活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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大前研一 IoT革命

満足度★★★
付箋数:20

  「IoT(Internet of Things)とは、
  センサーを組み込まれた通信機能をもった
   “モノ” がインターネットによって
  あらゆるモノとつながるようになった
  状態を指す。
  私がIoTと関わるようになったのは、
  まだIoTという言葉も存在していなかった
  2000年頃だ。
  USWest会長だったソル・トルヒーヨ氏が
  サンディエゴの全米初のM to M(Machine to
  Machine)の会社を立ち上げ、私はそこの
  社外取締役として加わったのである。」

本書は、IoT革命について大前研一さんが
網羅的に解説した本です。

但し、大前さんが書いているのは第1章のみで、
第2章は村井純さん、第3章は島田太郎さん、
第4章はヴェルナー・ケストラーさんが
担当しています。

  「IoTといえば、なにかハイテクで非常に
  難しいことといった印象を持つ人もいるだろう。
  だが、要するに、オリジナルデータを集めて、
  プロセシングし、結果から意味を引き出す
  という一連の流れを、機械同士で担わせる
  ということなのである。いまはInternet of
  Everything、すべてのものがネットでつながる
  時代なので、発振子とセンサーがあれば
  それらが可能になるのだ。」

表面的な現象を見るのではなく、本質を捉えて、
そこに過去の自分の経験を加えて説明するのが
いかにも大前さん的です。

大前さんのパートは、全部で50ページ程で、
最初の約20ページでIoTの全体像を語り、
残り30ページで事例を紹介しています。

充実しているのはこの事例のパート。

先進国の製造業におけるIoTの取り組み、
22事例が紹介されています。

ドイツのインダストリー4.0、
米GEのインダストリアル・インターネット、
コマツのKOMTRAXとKomConnect、
クボタのKSAS、ウエザーニューズ、
仏ミシュランのサービスとしてのタイヤ
などなど。

私が個人的に知りたかった自動車については、
「車の自動運転と高度交通システムの新しい形」
としてヴェルナー・ケストラーさんが
解説していました。

高齢になっても、生活するために車の運転が
どうしても必要な人たちがいるため、
高齢者の自動車事故がニュースになることも
多くなっています。

歳をとって自分で運転するのが困難になっても、
完全な自動運転が実現していれば、自動車事故
などの問題は解決します。

こらからの高齢化社会においては、
自動運転の技術が必要だと思います。

将来的に完全な自動運転が実現すれば、
自動車運転免許さえもいらなくなるかも
しれません。

  「自動運転においては、二つのビジネスモデルが
  考えられます。一つ目はメルセデス、BMW、
  トヨタなど従来の自動車メーカーが取り組んで
  いる、自社で生産する車に自動運転の機能を
  装備して販売するというビジネスモデル。
  二つ目は、モビリティのプロバイダーが、
  サービスを展開する手段である自動車に、
  自動運転機能を付け加えるというモデルです。」

例えば、話題になっているUberは、
移動したい人とそれを手伝いたい人を
マッチングするプラットフォームを提供する
ビジネスを行っています。

自社の営業用の車は1台も持っていません。

現在のUberの最大の悩みは、移動手段として
車を利用したい人の需要に、車とドライバーの
供給が追いついていないことです。

自動運転が可能になれば、ドライバー不足
というUberの問題も一気に解決します。

本書は、IoTについて一から始めて全体感を
掴むには、ちょうどいい本だと思います。

ただし、ある程度IoTについて知っている方に
とっては、少し物足りなく感じるかもしれません。

この本から何を活かすか?

労働時間から見た購買力平価GDPを比較すると、
ドイツは日本の1.5倍あるそうです。

日本人が1時間働いて100円儲けているのに対し、
ドイツ人は同じだけ働いて150円儲けている
ということです。

この違いは、いったいどこからくるのか?

