活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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30年分の経済ニュースが1時間で学べる


30年分の経済ニュースが1時間で学べる

満足度★★★
付箋数:23

これからの時代を生きていくためには、
過去の歴史を学ぶ必要があります。

特に、過去30年は「グローバリズム」と
「テクノロジーの進化」によって、
世界経済の潮流が大きく変わり、
過去を振り返る上で、非常に重要です。

また、私たちが、日々流れている
経済ニュースを見聞きしているだけでは、
どうしてもその事象を「点」で捉える
ことしかできません。

そこで日本経済・世界経済で起こった
事象のつながりを確認し、「面」で
捉えるために、この本は書かれました。

  「本書は1989年からの30年間、
  つまり世界経済においては東西冷戦の
  終結から米中新冷戦まで、日本経済に
  おいてはバブル崩壊から “令和” 時代
  の幕開けまでの経済ニュースの
  ポイントを厳選しています。」

著者は、エコノミストの崔真淑さん。

日経CNBCで最年少の経済解説委員会
コメンテーターとして就任し、
テレビや雑誌でも活躍してる方です。

私はこれまで、崔さんの外見から、
若い女性のエコノミストなので、
メディアでは一定の需要があるのだろう
程度にしか思っていませんでした。

しかし、本書を読んで良い意味で、
期待が裏切られ、崔さんに対する見方が
変わりました。

本書では、世界・日本の経済ニュースを、
これ以上ないぐらい、わかりやすく
解説しています。

これ以上わかりやすく書いてしまうと、
逆に誤解を与え、本質が伝わらなくなる
ギリギリのところ。

例えて言うなら、本書に関しては、
池上彰さん並のわかりやすさです。

視点の偏りのなさでは、池上さんには
及ばないものの、複雑な経済ニュースを
シンプルに伝える点においては、
いい勝負をしているように思えます。

過去30年を振り返る前に「5分でつかむ」
戦後の世界経済と日本経済につても、
10ページで簡単にまとめられています。

その上で、過去30年の経済ニュースから
88項目をピックアップして解説します。

本書の章立ては以下の通りです。

 1. 世界経済の動きをつかむ
 2. 日本経済の動きをつかむ
 3. 日本企業の盛衰を読む
 4. 令和の日本が抱える問題
 5. デジタル覇権をめぐる争い

それぞれのトピックでは疑問を投げかけ、
それに答える形で、解説を進めます。

 ・テロは経済にどんな影響がある?
 ・イスラム金融のしくみはどうなっている?
 ・日本のバブルはどうしてはじけたのか
 ・日本企業のROEはなぜ1ケタ台なのか?
 ・宇宙ビジネスって何がすごいの?
 ・格差社会に急速に突入したわけは?
 ・アマゾンとアリババはどう違うのか?
 ・暗号資産と既存の通貨はどこが違うの?

扱いっている話題は多岐に渡っています。

本書が解説するのは、経済の基礎の基礎。

経済があまり得意ではない方にとっては、
うってつけの入門書です。

解説の半分は図解で占められているので、
苦手意識を持たずに読み進められます。

これさえ読んでおけば、経済ニュースを
聞いたときの理解度は、かなり大幅に
アップすることでしょう。

経済ニュースを普通に理解している方
からすると、本書はちょっと平易過ぎる
と感じると思います。

しかし、そんな方でも苦手な分野や、
疎い分野は必ずあるはず。

そこを埋めるだけでも、本書を
読む価値は十分にあると思います。

この本から何を活かすか?

日本の労働生産性が「先進国最下位」
のわけは?

日本の労働生産性は先進7カ国(G7)
中最下位、アメリカの約3分の2しか
ありません。

この問題、実はまだ、解明されて
いないようです。

  「なぜ日本の生産性は低いのかに
  ついては多くの研究が行われている
  ものの、決定的な要因は見つかって
  いないといいます。(中略)
  日本の労働生産性の低さの原因に
  ついて、統計学や経済学の共通解は
  ありません。」

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| 経済・行動経済学 | 05:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本史で学ぶ経済学

満足度★★★★
付箋数:24

ここ数年、ビットコインなどの暗号通貨が
大きな話題になっています。

暗号通貨は、不正を防止するために、
高度な暗号技術が用いられた仮想通貨。

そこには、貨幣の未来の姿があります。

では、その貨幣の未来を読み解くには、
どのようにすればいいのか?

