活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


≫ EDIT

ビジネス×数学=最強

満足度★★★
付箋数:22

  「あなたは、とある八百屋の店主です。3代続いた店ですが、
  最近は近所に安売りのスーパーができて売り上げが落ち込んでいます。
  でも、あなたは値下げすべきではないと考えています。
  大手スーパーと価格で争うのは難しいだろうと考えているからです。
  店を存続させるための方策として、
  はたしてこれは正しい判断でしょうか?」

これは、本書に掲載されてた問題の中の1問。

本書は、あなたの中に眠る「数学力」を呼び覚まして、鍛える本です。

著者は数学専門・個別指導塾「永野数学塾」塾長の
永野裕之さんです。

数学本で『ふたたびの微分・積分』や『大人のための数学勉強法』、
勉強本では『東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法
などを執筆している方です。

永野さんが言う「数学力」とは、関数や方程式の問題が
解ける力のことではなく、物事を論理的に考える力です。

つまり、「論理力」のことですが、突き詰めると、
「人に自分の考えを伝える力」と「人の言っていることがわかる力」
の2つの力になります。

これはオンでもオフでも、生きていく上で必要な力。

本書では、ビジネスシーンや日常生活の中に隠れている
数学的なものの考え方を紹介します。

さて、冒頭で挙げた問題は、「背理法」を用いて考えます。

背理法とは、「あなたの言う通りだと、◯◯という
おかしな結論になる。だからあなたの言っていることは
間違っている。」とする考え方です。

背理法の手順は、最初に結論の否定を仮定して、
次にその仮定が矛盾することを導きます。

では、背理法で八百屋の店主の判断の是非を考えてみましょう。

  1. 「店を存続させるためにはスーパーと同程度まで
   値下げすべきである」と仮定する。

  2. するとスーパーのように大量仕入れできるわけではないので、
   原価割れする商品が続出。

  3. 売れば売るほど店は損をする。

  4. これは店を存続させるためであることと矛盾。

よって、値下げするべきではないとの結論に達します。

もちろん、価格を据え置いたからといって、
簡単に生き残れるわけではないのが現実。

しかし、少なくとも値下げすることが八百屋にとっては
得策でないことが論理的にも証明できるのです。

この八百屋が存続するためには、いたって平凡な
結論かもしれませんが、価格以外の面で、
地元で長く親しまれた店ならではの付加価値を
つくり出す必要があるのでしょう。

本書は、数式はほとんど出てこないので、
文系の人でも抵抗なく読めるように書かれています。

超文系である永野さんの奥さんのレビューを受け、
文系の人がアレルギーを起こすような表現がないか、
事前にチェック済みのようです。

本書は、18の講義で、あなたの論理的思考力を磨きます。

この本から何を活かすか?

ドラえもんの4次元ポケットは、なぜあんなに小さいのに
何でもはいるのか?

永野さんは、この問いを「次元」の視点から解説しています。

小さなポケットに無尽蔵に何でも入ってしまうのは、
あのポケットがまさに「4次元」だからです。

われわれのいる3次元の空間に、「時間」の軸を加えた
4次元のイメージで考えてみます。

時間軸が新たに加わると、その空間にモノが詰まっていても、
時間をずらして過去や未来に行けば、その空間はスッカラカン。

だから、次元を1つ増やすことで、小さなポケットは
無限に近い空間を手に入れているのです。

このように次元を1つ増やせば、今までなかった可能性が広がります。

ビジネスでは、既存のコンセプトとは違う新機軸を
見つけたい時に、この考えが応用できるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 数学 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

40代からのお金の教科書

満足度★★★
付箋数:12

  「1995年にFP資格を取得してから20年。日常生活に関わる
  お金まわりの知識に対する情報格差を少しでも埋めたい
  という思いで、これまで数多くの講演や個別相談、
  インターネットを通じての情報提供に力をいれてきました。
  その原動力は、自分自身で判断できる賢い消費者を増やしたい
  という想いであり、そのためにひとりでも多くの人に
  ファイナンシャル・プランナー(FP)がもつ知識を
  身につけてほしいという願いです。本書には、そのために必要な
  内容をすべて盛り込んだつもりです。」

