活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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「損」を恐れるから失敗する

満足度★★
付箋数:14

あなたは、次のような場合、どうしますか?

 A あなたは、3000円の前売り券を買って、
  劇場に来ました。ところが、鞄の中を
  探しても前売り券が見つかりません。
  前売り券をなくしてしまったようです。
  あなたは、劇場のチケット売り場で
  3000円の当日券を買いますか?

 B あなたは、前売り券を買わずに劇場に
  来ました。劇場の前で、3000円を
  なくしてしまったことに気がつきました。
  あなたは、3000円の当日券を買いますか?

これは、行動経済学の「心の会計」という
概念を示すストーリーです。

行動経済学は、人間が必ずしも合理的には
行動しないことに着目した経済学と心理学の
両方の分野にまたがる学問です。

その中でも、「心の会計」は、実際の会計と
違って、非合理な会計がなされる場合が
多いことを示したもの。

合理的に考えれば、AのケースもBのケースも
3000円を失ったという点では同じですが、
心理的には少し違った印象を受けるものです。

Aのケースでは、当日券を買わずに家に帰る
と答える人が多いのに対し、Bのケースでは、
当日券を買うと答える人が多くなります。

チケットをなくしたAのケースでは、
2回同じチケットを買うことになるので、
チケット代に6000円も払ったと思えてきて、
ものすごく損をした気分になるからです。

こうした非合理な人の行動心理を研究して、
2002年にノーベル経済学賞を受賞したのが、
米国のダニエル・カーネマンさんです。

同僚のエイモス・トベルスキーさんと共に
プロスペクト理論を提唱し、行動経済学を
発展させました。

またヒューリスティックを使うことによって
生まれる「認知バイアス」があることなども
示しました。

人は「得をしたとき」よりも、
「損をしたとき」の方が心理的インパクトが
大きいので、損を恐れる傾向がある。

これを「損失回避の法則」と呼びます。

本書は、カーネマンさんの理論を中心に
人の損失回避行動を解説する本です。

著者は、執筆する本が多いことで知られる
心理学者の和田秀樹さん。

  「損失回避の法則を知っているかいないかで、
  ビジネスも、日常生活も、経済政策も、
  大きく変わってきます。
   “損に反応する” という人間の心理特性を
  知っていれば、それに気をつけて、
  不要な失敗を避けることもできます。
  人間の心理特性を理解していると、
  仕事でも生活でも、失敗をかなり減らす
  ことができるはずです。また、それを通じて
  新たなアイディアが生み出されるかも
  しれません。」

本書は、これまで行動経済学の本や、
カーネマンさんらの理論について、
どこかで聞いたり読んだりしたことがある
人にとっては、目新しさを感じない本だと
思います。

これまで全く行動経済学に触れたことがない
人にとっては、非常に平易に書かれているので、
入門書として良いかもしれません。

個人的には、少し物足りなさを感じる本でした。

 序章 「損」を恐れて失敗してしまう人たち
 第1章 「損をしたくない」心理は人間の行動原理
 第2章 あなたは、どちらを選びますか?
 第3章 日本人もアメリカ人も基本心理は同じ!?
 第4章 「損をしたくない」気持ちを
    ビジネスに利用する
 第5章 「損をしたくない」心理を消費に
    結びつける税制はこれだ!
 第6章 「損をしたくない」気持ちを
    日常生活に生かして「得」をとる
 第7章 「損をしたくない」 心理の判断エラー
    を防ぐ奥の手

この本から何を活かすか?

  「心理学の立場から言うと、 “競馬の
  最終レースは、本命に賭けるほうが得” 
  という法則のようなものがあります。」

なぜなら、最終レースは、その日負けている
人たちが、最後で取り返そうと大穴狙いを
してくるので、本命馬のオッズが上がるから。

ただし、そもそも本気で儲けようと思うなら、
テラ銭(運営側の取り分)が25%ある競馬は
継続的にやると、トータルで勝つのが難しい
ギャンプルと言えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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インビジブル・インフルエンス 決断させる力

満足度★★★★
付箋数:24

あなたは、昨日のランチに何を食べましたか?
そして、それを選んだのは誰でしょうか?