本書のなかで、ドイツに在住経験のある
島田太郎さんは次のように説明しています。

  「ドイツでは、あらゆることが標準化されて
  います。そのため対応は規則的で、こちらの
  事情などおかまいなし。片やおもてなし文化の
  日本では、かゆいところに手が届くという
  表現もあるくらい臨機応変なサービスを、
  するほうもされる方も当然だと思っています。
  そのため、日本は非常に快適に暮らすことが
  できる半面、多くの無駄が生まれている。
  だから、生産性が低いのも当然です。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| IT・ネット | 10:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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知の進化論

満足度★★★
付箋数:22

中世以前、「知識」は一部の特権階級やギルド
によって排他的に保有されるものでした。

つまり、知識は隠匿によって価値を持ったのです。

しかし、ヨーロッパにおいては15世紀に
ヨハネス・グーテンベルクさんによって
活版印刷が発明されたことで状況は一変します。

知識伝達と拡散コストが低下した結果、
広い範囲の人が知識を得られるようになりました。

ここで知の独占体制を崩し、知識を万人に
広げるうえで大きな役割を果たしたのが
「百科全書」が編纂されたことでした。

その後、何世紀もの間、紙が知識を伝える
媒体の主役に鎮座していましたが、
20世紀に入ってから電気的な通信手段の発達
などで、その状況が根本的に変わりました。

1990年代以降、インターネットが広く使われる
ようになり、それまでの知識に対する概念さえ、
大きく変わることになったのです。

  「知識は隠匿するものでなく広めるもの。
  知識は有料で提供するものでなく、
  無料で広めるもの」

技術が進歩することによって知識に対する
考えが大きく変わりましたが、同時に大きな
ジレンマを抱えることにもなりました。

多くの人に情報を読んでももらうためには、
タダで発信しなくてはいけない。

しかし、情報を無料で提供してしまえば、
情報生産コストが回収できなくなる。

その結果、発信される情報の質は低下する。

私たちは、この問題に対して十分な解決策を
見出していない状況ですが、更なる情報技術の
進歩によって、次の変革が迫っています。

それは人工知能の発達することによって、
人間が行う知的活動の多くが人工知能で
代替されるようになりつつあることです。

この人工知能の進歩は、知の退化させる
危険性を孕んでいます。

人々は、レコメンデーションに操作され、
以前より主体的判断力を失っています。

更に、レコメンデーションなどによって、
知らず知らずのうちに人間の行動が
コントロールされてしまう危険性があります。

人工知能サービスを提供できる主体が
一部の大企業に限定されてしまう危険性も
あります。

いわゆるビックデータの利用を前提とした
人工知能は、ごく少数の企業しか活用
できないのです。

果たして、人工知能を中心とする情報技術の
革新はユートピアを実現するのか?

または、SFで見られるように人工知能が
コントロールを失って、人間を支配するような
ディストピアが訪れるのか?

本書では、ギルドによって知識が独占
されていた時代から、現代までの進化を
丹念に振り返り、これからの時代を生き抜く
指針を示します。

著者は「超シリーズ」など多くのベストセラー
を執筆し、現在は早稲田大学ファイナンス
総合研究所顧問を務める野口悠紀雄さんです。

本書は未来を見通すために、これまでの歴史を
振り返る本の典型で、いろいろと考えさせられる
ところがあります。

 第1章 かつて知識は秘密にされていた
 第2章 百科事典は知識を万人に開放した
 第3章 インターネットで情報発信者が激増した
 第4章 検索という方法論
 第5章 SNSやキュレイションで
    情報拡散スタイルが変化
 第6章 知識は秘匿すべきか? 公開すべきか?
 第7章 人工知能の進歩で知識への需要は
    どう変わるのか?

この本から何を活かすか?