これは、本書の「おわりに」に書かれている
著作の栗本大介さんの言葉です。

この「おわりに」は、「FPのいらない世界」という
タイトルが付されています。

内容はさて置き、「FPのいらない世界」というタイトルには
個人的には大いに同意します。

私自身もずいぶん昔にFP資格を取得しましたが、
正直、毒にも薬にもならない資格だと思っています。

「FPに金持ちなし」と言われることがありますが、
それは当然のこと。

支出管理と将来設計の専門家ですから、
守るノウハウはあっても、増やすノウハウはありません。

FP知識だけでは、お金持ちにはなれないのです。

しかし、収入以上の支出をするとマイナスになるという
単純な計算をせず、身の丈以上の生活をしてしまう人が
いるのも事実です。

そんな人は当然、先の支出を見越して備えることなど
決してしていませんから、本書が参考になることでしょう。

栗本さんが、多くの方の家計相談を受けるにつれ、
自分自身で判断できる賢い消費者を増やしたいという
想いを募らせるもの、一定理解できます。

  第1章 40代のお金の現状
  第2章 お金のことを考える最初の一歩
  第3章 65歳で後悔しないためのお金まわりの常識
  第4章 絶対に知っておきたいお金まわりの基礎知識
  第5章 事例から学ぼう―今から考える対策
  第6章 介護にかかる費用
  第7章 誰もが必要となる相続の話
  第8章 知っておきたい制度と専門家
  第9章 人生に「かかる」お金と「かける」お金

40代は、自己破産が最も多い世代のようです。

住宅ローンを抱えた状態で、子どもの教育費が増え、
そろそろ老後の準備や、介護の心配も始まる時期。

お金がかかる様々なイベントの
人生の交差点が40代なのかもしれません。

そんな訳で、本書には「40代からの」という
タイトルがついています。

将来に漠然とした不安がある方は、一度本書を参考に、
マネープランを考えてみた方がいいかもしれません。

栗本さんは、「40代は将来の不安に備えるラストチャンス」
と述べていますが、お金に関しては、気づいた時が始めるときで、
個人的には、その時期は早ければ早いほどいいと思います。

この本から何を活かすか?

  「お金まわりの話に “絶対” はないので、 “必ず” という
  言葉が出てきた際には疑ってかかることが大切ですが、
   “確率の高い方法” は存在します。数多くの人から家計相談を
  受けていると、約2割の確率で、上手に家計運営されている方に
  出会います。(中略)高い確率で共通しているのは、
   “家計の数値を把握していること” です。」

要は、「家計簿」をしっかりつけなさいという話しです。

ビジネスにおいて数値管理が重要であるのと同様に、
家計ににおいても数値を把握することなしでは、
将来に備えることもできません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| マネー一般 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ビジネスマンのための「発想力」養成講座

満足度★★★
付箋数:17

あれ、こんなタイトルの本、前になかったっけ?

と思いましたが、前に出たいたのは「発想力」養成講座ではなく、
「発見力」養成講座でした。

小宮一慶さんの「養成講座シリーズ」も本書で、10冊目となります。

そのシリーズ1冊目として2007年9月にに刊行されたのが、
「発見力」養成講座でした。

一方、本書で扱うのは「発想力」です。

では、「発見力」と「発想力」は、どのように違うのでしょうか?

それは、インプットとアウトプットの違いです。

  「 “発見力” が、あるものをどう見るか、というインプットの能力
  であるのに対し、 “発想力” では、インプットをベースにしながら、
  どうアウトプットするかを問うていきます。
  そのアウトプットの原点となる能力が “発想力” です。」

ビジネスにおいては、結果がすべてですから、
ビジネスマンもアウトプットでのみ評価されます。

その評価されるアウトプットを生み出すのが発想力。

発想されるアイディアは、他人が思いつかないような
ユニークさを持ち、同時に実行可能なものでなくてはなりません。

では、そんな発想力は身に付けることができるのでしょうか?