  「暗号通貨の仕組みは、現代の貨幣と
  異なります。ただし、現代と異なると
  いうことなら、過去の貨幣の仕組みも
  同様に現代と異なります。
  そして過去の貨幣の中には、暗号通貨の
  仕組みと共通点を持つものがあります。
  現代と異なる仕組みが現れつつある時代は、
  過去の出来事から多くのことを学ぶ
  チャンスに満ちています。」

実は、貨幣の「過去」を読み解くと、
貨幣の「未来」を知るためのヒントが
隠されていることがわかります。

具体的には、暗号通貨の特徴を学ぶには、
歴史上の3つのトピックに注目します。

・鎌倉、室町時代の貨幣経済

 なぜ、鎌倉、室町時代に中国銭が
 流通したのか?

 貨幣には、交換手段として誰もが
 受け取ってくれる性質があります。

 これを貨幣の一般受容性と言います。

 交換手段としての側面から、暗号通貨との
 共通点を探ります。

・徳川時代の両替商ビジネス

 徳川時代には、貨幣で決済することを
 約束として、遠隔地どうしの取引相手と
 決済できる工夫が生み出されました。

 貨幣の決済完了性という、決済手段としての
 性質から暗号通貨を学びます。

・国際金本位制

 複数の国々の通貨が共通の価値基準で
 裏打ちされると何が起こるのか?

 国際金本位制とは、金という貴金属が
 国境を超えて各々の通貨の価値を
 裏打ちする仕組みのこと。

 国際金本位制の歴史から、暗号通貨が
 教訓とすべきことを考えます。

本書では、一見、無関係そうに思える
歴史上の出来事が、実が現在の経済の仕組みに
密接につながっていることを示します。

経済学を学ぶ上で、過去の歴史上には、
考えるためのヒントが多く含まれているのです。

  「現状を改善するにせよ、時代の流れに
  対応するにせよ、結果としてどうなるかは
  不確実です。しかし、歴史の知恵や失敗を
  参考材料とすることは、不確実な要素を
  減らし、準備を整えやすくすることに
  つながります。歴史は “取引のあり方や
  値段の決まり方を切り口として、
  人間がどのような行動をとるのか” を
  探るヒントの宝庫なのです。」

本書は、経済の基礎知識から、
最新のトピックまでを「日本史」から学ぶ本。

著者は、名古屋市立大学大学院経済学研究科
准教授の横山和輝さんです。

物事を学ぶ際に、多角的に捉えると、
その本質が見えてくるようになります。

本書はまさに、それを実践している本。

意外な驚きがあり、教養を身につけるとは、
こういうことなのかと実感できます。

本書のような学び方をしていると、
本質的に似ているかどうかを見極めますから、
抽象化する力も鍛えられると思います。

個人的には、いつもとは違う角度で
経済学を知ることになり、新鮮でした。

できればシリーズとして、続編が刊行
されることを期待したい本です。

  第1章 貨幣の経済学
  第2章 インセンティブの経済学
  第3章 株式会社の経済学
  第4章 銀行危機の経済学
  第5章 取引コストの経済学
  第6章 プラットフォームの経済学
  第7章 教育の経済学

この本から何を活かすか?

プラットフォームを押さえることは、
現在のビジネスで成功する鍵と言えます。

しかし、プラットフォーム・ビジネスは
古くて新しい仕組みです。

現代のプラットフォーム・ビジネスは、
戦国時代に原型ができたと考えると、
歴史的なロマンさえ感じられます。

本書では「楽市楽座」の歴史から、
契約内容を履行させる強制力の重要性
(エンフォースメント)を学びます。

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| 経済・行動経済学 | 05:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、日本で約40年間禁止されていた
アメリカ人のある発明を知っていますか?

その発明を禁止していたことは、
今でも日本の社会に大きく影響しています。

特に、女性のキャリアに関して。

そのアメリカ人の発明品とは何か?

