活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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目に見える世界は幻想か? 物理学の思考法

満足度★★★
付箋数:23

  「この世を可能な限り理解したい、
  その心が物理学の研究を進めてきた。
  本書で最も伝えたかったことは、
  この世界が人間の常識的な感覚で
  思うようなものにはなっていない、
  という事実だ。
  これまでの思考法が通用しないとなると、
  苛立ちを覚えたり悲しい気持ちになったり
  するが、それは次へ進むために必要な
  スプリングボードだ。逆境から立ち上がると、
  それまでに見えていなかった地平が
  見えてくる。物理学の紆余曲折には、
  そうした要素が満ち溢れていて、
  読者が生きていく上においても、
  なんらかのヒントになってくれるのでは
  なかろうか。」

本書は、主に文系の方向けに書かれた
物理学の入門書です。

物理学とはどのようなものなのか、
数式だけでなく難しい図表も一切使わず、
ひたすら言葉だけで説明しています。

著者は、名古屋大学大学院理学研究科
准教授の松原隆彦さん。

松原さんは、これまで『宇宙に外側はあるか』、
宇宙はどうして始まったのか』など
宇宙関係の本を多く執筆してきました。

しかし、今回、物理学の入門書を書こうと
思ったのは、理学部以外の一般の学生には、
物理学があまりに強い拒否感を
持たれているからです。

学生時代にわけのわからない計算をさせられ、
物理学の本当の面白さを知る前に、
物理学を嫌いになっていく人が多い。

そんな状況を憂えて、本書は執筆されました。

ところで、なぜ、物理学では、非現実的な
状況を設定して、よくわからない計算を
するのでしょうか?

例えば、「空気抵抗を無視して、
ものを投げたら、どこに落ちるか」
などの計算です。

そんな現実的にありもしない場合だけ考えて、
何の役に立つのかと、考えた方も多いはず。

  「物理学の本質は、複雑で予測不可能にも
  思える現実の現象について、そこに秩序を
  見出すことにある。複雑なものを複雑なまま
  理解しようとしても、途方に暮れてしまう。
  そこで、まずは複雑な現象を単純な要素に
  分解することが有効なのだ。(中略)
  空気抵抗を無視するという理想化を行うと、
  放り投げた物体の運動が単純な法則で
  理解できるのである。」

本書では、近代物理学の誕生の経緯、
そして物理学に大きな革命をもたらした
量子論と相対論の成り立ちを見ていきます。

人間の目に見える世界は、本当の世界なのか?
見えない部分には、一体、何があるのか?
人間は、この世界でどのような存在なのか?

現代の物理学の成り立ちを学びながら、
こうした根源的な問にも答えていきます。

  第1章 物理学の目的とは何か
  第2章 天上世界と地上世界は同じもの
  第3章 すべては原子で作られている
  第4章 微小な世界へ分け入る
  第5章 奇妙な量子の世界
  第6章 時間と空間の物理学
  第7章 時空間が生み出す重力
  第8章 物理学の向かう先

目に見えない部分、常識に反する部分の
最たる分野は量子力学です。

本書では、量子力学についても、
平易な言葉で丁寧に説明されていますから、
これまであきらめていた方でも、
概要を理解できると思います。

わかりやす表現で書かれていますが、
内容は深いので、理系の方が読んでも、
十分楽しめる本です。

そして、理系の方が読むと、よく言葉だけで
説明し切ったなと、感心することでしょう。

この本から何を活かすか?

「量子力学」が理解しにくいのは、
実は物理学の素人に限ったことではなく、
専門家の間でも大差はないようです。

  「現代の科学者の多くは、量子力学の
  意味について深く考えることを避けている。
  その努力が有用な結果を生まないことを、
  先人たちは学んでいるからだ。
  こうした問題にはまりそうになると
  科学者によく言われるフレーズがある。
  それは、 “黙って計算しろ!” 
  というものだ。」

このスローガンのもと、量子力学に基づいて
物理学は大きく発展してきたようです。

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| 科学・生活 | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本列島100万年史