世の中には、次々と新しく斬新な発想をする、
ひらめきの天才がいます。

しかし、ひらめきの天才であっても、ゼロから何かを
生み出しているわけではありません。

頭の中にインプットされ蓄積されている情報の
データベースから発想の種を引き出しているのです。

  「素晴らしいひらめきをする人というのは、多くな場合、
  ふつうの人とは(頭の中の)違う引き出しを開く人のことです。
   “その引き出しをどうつくり、どのように中身を整理し、
  そして、なにかそれと一見関係なさそうな刺激があったときに、
  その引き出しを開き、中身を取り出せるか?” が、
  発想の原点だと考えています。」

また、ユニークなアイディアを発想できたとしても、
それはあくまで「仮説」の段階ですから、
実行可能なものに落とし込む必要があります。

その時に実行可能な道筋を描く力が、「論理的思考力」です。

ですからビジネスマンが成功するには、
「発想力」と「論理的思考力」の両方が必要なのです。

本書で小宮さんは、具体的なエピソードを紹介しながら、
発想力を鍛える12の原則を紹介します。

  1. 具体的になにをしなければならないかを明らかにする
  2. 目の前の仕事に真剣になる
  3. 脳が活性化するような場、発想が浮かびやすい時間帯を意識する
  4. 情報をインプットし続けるために、絶えず行動を起こす
  5. 相手にとってのベストを考えぬく
  6. 過去をベースに新しい発想を生み出す
  7. まずは真似してみる
  8. 物事を違う視点から見る習慣を持つ
  9. 自分の持っている視野や常識にとらわれないように注意する
  10. ひとつのことをこれでもかというほど徹底する
  11. 必要に迫られて頭をフルにつかう
  12. 目標よりもさらに上位の目的、「志」を持つ

このシリーズの大きな特徴は、非常に手軽に読めること。

本書の帯には「あなた本来の “発想力” を取り戻す
90分のトレーニング!」と書かれていますが、
実際に読むのに90分もかからない本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書では、発想力を阻害する要因も挙げられています。

その中で私に、もろに当てはまっているのが、
「日常生活の活動の場が狭い」ことでした。

楽をして、自分の快適なゾーンだけで暮らしていると、
決まった発想しか出てこなくなってしまうようです。

確かに活動エリアが決っていると、計算できる反面、
予想外のことも起きませんから、自分の脳の中のデータベースも
新しい引き出しができないのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| アイディア・発想法・企画 | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

なぜ人類のIQは上がり続けているのか?



満足度★★★
付箋数:18

  「人は賢くなっているのか?  “現代の私たちは祖先に比べて
  考える能力が高いのか” という意味なら、そうではない。
   “私たちは、経済発展にともなって増加する諸問題をはじめ、
  今日の複雑な世界に対処する知的能力を進化させてきたか”
  という意味なら、そうだ。(中略)

  まちがいなく、 “知能指数(IQ)” は時代とともに
  上がりつづけている。この事実はとても重要だ。
  時代ごとのIQの上昇傾向を調べることで、人間を見つめるための
  窓が開き、それまでぼんやりしていたことがわかってくる。」

日本では、一般的にあまり知られていませんが、
人類の知能指数が過去100年にわたって上昇し続けている事実は、
欧米では広く知られています。

特にアメリカでは、IQ70以下の人は凶悪犯罪を起こしても
死刑が免責となることなどから、IQの注目度は高いようです。

1984年に、ニュージーランドのオタゴ大学政治学部の名誉教授、
ジェームズ・フリンさんは、35カ国の知能検査のデータから
多くの国でIQスコアが世代にわたって上昇していることを
発見しました。

後に、IQが時代とともに上昇しているこの現象は、
発見者の名前をとって、「フリン効果」と名付けられました。

本書は、フリンさんご本人による、「フリン効果」の解説本。

  第1章 はじめに
  第2章 知能指数と知能
  第3章 途上国
  第4章 死刑、記憶喪失、政治
  第5章 若さと老い
  第6章 人種と差別
  第7章 社会的想像力
  第8章 進歩と謎

本当に「フリン効果」があるかどうか、多少の議論の余地は
残っているものの、この効果が広く知られていることを前提に
その誤解を解くスタンスで本書は書かれています。

また、「フリン効果」がもたらす影響について、
様々な角度から論じています。

  「本書では、時代や場所が人の知性にどんな影響を
  与えているのかを解き明かしていきたい。先進国や途上国において
  認知能力の傾向はどうなっているのか、今後21世紀が終わるまでに
  その傾向がどう変わっていくのかについて述べたいと思う。」

本書で主なデータとして使われている知能検査は、
レーヴン斬新的マトリックス検査(RPM)や、
ウェクスラー成人知能検査(WAIS、WAIS-Ⅲ)などです。

ちなみに、イギリスの心理学者チャールズ・スピアマンさんは、
知能は、一般因子(g因子)と特殊因子(s因子)の2つの因子から
構成されていると説きました。

g因子は、いわゆる「地頭がいい」ことを示すものです。

語彙の豊かな人が算数や行列推論でも成績が良かったり、
ある楽器の演奏がうまい人はほかの楽器の演奏もうまいなど、
よく見られることです。

このようにg因子は、何かの能力に秀でている人が、
すべての能力に満遍なく秀でているという傾向を示します。

一方、s因子はそれぞれが独立した専門的に働く因子です。

本書では、「なぜ、女子は低いIQで大学に入れるのか?」
といった話題も提供していますが、少し学術的な印象の強い本です。

この本から何を活かすか?