何を食べるか、あるいは食べないかは、
当然、「自分」で決断したと思っている人が
多いことでしょう。

しかし、私たちの日々の選択や決断は、
実は自分で気がついていないだけで、
あらゆる場面において「他人」からの影響を
受けています。

この他人から受ける影響のことを
「社会的影響力」と言います。

しかも、他の人が社会的影響力を
受けていることは見えても、
自分のこととなるとそれが見えません。

そのため本書では、見えない影響力、
「インビジブル・インフルエンス」と
呼んでいます。

  「私たちの決断は、99.9%までが他人に
  よって方向づけられており、むしろ他人の
  影響を受けない意思決定や行動を見つける
  ほうがむずかしい。」

本書の著者は、ペンシルベニア大学
ウォートン・スクールのマーケティング
准教授、ジョーナ・バーガーさん。

バーガーさんは、本書で、私たちの行動が
知らず知らずに他人から影響を受けている
決断のメカニズムを明らかにします。

では、私たちは、一体、他人からどのような
影響を受けているのでしょうか?

実は影響する方向は、いくつかあります。

1つ目は、他人に同調する「模倣」の傾向。

私たちは、自分では気づいていなくても、
周囲にいる人の行動を、絶えず、自動的に
写しとって同じことをしています。

それは他人を情報源として利用すれば、
自分の時間と労力が節約できることが
本能的にわかっているからです。

2つ目は、あえて他人と違うものを選ぶ
「差別化」の傾向。

これは、自分は違う、特別なのだと
思いたいことの現れです。

その選択が人のアイデンティティを示す
シグナルになるときに、他人とは違うものを
選びたくなるのです。

3つ目は、反対方向の「模倣」と「差別化」が
組み合わさって、「ほどよく違っている」ことが
好まれる傾向。

人には、親しみの感覚に心地よさを覚える
一方で、同時に目新しさを求める矛盾した
気持ちもあります。

この「ほどよい違い」がヒット商品を生む
ときの秘訣になっています。

4つ目は、他人が与える「モチベーション」
への影響。

まわりに誰かがいることがパフォーマンスを
上げる場合と下げる場合があります。

他者の存在が助けになるか邪魔になるかは、
取り組む課題の複雑さに左右されます。

簡単な課題の場合は、パフォーマンスが
上がり、むずかしい課題の場合は、
パフォーマンスが下がってしまうのです。

また、競争や勝負事では、
自分が遅れをとっている、あるいは負けている
と思うことで、モチベーションは上がります。

ただし、この場合「どの程度」負けているかが
極めて重要です。

頑張れば逆転できる程度の遅れは、
モチベーションを上げ、逆転不可能だと
思える程度の遅れは、モチベーションを
下げてしまいます。

これはサッカーの試合で、前半終了時点で
1点差で負けていたチームの方が、
最後には勝ちやすい(勝確率つ8%上昇)
傾向にも表れています。

本書で示される社会的影響力は、いずれも
何となくそんな傾向はあるのかなと思っていた
ことですが、それが科学的に証明されていて、
非常に興味深く読むことができます。

この本から何を活かすか?

なぜ、トップアスリートはきょうだいの
二番目以降であることが多いのか?