満足度:★★★
付箋数:23

NHK総合テレビで2008年から
放送されている人気番組「ブラタモリ」。

町歩きの達人・タモリさんが、ブラブラ
歩きながら、知られざる町の歴史や
人々の暮らしに迫る、探索バラエティです。

タモリさん独自の視点で街歩きを行い、
町に残された痕跡に出会いながら、
新たな魅力や歴史を再発見しています。

一見、地味そうに見える番組ですが、
タモリさんの目のつけ所と博識ぶりに、
「私もタモさんと一緒に散歩してみたい」
とファンを唸らせています。

本書は、そんなタモリさんに近づくための一冊。

  「幸いなことに、最近ではタモリさんが
  出演するテレビ番組 “ブラタモリ” などの
  おかげで、地形を見てそのでき方や発達史
  などに興味を持つ方が増えてきました。
  本書では、そのような方々のお役に立とうと、
  日本各地のさまざまな地形がどのように
  作られてきたかを分かりやすく説明して
  いきます。日本列島の成り立ちを単なる
  紙の上の知識ではなく、それぞれの経験に
  照らしながら理解していただこうとする
  ものです。」

ブラタモリに便乗と言えばその通りですが、
そこはブルーバックスですから、
専門家による研究をわかりやすく紹介し、
しっかりとした地形発達史の本に
仕上がっています。

本書では、おもに100万年前以降を中心に、
複雑な地形に富んだ日本列島の成り立ちを
解き明かします。

私たちが見慣れた景色の足元に隠された、
壮大な物語の世界へ導いてくれます。

著者は、首都大学東京の名誉教授である
山崎晴雄さんと、早稲田大学教授の
久保純子さんのお二人。

 第1章 日本列島はどのようにして形作られたか
 第2章 北海道
  2・1 大雪山と氷河期
  2・2 石狩平野と泥炭地
 第3章 東北
  3・1 三内丸山遺跡と縄文海進
  3・2 奥羽山脈と三陸リアス海岸
 第4章 関東
  4・1 関東平野はなぜ広いのか
  4・2 武蔵野台地と東京低地
  4・3 天下の険、箱根火山
  4・4 御殿場泥流と足柄平野
 第5章 中部
  5・1 富士山はどうして美しいのか
  5・2 日本アルプスと氷河
 第6章 近畿
  6・1 近畿三角帯-京阪神と中京の地形
  6・2 神戸と兵庫県南部地震
 第7章 中国・四国
  7・1 西南日本と南海トラフ
  7・2 瀬戸内海と中国地方
 第8章 九州
  8・1 九州シラス台地

全国を7つの地区に分けて2テーマで
掘り下げます。

関東のみ4テーマなのはわかりますが、
九州だけなぜか1テーマでした。

それぞれの地区で、現在の複雑な地形は
どのようにしてできたのか、
自然史を遡り見ていきます。

全体的にはプレートや地震についての
解説が多くなっています。

タモリさんの軽妙なトークと比較するのは
酷かもしれませんが、個人的にはもう少し
現在の日常から入って、地形発達史の
解説をして欲しかったところです。

この本から何を活かすか?

  「(大雪山の)高山帯の中の岩がごろごろ
  した場所で、 “ピチッ” という鳥のような
  鳴き声が聞こえたら、それはナキウサギ
  (エゾナキウサギ)です。
  体長20センチメートル弱の耳の丸い茶色い
  ウサギで、見た目は大きなハムスターの
  ようですが、前足で物を持たないので、
  れっきとしたウサギです。」

私は3年に1度くらいのペースで大雪山系の
山に登りますが、以前はよく見かけた
エゾナキウサギを、ここ10年くらい
見た記憶がありません。

あらためて調べてみると、エゾナキウサギは
準絶滅危惧種に指定されていました。

個体数が減っているようなので、
今後も出会える機会はそれほど多くない
のかもしれません。

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| 科学・生活 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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生命科学の静かなる革命

満足度:★★★
付箋数:22

  「生命科学とは本来、医学の下僕ではなく、
  新しい産業にシーズを与えるべく推進される
  ものでもない。社会利益に直結する研究は
  科学の意義を問ううえで重要な一側面では
  あるものの、本質ではないのだ。
  生命科学の本質は、生命とはいかなるものか、
  生命とはいかにして生命たりえているのか、
  そのHOWを解き明かす営みにあるはずだ。」