  「紙の本には、様々な問題がありました。
  電子書籍はこれらの多くに解決策を与えて
  くれます。」

野口さんが、紙の本の問題点として
挙げていたのは次の2点です。

1つ目は、場所をとること。

これは大量の本を読んだり所有する人に
とっては避けて通れない問題でした。

2つ目は、絶版や在庫切れがあること。

出版されてから時間が経過した本が、
手に入りづらくなることも大きな問題でした。

ただし、紙の本のにもメリットはあるので、
電子書籍に完全に駆逐されてしまうことは
ないでしょう。

紙の本と電子書籍のそれぞれのメリットを
考えて、どちらかまたは両方を選択できる
環境が望ましいですね。

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| IT・ネット | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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SNSマーケティングのやさしい教科書。

満足度★★★
付箋数:18

パソコンからのインターネットユーザー数は
減少傾向を示しているのに対し、スマートフォン
からのインターネットユーザー数は増加傾向を
示しています。

しかも、スマートフォンユーザーの約92%は
SNSを利用しているという調査結果もあり、
企業でもマーケティングでSNSを活用したい
とのニーズが高まっています。

しかし、実際にSNSを効果的に活用している
企業はそれほど多くありません。

  「導入や活用が困難な理由として、SNS自体の
  複雑さや、頻繁に行われるバージョンアップ、
  新サービスのリリースなどが挙げられます。
  新たな使い方を習得しても実践してみないと
  わからないケースが多々あるため、既存の
  広告サービスと違い効果予測が難しく、
  精度を向上させるためには社内のノウハウを
  蓄積していく必要があります。また、ユーザー
  と企業が直接コミュニケーションできる
  ネットワークが急激に普及したことにより、
  ユーザーと企業がお互いにコミュニケーション
  を取る適切な方法も、手探りの状態といえる
  でしょう。」

本書はこうした問題を解決して、企業が
SNSマーケティングを導入するための
教科書です。

読み物ではなく、完全な「手引書」。

著者は、SNSマーケティングで実績のある
株式会社グローバルリンクジャパン
取締役の清水将之さんです。

SNSマーケティングが注目されはじめた頃、
SNSを新しい販路の1つと考える企業が
多くありました。

「SNSを活用すれば売れる」という思い込みも
一部にあったようです。

しかし、SNSを活用したから売れるというほど、
単純なものではありません。

目的意識が曖昧なまま、SNSを使っても、
焦点はぼやけたものとなり、効果はあまり
期待できないのです。

SNSマーケティングを効果的に活用するには、
目的を明確に設定することが必須です。

なぜなら、目的によって効果の高い
SNSが異なるからです。

SNSマーケティングの主な目的は、
ブランディング、集客・販促、ユーザーサポート
などがあります。

本書では、目的ごとにSNSを以下のように
使い分けることを推奨しています。

ブランディング向きのSNSは、Facebook、
Instagram、Youtubeなど。

集客・販促向きのSNSは、Facebook、
Twitter、LINEなど。

ユーザーサポート向きのSNSは、Facebook、
Twitterなどが挙げられます。

いずれの目的にもFacebookは適しているため、
初めてSNSマーケティングを導入する場合は、
Facebookから始めるのが一般的でしょうか。

Facebookでは、企業向けの「Facebookページ」
を利用することで、ビジネスに最適な運用が
可能です。

また、企業の業種や扱う商材によっても
SNSマーケティングの効果が違うことを
知っておくといいようです。

ファストフード、コーヒー、宅配などの
低価格で身近なサービスや商材は、
SNSマーケティングが消費行動に
結びつきやすい傾向があります。

一方、自動車・二輪車などのような
購入までのリードタイムが長く高価な商材は、
効果が得られにくいようです。

本書はSNSマーケティングを検討している
企業にとっては頼りになるガイドだと思います。

 CHAPTER1 SNSマーケティングとは
 CHAPTER2 Facebookマーケティング
 CHAPTER3 Twitterマーケティング
 CHAPTER4 Instagramマーケティング
 CHAPTER5 その他のマーケティング
 CHAPTER6 SNSマーケティングの分析と改善
 CHAPTER7 SNSマーケティング活用事例

この本から何を活かすか?