一般的には、年上のきょうだいが
練習相手やライバルになっているからだと、
よく言われます。

もちろん、それは大きな理由の1つです。

本書でバーガーさんが挙げる理由は、
社会的影響力によって「模倣」と「差別化」の
両方が促進されるから。

模倣によって、上のきょうだいと同じ道に
進むことがある一方、あえて別の道を選ぶ
差別化も起こりやすい。

どちらに進むにせよ、きょうだいは常に
比較されるので、社会的影響力を大きく
受けやすい環境にあります。

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| 経済・行動経済学 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論

満足度:★★★
付箋数:20

日本のGDPは2010年に中国に抜かれて、
世界第2位から3位へと順位を下げました。

このときに、少し悔しい思いをしながらも、
「中国はあれだけ人口が多い国だから、
抜かれてもしょうがない」と思った方も
多いでしょう。

GDPは経済の「絶対量」を表す数字で、
GDP=人口×生産性という式に分解できます。

もし、同じ生産性の2つの国、
A国とB国があったとします。

A国の人口がB国の2倍だとすると、
GDPもそのままA国はB国の2倍になります。

発展途上国まで入れると、多少相関は
崩れるものの、先進国の中ではGDPと人口には
ハッキリとした相関があります。

ですから、人口の多い中国のGDPが上位に
ランクされるのは当然の結果なのです。

実は、日本も人口による恩恵を受けてきたと、
本書の著者、デービッド・アトキンソンさんは
指摘します。

日本の世界第3位のGDPも人口で割って、
1人当たりに換算すると、「世界第27位」まで
低下します。

この原因は、日本の「生産性」が低いからです。

  「生産性の問題は、国にとってきわめて
  深刻な問題のひとつです。日本は1990年、
  世界第10位の生産性を誇っていましたが、
  今では先進国最下位です。労働者ベースで
  見ても、スペインやイタリアより低く、
  全人口ベースでは世界第27位です。
  1990年には韓国の2.4倍も高かった生産性が、
  今では1.04倍まで低下しています。
  このまま何も手を打たなければ、
  あと2~3年で韓国に抜かれて、アジア
  第4位の生活水準にまで低下するでしょう。」

日本の生産性の低さは、多くの方が指摘して
いることですが、アトキンソンさんは、
本書で、その原因を2つ挙げています。

1つは、日本は世界ランキングに酔いしれて、
実態を見てこなかったこと。

もう1つは、人口減少問題。

個人的には、アトキンソンさんの挙げた
2つ目の原因には違和感を覚えました。

GDPを人口×生産性に分解している中で、
生産性の低さの原因を人口減少にもってくると、
独立変数でなくなるからです。

そして、それ以降の論理展開も、
あまり納得できるものではありませんでした。

  「生産性を上げるのは、労働者ではなく
  経営者の責任です。世界一有能な労働者から
  先進国最低の生産性しか発揮させていない
  という日本の経営の現状は、いかに現行の
  日本型資本主義が破綻しているかを
  意味しています。この経営者の意識改革は、
  喫緊の課題です。」

生産性が低い「犯人」を経営者としていますが、
その解決策として提示しているのが、
「株価を上げさせること」でした。

  「公的年金などを通じて、経営者に対して
   “継続的に時価総額を増やせ” と迫ることが
  必要でしょう。(中略)

  株価を上げさせることで、アメリカだけでなく
  諸外国は日本よりも顕著に実績を上げました。
  同様なことを、日本でも実行してみるしか
  ないと思います。」

株価を上げることが、企業にとって
重要であることは間違いありません。

しかし、生産性が上がる結果として、
株価は上がるものの、株価を上げることで、
生産性が上がるようには思えませんでした。

本書でアトキンソンさんが指摘している
ことには、鋭いなと思うことがいくつも
ありましたが、解決策に至るまでの
論理展開には、ズレや飛躍があるように
感じました。

この本から何を活かすか?

夏季オリンピックで日本人がメダルを
獲得した数は439個で、第11位です。

しかし、これも人口で割って、1人当たりの
メダル獲得ランキングに直すと、
順位がガクンと下がり、第50位になります。

アトキンソンさんは、オリンピックについても、
絶対数に惑わされずに、人口比で考え、
もっと挑戦的な獲得目標を立てるべきと
主張しています。

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| 経済・行動経済学 | 06:27 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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最後の資本主義