  「育児用粉ミルクは、母親のあり方を変え、
  TVディナー(そのまま食べられるように
  パッケージされた冷凍食品)は、主婦の
  あり方を変えた。
  しかし、ピル(経口避妊薬)はその両方を
  変えた。それだけではない。
  ピルは社会も大きく変えることになった。
  そしてそれこそがピルの目的だった。」

日本で約40年間禁止されていた発明とは
経口避妊薬の「低用量ピル」のことです。

ピルがアメリカで承認されたのは1960年の
ことでしたが、日本で解禁されたのは
1999年になってからでした。

日本の女性は、避妊薬を使えるようになるまで、
40年近く待たなければなりませんでした。

しかし、男性が使用する勃起不全治療薬の
バイアグラは、アメリカで認可された
わずか数カ月後には、日本でも認められる
ようになりました。

  「日本は男女間格差が先進国でいちばん
  大きい国として知られており、女性はいまも
  なかなか職場で認められずにいる。
  その因果関係を解きほぐすことは不可能だが、
  アメリカの経験を見ればわかるように、
  それは偶然ではないだろう。
  ピルの解禁が二世代遅れれば、女性が受ける
  経済的な影響は相当なものになる。」

ピルはコンドームよりも3倍も失敗率が低く、
正しく服用するとほぼ100%に近い避妊効果が
得られます。

ピルは社会に革命を起こしただけでなく、
経済革命の火付け役にもなりました。

それは20世紀後半でいちばん重要な変化
だったとも考えることができます。

アメリカで使用されるようになったピルは、
法学部や医学部の女子学生に影響を与えました。

それはパートナーに頼らず、自分の意思で
妊娠と出産をコントロールできるように
なったため、自分のキャリアに投資できる
ようになったからです。

ピルのなかった時代は、5年以上かけて
弁護士や医師の資格をとることは、
妊娠のリスクを考えると、時間とお金の
有効な使い方ではありませんでした。

しかし、ピルが使えるようになったことで、
女性が積極的に法学、医学、歯学、MBAなどの
学位を学ぶようになり社会に進出していく
ようになりました。

一粒の小さなピルは、女性の社会進出を
後押しし、経済に大きな影響を与えたのです。

本書は、ピルを推奨する本ではありません。

経済に影響を与えた50の発明を紹介する本です。

著者は、『まっとうな経済学』が好評だった
フィナンシャル・タイムズの人気コラムニスト、
ティム・ハーフォードさんです。

  「発明の一つひとつに物語がある。
  人間の創造力の物語だけでなく、私たちを
  とりまく目に見えないシステムの物語もある。
  (中略)
  この本は、紙、バーコード、知的財産、
  文字など、50の発明をとりあげて、
  世界経済はどのように働いているのか、
  その知られざる物語にスポットを当てる。」

この本の目的は経済に重要な影響を与えた
大発明のベスト50を選ぶことではありません。

紹介されている発明品は「語るべき物語」
があるものが選ばれています。

その物語を知ることで、世の中がどのように
繋がっているかがわかり、生きた経済の
仕組みがわかります。

今では、日常に溶け込んでいる発明品には、
私たちの知らない意外なストーリーがあって、
なかなか興味深いですね。

この本から何を活かすか?

本書で紹介されているモノは意外な視点や
物語を教えてくれます。

例えば、海外に行く場合は「パスポート」が
当たり前のように必要です。

パスポートは、既にローマ帝国時代には、
似たような形があったとされています。

しかし、その評判はあまり良くなく、
20世紀になる頃には、使っている国は
ごく一部になり、パスポートは世界中から
なくなりかけていました。

  「パスポートが20世紀初めになくなっていたら、
  世界はいまごろずっと豊かになっていたのでは
  ないか。パスポートがなくならなかったのは、
  ある単純な理由からだ。
  第一次世界大戦がそれを許さなかったのである。」

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| 経済・行動経済学 | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界史を変えた詐欺師たち

満足度★★★
付箋数:21

ジョン・メイナード・ケインズさん(経済学者)、
アイザック・ニュートンさん(科学者)、
ベンジャミン・フランクリンさん(気象学者)、
アラン・グリーンスパンさん(元FRB議長)。

これらの人物に共通する点は何か?

いずれもその功績によって、歴史に名を残して
いるような方々です。

ただし、偉人であることが共通点ではありません。

彼らの共通点は、本書に「詐欺師」として
登場していることです。

詐欺師と言い切ってしまうと、かなり失礼ですが、
見方によっては、実際にやったことは詐欺師と
あまり変わらないというのが、本書の著者、
東谷暁さんの見解です。

「1人を騙せば犯罪だが、みんなを騙せば
経済政策」と呼ばれることもあります。

これはチャールズ・チャップリンさんの名言、
「1人殺せば犯罪者だが、百万人殺せば英雄だ」
になぞらえたもの。

個人がお金を集めるネズミ講は犯罪になりますが、
国が強制的にお金を聴取する公的年金制度は
ネズミ講とは呼ばれません。

しかし、穿った見方でその仕組だけ見ると、
同じようなシステムに見えなくもありません。

  「政府の経済政策のなかには、明らかに
  国民の信頼を裏切ることによって、ある種の
  経済効果を生みだそうとするものが少なからず
  含まれている。
  本書は、その信頼と裏切りとの微妙な
  せめぎあいを、過去の歴史の中に見出し、
  称賛されている政策が実は裏切りであり、
  裏切りに見えたことが本来は信頼の回復を
  目指す政策であったことを発掘しようと
  してきた。」

本書では、歴史に名を残した人たちを
かなり「斜めから」見て、その手口がいわゆる
詐欺とどう違うのかを見ていきます。

紹介される人物は以下の11名です。(敬称略)

 ジョン・ロー(フランス財政赤字に挑戦した
 「賭博師」)

 アイザック・ニュートン(天才の二つの錬金術)

 ベンジャミン・フランクリン(米国紙幣の
 「父」の希望と悪夢)

 ネイサン・ロスチャイルド(ナポレオン戦争で
 台頭した金融政商)

 チャールズ・ポンジ(ただの詐欺師が生んだ
 「国家的詐欺」の手法)

 ヒャルマール・シャハト(敗戦国ドイツで
 振るった「魔術」の正体)

 ジョン・M・ケインズ(「ジョン・ローの再来」
 インサイダー取引に手を出した大経済学者)

 ジョージ・ソロス(世界の金融当局を「味方」
 にしたヘッジ・ファンド)

 ケネス・レイ(史上最大の倒産エンロンの内幕)
 アラン・グリーンスパン(バブル「形成者」
 にして「始末人」の欺瞞)

 サトシ・ナカモト(新しい通貨の「神」か、
 金融詐欺の「悪魔」か)

これらの登場人物の中で、本物の詐欺師は
チャールズ・ポンジさんただ一人です。

英語では、ネズミ講のことをポンジ・スキーム
と呼びますが、それは彼の名前に由来します。

「あなたの資金を増やします。45日から90日の
間に50%から100%の利子が可能です。」

彼はこのような宣伝文句でお金を集め、
実際には運用せず、後から集まった
出資者のお金を以前の出資者に配当して、
うまく回っているように見せかけました。

本書で、ポンジさんが紹介されてるのは、
他の人物とは違う理由です。

  「ここで本物の詐欺師を取り上げるのは、
  彼のせこい詐欺の手口や詐欺師の人生を
  紹介したいからではない。
  正真正銘の詐欺師が考えた詐欺の手口が、
  実は、いまや金融や財政の世界では、
  詐欺でもなんでもなくなってしまったことを、
  これから見ていただくためである。」

この本から何を活かすか?

本書の最後に登場するサトシ・ナカモトさんは、
ビットコインの創始者とも言われる方。

本名なのか、個人なのか、グループなのか、
そもそも実在するのか、正体は不明です。

2008年にネット上で発表された論文
「ビットコイン:P2P電子通貨システム」
の筆者名がサトシ・ナカモトでした。

  「本書で取り上げるのは、 “仮想通貨” と
  いうものがいかにいかがわしいかを知るため
  であり、また、それを称賛する自称経済学者・
  経済政策立案者がいかに能天気であるかを
  見ておくためだ。」

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| 経済・行動経済学 | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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AIとBIはいかに人間を変えるのか

満足度★★★★
付箋数:25

人工知能(AI:artificial intelligence)の
発展は目覚ましく、2016年にはアルファ碁が
世界チャンピオンのイ・セルドさんに完勝して、
大きな話題となりました。

このままAIが発達していくと、経済活動のうち、
現在人間が担っている知的作業、知的労働が
AIに代替されていくと予想されます。

現時点でも、税理士業務やパラリーガル業務、
人材の履歴書の評価・分類や医療の画像診断
などを、AIが代わりを務めつつあります。

AIの行き着く先は、ユートピアではなく、
資本家による社会の完全支配と所得・消費の
減退による経済の崩壊というディストピア
だとも、言われています。

そうならないために必要なのが、AIによって
生み出された富を再分配する仕組みです。

それがBI(ベーシック・インカム)です。

BIは国民全員に生活できるだの現金を
無条件で給付する制度のこと。

2016年にスイスが導入の国民投票を行ったり、
2017年にフィンランドが社会実験を行うなど、
こちらも話題になりました。

AIとBIはどちらも現状の世の中を根底から
覆してしまう可能性を持っています。

AIによってもたらされる労働からの解放が、
BIと結びつくのは必然なのです。

本書は、タイトルにある通り、AIとBIが、
世の中をどう変えるかについて分析し、
予測し、メッセージを提起する本です。

著者は、経営コンサルタントの波頭亮さんです。

では、BIについてもう少し詳しく見ていきます。

BIには次の5つの制度的な長所があります。

  1. シンプルである
  2. 運用コストが小さい
  3. 恣意性と裁量が入らない
  4. 働くインセンティブが失われない
  5. 個人の尊厳を傷つけない

現在の生活保護制度では、働いて収入が
得られるようになると給付が減額されたり
打ち切られるので、働くインセンティブが
失われてしまいます。

しかし、BIは無条件に一律給付されるので、
働いて収入を得ても減額や停止がありません。

つまり、頑張ればそれに応じたメリットがあり、
頑張ることのデメリットは存在しないのです。

BIの導入の最大の課題は「財源の確保」ですが、
それ以外にも、3つの側面の課題があります。

1つ目の側面は、経済学的イシュー。

働かない者が増えるのではないかという
フリーライダー問題と、巨額の財政負担が
不可能ではないかという財政面の問題です。

2つ目の側面は、政治学的イシュー。

これは官僚が、裁量と差配に固執する
のではないかという抵抗です。

3つ目の側面は、文化的イシュー。

「働かざる者、食うべからず」という
社会通念・社会規範の問題です。

この考えは歴史的にも古く、洋の東西を問わない
普遍的に人類に染み込んでいる規範で、
3つのイシューの中で最も根深い問題です。

「働かざる者、食うべからず」という考えから、
「働かなくても、食ってよし」という新しい
社会通念に切り替える必要があるのです。

BIに関しては、政府・公的機関だけでなく、
民間企業・団体による導入実験が、
世界各地で近年行われており、
それらは、概ね良好な結果が出ています。

そして、高度にAIとBIが結びついた世界では、
生きるための労働がなくなります。

では、そうなった時に、人間は働かなくなる
のでしょうか?

  「私は、そうは考えない。 “働く必要が無い” 
  というのは “働くべきではない” という意味
  とは全く異なる。ただし、 “新しいステージ” 
  においては “働く” という言葉の意味合いや、
  人生における “仕事” の位置づけが、
  これまでとは大きく転換することになると
  考えられる。」

本書は、AIとBIのもたらすインパクトを伝え、
私たちが未来をどう生きるべきかを指南する
先見性のある一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

ロンドンで行われた社会実験の結果は?

ホームレスへの対応と社会的コストの増大に
悩まされていたロンドンの行政は、2009年に
ある社会実験を行いました。

それは男性ホームレス13人に対して、
1人月45万円という破格の金額を無条件で与え、
それ以外のサポートは一切行わないという
社会実験でした。

1年半後、給付額は約7000万円になりましたが、
行政コストは約5250万円削減されました。

そして、13人全員が自発的な社会的リハビリや
将来の計画を立案するなど、良い方向へ
動き出したそうです。

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| 経済・行動経済学 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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