最近の生命科学の研究者たちは、
目先の実益や目に見える結果を
重視し過ぎる傾向にある。

研究者は失われた矜持を取り戻して、
純粋な探求者として、原点に返って欲しい。

本書は、福岡伸一さんのそんな危機意識に
よって書かれた本です。

福岡さんは京都大学で博士課程終了後、
1988年7月から米国ニューヨーク市にある
ロックフェラー大学の分子細胞生物学研究室
にポスドクとして籍を置きました。

ロックフェラー大学は、生命科学分野の
スター研究者が名を連ねる大学院大学です。

これまで在籍したノーベル賞受賞者は
25人います。

その数こそ、ハーバード大学やコロンビア大学
には及ばないものの、生物学・医学分野へは
計り知れないほどの貢献をしています。

AOB式血液型を発見して1930年に
ノーベル生理学・医学賞を受賞した
カール・ラントシュタイナーさん。

ウィルスの正体が核タンパク質であることを
証明し、1946年にノーベル化学賞を受賞した
ジョン・ノースロップさん。

ロックフェラー大学は、このような現代医学の
基礎となる大発見をした研究者も所属した
生命科学の殿堂とも言える研究施設です。

本書では、その偉大な先人たちの偉業を
振り返りながら、生命科学における研究者
としてのあり方を考え直します。

同大学には現在でも5人のノーベル賞
受賞者が現役で所属しています。

本書では、そのノーベル賞受賞者3名を含む、
5名の研究者との対談も収録。

  第1章 生命科学は何を解明してきたのか?
  第2章 ロックフェラー大学の科学者に訊く
  第3章 ささやかな継承者として

ロックフェラーの偉大な先人の中でも、
福岡さんがとりわけ熱く語るのが、
最初の分子生物学者、免疫化学の創始者
とも言われるオズワルド・エイブリーさんです。

エイブリーさんのDNAが遺伝子の実体である
という発見は、ジェームズ・ワトソンさんと
フランシス・クリックさんのDNAの二重らせん
構造の発見へとつながります。

  「ロックフェラー大学に古くから
  所属している研究者に
  エイブリーのことを語らせると、
  そこには不思議な熱がこもる。
  誰もがエイブリーにノーベル賞が
  与えられなかったことを科学史上最も
  不当だと語り、ワトソンとクリックは
  エイブリーの肩に乗った不遜な子どもたち
  にすぎないという意見も少なくない。
  皆がエイブリーを自分に引き寄せて、
  自分だけのヒーローにしたがる。」

福岡さんにとっても、エイブリーさんは、
時代は違えど同じ場所で研究したことを
誇りに思うほどのヒーローなのです。

本書を読むと、理系・文系を問わず、
生命科学が非常にキラキラとしたものに
感じられることでしょう。

本書には、ベストセラーになった
生物と無生物のあいだ』を執筆した後に
判明した新発見についても語られていますが、
同書の続編という位置づけではありません。

この本から何を活かすか?

福岡さんが5名の研究者との対談を通じて
知りたかったことが2つあります。

1つは、「生命とは何か」という問いの答え。

もう1つは、論文や教科書には書かれていない
研究者たちの原体験やパーソナリティーに
関すること。

この2点を意識して、本書の対談を読むと、
福岡さんと同じ気持ちで、5名の研究者の
話を聞くことができそうです。

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| 科学・生活 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イノベーションはなぜ途絶えたか

満足度:★★★★
付箋数:28

近年、日本人の自然科学部門でのノーベル賞
受賞者が毎年のように出ています。

このニュースを聞いて「日本の科学って凄いな」
と思った方も多いかもしれません。

しかし、ノーベル賞受賞が増えてることに反し、
実は、「日本の科学は危機に瀕して」います。

そもそも、ごく少数の例外を除いて、
ノーベル賞受賞は、20年以上前の研究成果に
対するものです。

日本の科学から連なるサイエンス型産業は
衰退の一途をたどり、かつて「科学立国」、
「技術立国」と呼ばれ、世界をリードしてきた
日本は、その存在感を急速に失っています。

特に、今世紀に入ってから日本のお家芸だった
半導体や携帯電話などのエレクトロニクス産業の
競争力は急落し、医薬品産業も2000年初頭に
日本は国際競争から脱落してしまいました。

これは、日本のハイテク産業からイノベーション
が生まれなくなったことを意味しています。

一方、米国では世界を変えるイノベーションを
起こす企業が、次々と生まれています。

このイノベーションを生み出す日米の違いは、
どこにあるのか?

本書の著者、京都大学大学院思修館教授で、
イノベーション理論・物性物理学を専門とする
山口栄一さんは、日米の違いは「制度的要因」
に起因すると指摘します。

その制度とは、米国が1982年に始めた
「SBIR(Small Business Innovation Research)」
と呼ばれるプログラムです。

先端技術の開発をするには、基礎研究の成果と
実用化・製品化の間に、簡単には乗り越え難い
資金面での「死の谷」が横たわっています。

その死の谷を越える資金援助を行い、
無名の科学者を起業家に転じさせる
「スター誕生」システムが米国のSBIR制度です。

この制度は、次の3つの特徴を備えています。

1点目は、米国連邦政府の外部委託研究費の
一定割合をスモール・ビジネスのために
拠出することを法律で義務づけていること。

2点目は、3段階の選抜方式になっていること。

応募に採択されると最大で15万ドルの賞金、
更にチームづくりとモデルつくりを行い、
実現可能と判断されると最大で150万ドルが
与えられ、商業化に挑戦して離陸できれば、
開発製品を政府が買い取るか投資会社を
紹介する制度になっています。

3点目は、科学行政官が「今、この世にない
ものをあらしめるべく挑戦せよ」という
ミッションを持ち、申請者に対して、
極めて具体的な課題をつくり示していること。

この科学行政官は、科学者と同等の知識を持ち、
ビジネスにも精通する「目利き」です。

米国ではSBIR制度によって、毎年2000人を
超える無名の科学者をベンチャー起業家に
仕立て上げ、1983年から2015年までの
33年間で2万6782社の技術ベンチャーが
生まれました。

これに対して、日本版SBIR制度ともいえる
「中小企業技術革新制度」が1999年2月から
施行されました。

しかし、その実態は米国版SBIRとは、
似て非なるもので、既にあった補助金制度に
後から日本版SBIRのレッテルを貼ったに
過ぎないものでした。

日本版は米国版の3つの特徴をちょうど
反転させた、イノベーション起こす理念を
持たない、単なる中小企業支援策でした。

本書では、日本の制度的失敗を指摘する
だけでなく、イノベーションが誕生する
原理を明らかにし、日本が科学復興する
ための具体的な処方箋を示します。

山口さんの指摘は、非常に的を射たもので、
具体策は、まさに国家再生の設計図です。

本書は、科学技術にもビジネスにも通じた
山口さんにしか書けない、非常に優れた
提言書だと思います。

この本から何を活かすか?

日本の企業は「山登りのワナ」に
陥っていると山口さんは指摘しています。

企業の技術者には2つのタイプがいます。

1つは、山に登り始めたら、未知の山には
見向きもせず、頂上に向かって迷いなく
まっしぐらに登る技術者。

もう1つは、いつも登山への疑念を抱き、
他にもっと高い山があるのではないかと、
未知の山ばかりを探す技術者。

この2つのタイプはどちらも企業にとって
必要ですが、「集中と選択」がなされる
時には前者のタイプのみが残ってしまう。

こうして「山登りのワナ」ができあがり、
イノベーションが生まれなくなるようです。

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| 科学・生活 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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失敗の科学