満足度★★★★
付箋数:24

  「大企業のCEOや金融界のトップトレーダーや
  ポートフォリオマネージャーは、
  インサイダー情報を使って自らの取り分を
  膨らませつつ、企業収益を増大することが
  できるような市場ルールを推し進め、
  自分たちの報酬を自分たちで効率よく
  決めている。
  一方、平均労働者の給与は政治面でも
  経済面でも対抗できる影響力を失ったために、
  ずっと上がらないままだ。」

これはアメリカについて述べられた文章ですが、
日本でも対岸の火事ではありません。

フルタイムで働いても貧困から抜け出せない
「ワーキング・プア」。

日本でもこの言葉を聞くようになって、
しばらく経ちますが、これと真逆の層に、
「ノンワーキング・リッチ」があります。

増えているのは、ワーキング・プアだけでなく、
ノンワーキング・リッチも増えています。

この両極端の層が増えているということは、
もはや報酬が努力と連動していないことを
意味しています。

今の資本主義下では、明らかに二極化が
進んでいます。

このままで、資本主義は大丈夫なのか?

現在の自由市場のメカニズムはどうなっていて、
何が原因で二極化が進んでいるのか?

今の市場のルールは、富裕層だけが勝ち続け、
富が一方的に増える仕組みになっています。

富裕層が富を得た後で、その再分配について
議論しても、根本的な問題の解決には
なりません。

最初の市場のルール自体を変えなければ、
継続性のある社会は築けないのです。

資本主義そのものを見直す時期にきています。

原題『Saving Capitalism(資本主義を救え)』。

邦題の『最後の資本主義』よりも、原題の方が
しっくりくるような感じがします。

本書の著者は、米政治経済学者で文筆家の
ロバート・B・ライシュさんです。

ハーバード大学ケネディスクール教授、
ブランダイス大学社会政策大学院教授、
カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院
教授を歴任し、ビル・クリントン政権では
労働長官を務めた方です。

1991年の著書『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ
では、格差社会の到来を予言しました。

2007年の著書『暴走する資本主義』では、
大企業が政治活動に大きな影響力を持ち、
民主主義を脅かすまでになっていることを
指摘しました。

ライシュさんは本書で、格差社会を
生み出しているルールの作られ方と向き合い、
資本主義を希望ある仕組みとして、
もう一度、蘇らせる方法を提示します。

その方法とは、現在、ゲームのルール作りに
対する影響力を失っている圧倒的大多数の
人々を、50年前に広範な繁栄のカギであった
「拮抗勢力」として再結集させること。

そのために、拮抗勢力を組織化して
統一することです。

本書の拮抗勢力とは、大企業、ウォール街、
富裕層の政治的影響力を抑制する勢力。

主に中間層と貧困層で持つべき力です。

本書は、米国の資本主義について書かれた
本ですが、日本でも資本主義の新しい未来が
見えてくると思える本です。

350ページを超えるページ数で、
難しいテーマについて論じていても、
非常にわかりやすく書かれているため、
意外とスイスイと読めると思います。

  第1部 自由市場
  第2部 労働と価値
  第3部 拮抗勢力

この本から何を活かすか?

  「人類が直面しているのは、単に労働力を
  代替する技術ではなく、知力を代替する技術
  なのだ。高感度センサー、音声認識、人工知能、
  ビックデータ、テキストマイニング、
  パターン認識アルゴリズムが組み合わさって、
  人間の活動を素早く学習し、さらに相互学習
  する機能も備えたスマート・ロボットが
  生み出されつつある。」

単純労働だけでなく、頭脳労働でさえも、
ロボットにとって代わられる時代です。

本書でライシュさんが提案している
新しい資本主義の形を作っていく
必要があるように感じました。

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| 経済・行動経済学 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ルービンシュタイン ゲーム理論の力