2013年にフリンさんがTEDで行った講演、
「Why our IQ levels are higher than our grandparents'
(なぜ私たちのIQは、祖父母たちよりも高いのか?)」の映像は
こちらです。



Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 11:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

論理が伝わる 世界標準の「議論の技術」

満足度★★★★
付箋数:26

A氏とB氏、2人が議論をしています。

 A氏:「当社は国内ソフトウェア開発部門を大幅に縮小し、
    ソフトウェア開発の拠点を中国に移すべきです。
    人件費が日本の4分の1なので、大幅なコスト削減が
    実現できます。
    事実、Q社は来年、中国事業所を稼働開始の予定です。」

 B氏:「なぜ、インドではなく、中国なのですか?
    ソフトウェアの開発なら、インドの方が適切ではありませんか?」

このとき、A氏はどのように返すべきでしょうか?

なぜ、インドより中国が適しているのかと問われると、
「なぜなら、中国のほうが・・・」とその理由を説明がちに
なりますが、決してそのように答えてはいけません。

論理的な議論を行うには、守るべき基本ルールがあります。

その1つは、言い出した側に「立証責任」があること。

裁判でも同じですが、何かを主張をする場合には、
その主張を言い出した側に、根拠を説明する義務があります。

立証責任は非常に重いので、相手が立証すべきときに、
自ら立証責任を負ってはいけません。

もし、相手が立証責任を果たしていなければ、
まず相手に立証するように促します。

負う必要のない相手の立証責任を負ってはいけませんし、
相手が立証する前に、反論してもいけないのです。

例として挙げたA氏とB氏の議論では、
B氏は「インドの方が適切である」ことを立証していません。

ですから、ここでA氏は次のように答えるべきなのです。

  「なぜ、中国よりインドが適切とお考えですか?
  インドが適切な理由をご説明ください」

自分が議論が得意だと勘違いしている人は、
往々にして、自説を説明したがります。

相手を言い負かしたいので、自分の主張を
機関銃のように話し、相手から反論の時間を奪って、
自分が話す時間を増やそうとします。

ですから、議論が得意だと勘違いしている人には、
「なぜ?」と立証責任を負わせます。

説明したくてしかたがないので、「なぜ?」と振られると、
得意になって、なぜかを説明してくれます。

なぜかを答えたら、すぐに反論せず、更にその説明に対し、
「なぜか?」を繰り返し質問して、
相手の論理が、行き詰まって破綻するのを待ちます。

一方、本当に議論の得意な人は、立証責任の重さを知っているので、
自ら説明を買って出たりしません。

自分から話さない代わりに、相手の主張を注意深く聞いて、
主張の矛盾を見つけ出し、論証型の反論を行うのです。

ただし、相手に立証責任を負わせるのは、あくまで健全な
議論をするためです。

議論は勝つために行うものではありません。

自分にとっても相手にとっても、最適な結論を導き出すために
行うのです。

本書はブルーバックスから刊行されている倉島保美さんの
「論理が伝わる」シリーズ第3弾。

このシリーズ、本書も含め、いずれも良作です。

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』では、ロジック表現を、
論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」』では、ロジック構築を
学びます。

本書では「ロジック論証」を中心に議論の技術を学びます。

練習問題が多く掲載されているので、理解できているか
確かめながら読み進めることができます。

この本から何を活かすか?

  反論には、「主張型反論」と「論証型反論」の2種類がある

主張型反論とは、なぜ「~すべきか/~すべきでないか」を
の述べる反論です。

論証型反論とは、相手の述べる根拠では主張が
成立しないことを述べる反論です。

論理的な議論は、両方の型の反論がなされて、
初めて成立しますが、議論を深めるのは「論証型反論」です。

議論がかみ合わず、平行線をたどる場合は、
双方が「主張型反論」ばかりをしているからのようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 09:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT