では
  人間を超えようとしていますし、一部の
  分野では完全に超えました。
  しかし、 “そもそも、何をすべきか?” 
  という目的を設計できる能力=知性は、
  まだ持ち合わせていません。
  そうした目的は、人間が設計しなければ
  ならないのです。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| IT・ネット | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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