満足度★★★
付箋数:24

同じ休暇先から同じ土産物を買って帰ってきた
2人の旅行者がいました。

彼らの土産物だけを入れたスーツケースは
空港で紛失してしまい、空港の遺失物係員は
スーツケースの荷物分の損失を補償しなければ
いけません。

係員は紛失物の価値について、180ドルから
300ドルの間だろうという大まかな認識しか
ありません。

そのために、遺失物係員は2人の旅行者の
申告にそって補償しようという計画を立てました。

しかし、旅行者は紛失物を誇張しがちであり、
真実を語る義務は感じていないだろうと
いうことをわかっていました。

そこで遺失物係員は2人の旅行者を
別々の部屋に連れて行き、土産物の値段を
180ドルから300ドルの間でそれぞれ
申告させました。

遺失物係員は両方の申告された値段のうち
低い方を2人に補償すると約束しています。

さらに、もし2人が異なった値段を申告した
場合には、高い値段を言った者に「罰金」
として5ドルを科し、低い値段を言った者に
「褒美」として5ドル与えるとしました。

2人の旅行者は、できるだけ多くのお金を
受け取りたがっている場合、土産物の値段を
いくらと申告すべきでしょうか?

まず、この場合一番高い300ドルを申告する
という判断は旅行者にとって合理的なのか。

もし、相手が300ドルを申告するであろうと
信じていた場合、自分は300ドルを申告すると
300ドルもらえます。

しかし、299ドルと申告すれば、
299+5=304ドルもらえます。

相手も300ドルと申告するのが合理的でないと
気づいた場合、299ドルを選ぶでしょう。

そうすると自分が選ぶべき最適な申告額は
298ドルとなります。

さらに、相手もそのことに気づき298ドルを
選択する場合、297ドルが最適となります・・・。

このゲームでは、相手の立場になって、
相手の最善の行動を予見し、そこから自分の
行動を導くことが必要です。

それを繰り返して、もうそれ以上行動を
変更したいというインセンティブが働かない
状態のことを、ゲーム理論では「ナッシュ均衡」
と呼びます。

この問題では、両方の旅行者が180ドルを
選択するのが唯一のナッシュ均衡です。

果たして、このナッシュ均衡の概念を用いて、
180ドルを選択るのは、旅行者にとって
本当に合理的なのでしょうか?

実際にこのゲームをやってみると
45%が300ドルを選び、19%が295ドルから
299ドルの間を選び、16%は181ドルから
294ドルの間を選びました。

ナッシュ均衡の180ドルを選んだ人は
わずか20%だったという実験結果が
あるようです。

つまり、現実の世界ではゲーム理論のような
合理的な判断をする人は多くないため、
そこまで考えずに本能的に判断した方が
多くの利得を得られる場合もあるようです。

さて、本書はイスラエルの経済学者、
アリエル・ルービンシュタインさんによる
経済学とゲーム理論の本質を伝える本です。

ルービンシュタインさんは、経済モデルを
「科学」ではなく、「寓話」ないし「物語」
として捉えます。

寓話はポイントを絞り、「人生の理」を
私たちに伝えます。

経済モデルもそれと同様に「社会の理」を
伝えると考えるのです。

  序章 経済学という物語
  第1章 合理性と非合理生
  第2章 ゲーム理論:ビューティフル・マインド
  第3章 ジャングルの物語と市場の物語
  第4章 経済学と語用論、そして7つの落とし穴
  第5章 (ある種の)経済政策

本書では、これまでのルービンシュタインさんの
人生を振り返りながら、ゲーム理論の説明をします。

恐らくその点が、読者の好みがはっきりと
別れるところだと思います。

この本から何を活かすか?

2001年の米映画『ビューティフル・マインド』。

ジョン・ナッシュさんがノーベル経済学賞
を受賞することが決まり、教授たちが次々と
彼のところにやって来て、敬意を表するために
ペンをテーブルに置くシーンが描かれました。

ルービンシュタインさんは、偶然その場に
いたそうですが、ペンを置くようなセレモニーは
実際にはなかったそうです。

また、映画のようにナッシュさんを
「マスター」と呼ぶ人は誰もいなかったとも
ルービンシュタインさんは語っています。

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| 経済・行動経済学 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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