満足度★★★★
付箋数:30

  「人類は過去2000年余りの間に目覚ましい
  発展を遂げた。とくにここ2、3世紀の進歩は
  驚異的だ。企業やスポーツチームのみならず、
  科学、技術、経済がさまざまな進化を遂げ、
  人々の生活があらゆる面で変わった。
  本書はその過程を覗きながら、人間が失敗から
  学んで進化を遂げるメカニズム、あるいは
  創造力を発揮して革命を起こすメカニズムを
  明らかにしていく。ビジネスや政治の世界でも、
  日常生活でも、基本的な仕組みは同じだ。
  我々が進化を遂げて成功するカギは、
   “失敗とどう向き合うか” にある。」

本書は、オックスフォード大学を首席で
卒業した異才のジャーナリスト、
マシュー・サイドさんが、あらゆる業界を
横断して、失敗の構造を解き明かにした本。

サイドさんが、本書で最初に比較するのが、
安全重視にかかわる2大業界である、
航空業界と医療業界です。

この2つの業界で根本的に異なるのは、
「失敗に対する向き合い方」です。

航空業界の黎明期は、飛行機で飛ぶことは、
かなりの確率で命を落とす危険な行為でした。

米陸軍航空学校が設立された当初、パイロットの
死亡率は約25%にも及んでいたといいます。

しかし、現代では状況が大きく改善され、
2014年のジェット旅客機の事故率は、
100万フライトに0.23回という極めて低い
発生率にとどまっています。

航空機の事故率がここまで改善したのは、
すべての航空機に、2つの粉砕不可能な
ブラックボックスが装備されたためです。

1つは飛行データを記録し、もう1つは
コクピット内の音声を録音するものです。

事故があれば、このブラックボックスが
回収され、データ分析によって原因が
究明されます。

そして、二度と同じ失敗が起こらないように
速やかに対策がとられてきました。

航空業界では、不測の事態やミスは起こるもの
と認識して、失敗にアプローチします。

パイロットはニアミスを起こすと報告書を
提出しますが、10日以内に提出すれば
処罰されない仕組みになっていることも
失敗と向き合うことに貢献してきました。

一方、医療業界では今でも非常に多くの人が
医療過誤で亡くなっています。

ある調査によると、回避可能な医療過誤による
死亡者数は年間40万人以上にものぼると
算出されています。

アメリカでの医療過誤での死亡者数は、
心疾患、がんに次ぐ死因の第3位。

医療過誤が起こる原因は、手順の複雑さ、
資金や人手不足、とっさの判断を迫られること
などいろいろあります。

しかし、医療過誤減らない根本的な原因は、
医療業界が失敗から学ぶ仕組みを
作ってこなかったことにあります。

人は誰でも、自分のミスを認めることが難しく、
失敗を隠す傾向にあります。

医療業界では、調査で事実が明らかに
なることを恐れ、日常的にデータ収集をせず、
過去の失敗事例が共有されてこなかったことが、
進歩を妨げているとサイドさんは指摘します。

本書では、多くの具体的な事例を用い、
失敗から学習する組織と学習できない組織
の違いをあぶり出します。

 第1章 失敗のマネジメント
 第2章 人はウソを隠すのではなく信じ込む
 第3章 「単純化の罠」から脱出せよ
 第4章 難問はまず切り刻め
 第5章 「犯人探し」バイアスとの闘い
 第6章 究極の成果をもたらすマインドセット
 第7章 失敗と人類の進化

サイドさんの洞察は非常に深く、22カ国で
刊行された世界的ベストセラーというのも
伊達ではありません。

組織だけでなく、個人としても学ぶことが多い、
読んで損のない、優れた本だと思います。

この本から何を活かすか?

なぜ、専門家の予想は外れるのか?

サイドさんは、過去に実績のある専門家や
頭脳明晰な学者ほど、自分の専門分野での
予測を外しやすいと指摘します。

例えば、経済の専門家なら、有名になれば
なるほど、経済予想は不正確になるといいます。

  「カギは認知的不協和にある。
  自分の発言が世間に広がりやすい
  有名な専門家ほど、生活も自尊心も
  その予測にかかっている。
  おそらく、それまでは失敗しても
  自己正当化ばかりに躍起になって
  何も学べずにいたのだろう。」

この自己正当化の罠から抜け出すには、
「あえて間違って」失敗と向き合う機会を
作ることも必要です。

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| 科学・生活 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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