効果的なコンテンツを発想するための
5つのヒント

  1. 大きくする
  2. 小さくする
  3. 範囲を拡大する
  4. 制限する
  5. 場所を変える

本書で挙げられているのは、斬新なアイディアを
生み出す方法というよりは、普通のアイディアでも
視覚的に面白く見せる方法です。

同じコンテンツでも、少し見た目を変えるだけで、
与える印象はまったく違うものになります。

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| IT・ネット | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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さよならインターネット

満足度★★★
付箋数:20

  「 “TwitterもFacebookもやる必要を感じない、
  LINEだけでいいんです” なんて言ううちの
  インターン(20)が、 “家入さんは
  『インターネットが大好き』とよく言うけれど、
  ぼくにはその意味がわからないんです。
  なんだか『ハサミが大好き』って言っている
  みたいで” と言ってて震撼」

家入一真さんがTwitter上でこんな “つぶやき” 
をしたところ、大きな反響を読んだそうです。

常時接続が当たり前になり、スマホのアプリで
インターネットにつながっている時代ですから、
「今インターネットにつながっている」という
意識は希薄になりました。

  「ちょっと空いた時間に “Twitter” や
  ニュースアプリをチェックして、そこに
  貼られたURLをタップして情報を得る、
  といった一連の動きについて、その動線は
  あまりに自然です。そのため、今
  インターネット上のどこに自分がいるか、
  なんてことをまったく理解しないまま、
  処理を終えることが増えたのではないで
  しょうか。」

このような状態のことを家入さんは、
インターネットが「輪郭を失った」と
表現しています。

この感覚は、常時接続しか知らない世代と、
その前の時代からネットを利用していた
世代では大きく違うでしょう。

特に、私のように電話回線を介して、
ダイヤルアップでインターネットに
接続していた「ピーヒョロロ」の世代に
とっては、「インターネットがハサミ」
とは、思いもよらない言葉でした。

もはや空気のような存在になった
インターネット。

しかし、繋がりすぎた結果、
「LINEの既読」がわかるように、
お互いが常に監視された状態にあり、
息苦しさも蔓延しています。

こんな時代だからこそ、本書は消えてしまった
インターネットの「輪郭」を取り戻す旅へ
と出かけることを提案します。

  「この本を通じて行いたいことは、
  大きく以下の二つです。
  一つ目はインターネットのおかげで
  誰もが情報発信できるようになった世界で、
  かつて抱いた “何者にでもなれる” 
   “世界の中心にでもなれる” という夢は
  どこまで果たされたか、ということの検証。
  そして二つ目が、輪郭を失う世界と
  向き合ってきた自分の経験や考えから
  導き出す、その未来像の探求です。」

家入さんの過去20年のインターネットとの
関わりを振り返りながら、未来像を考えます。

本書は世代によって、評価が別れる本だと
思います。

30代以上の方にとっては、本書の内容は、
感慨深いものがあるはずです。

しかし、インターネットをハサミと同じ
道具の1つと考える世代にとっては、
「一体、何を言っているのだろう」
という感覚なのかもしれません。

もしくは、既に歴史の教科書を読むのと、
同レベルなのかも。

  第1章 やさしかったその世界
  第2章 さよならインターネット
  第3章 輪郭が失われた世界
  第4章 インターネットは「社会」の
     何を変えたか
  第5章 インターネットは「私たち」の
     何を変えたか
  第6章 ぼくらはインターネットの輪郭を
     取り戻せるのだろうか

この本から何を活かすか?

パノプティコン化したインターネット
家入さんは、東京五輪のエンブレム騒動で、
多くの人がパクリを摘発する側に周った
状態を「パノプティコン化」と表現しています。

パノプティコンとは、イギリスの哲学者、
ジェレミー・ベンサムさんが設計した
刑務所施設の構想。

日本語では、「全展望監視システム」と
訳されるようです。

パノプティコンの監房は、円形に配置されて、
入り口は円の中心に向かっています。

その中央に監視塔があり、看守からはいつでも
監房を見ることができ、逆に監房からは逆光や
鎧戸によって監視塔が見えない仕組み。

実際に監視されているのかどうかによらず、
囚人は常に監視されている意識を持ちます。

ジョージ・オーウェルさんの『一九八四年』に
近い世界観がありますね。

インターネットは「Big Brother is watching
you」の状態に、なっているのでしょうか。

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| IT・ネット | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊

満足度★★★
付箋数:23

  「機械が人々の雇用を順調に奪っていくと、
  今から30年後の2045年くらいには、
  全人口の1割ほどしか労働していない社会に
  なっているかもしれません。(中略)
  少し細かいことを言っておくと、残りの9割の
  中にも仕事をしている人はいるでしょうが、
  ちょっとしたバイト程度だったり、
  フルタイムの仕事でも生活するには
  とても足りない額しか稼げていないという
  有様です。(中略)
  要するに、2045年には、内実のある仕事をし、
  それで食べていけるだけの収入を得られる
  人が1割程度しかいない可能性がある、
  ということが私の主張の意味するところです。」

このように主張するのは、本書の著者で、
人工知能と経済学の関係を研究する
パイオニアの井上智洋さん。

このシナリオでは「汎用人工知能」が、
2030年頃には実現することが前提と
なっています。

汎用人工知能とは、人間のように「様々な」
知的作業をこなすことのできる人工知能。

これは今の世の中にある「特化型人工知能」
と区別されています。

SiriはiPhoneなどを操作することに特化し、
将棋の人工知能は将棋することだけに
特化しています。

この特化型人工知能の普及がもたらす影響は、
自動改札機などの機械が登場した時と、
質的にはほとんど変わりません。

人間が特化型人工知能に仕事を奪われても、
別の人間にしかできない仕事に転職する
余地が残されているからです。

しかし、1つの目的だけに限定されない
汎用人工知能が実現して普及すると、
人間に可能な知的振る舞いを一通り
こなすことができるので、転職するという
逃げ場がなくなってしまうのです。

つまり、汎用人工知能は多くの労働を
消滅させてしまい、経済の構造を根本的に
変革することになるのです。

汎用人工知能の普及によって訪れる世界は、
ユートピアなのか?

それともディストピアなのか?

  「それはどのような未来を私達自身が
  選びとるかに掛かっています。
  ユートピアにするには、恐らくは現在の
  社会制度のあり方を大きく変革しなければ
  ならないでしょう。
  汎用人工知能が普及した世界にぜひとも
  導入すべきだと私が考えているのは、
   “ベーシックインカム” です。」

ベーシックインカムのような社会保障制度が
なければ、汎用人工知能がもたらす未来は、
ごく一部の人だけが豊かになるので、
大半の人にとってはディストピアになる。

しかし、ベーシックインカムが導入されて
いれば、あらゆる人が遊んで暮らせる
ユートピアになるというのが、
本書のメインとなる主張です。

ちなみに、ベーシックインカムは、
収入の水準に拠らず全ての人に無条件に、
最低限の生活費を一律に給付する制度。

この「財源」について、井上さんは
次のように述べています。

  「新たな政策を導入する際には常に
  その財源が問われますが、およそ愚かしい
  ことだと思います。 “財源は限られている”
  という言い方がありますが、財源は
  限られてなどおらず増税すれば良いだけの
  話しです。」

人工知能に詳しい経済学者という
井上さんならではの未来予想図が、
なかなか興味深い本でした。

この本から何を活かすか?

  「仮に、AIの発達によって経済や社会の
  あり方が根本的に変革されることを
  シンギュラリティと呼ぶならば、2045年までに
  それは起きる可能性があると思います。
  とはいうものの、私はカールワイツや
  その他の論者が言うようなシンギュラリティが
  2045年辺りに起きると展望しているわけでは
  ありません。」

シンギュラリティとは、技術的特異点のことで、
人工知能が人間の能力を超えることで起こる
出来事のこと。

加速度的に伸びているコンピュータの
処理速度ですが、井上さんは、汎用AIが開発
されることは予想するものの、2045年までに
人類の知能を超えることには懐疑的です。

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| IT・ネット | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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